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青色申告のおすすめ会計ソフト【比較一覧表】個人事業主向け

更新日: 2024/04/30
青色申告のおすすめ会計ソフト【比較一覧表】個人事業主向け

個人事業主・フリーランス向けに、青色申告対応のおすすめ会計ソフトを比較します。「クラウド型」の会計ソフトは初心者でも使いやすいです。無料トライアルができる青色申告ソフトも多いので、気になったらどんどん試してみましょう。

INDEX

目次

    青色申告におすすめの会計ソフト比較一覧表

    青色申告ソフトとは、青色申告特有のルールに対応した会計ソフトのことです。具体的には「複式簿記の帳簿付け」や「貸借対照表の作成」に対応しています。これらのソフトを使えば、初心者でも簡単に65万円の青色申告特別控除を狙えます。

    料金
    (税込)
    対応OS
    デバイス
    複式簿記 申告書類
    の作成
    電子申告
    (e-Tax)
    操作画面
    やよいの青色申告 オンラインやよいの青色申告
    オンライン
    11,330円/年~
    クラウド

    やよいの青色申告 オンライン 取引入力画面
    会計freeefreee会計
    (フリー)
    12,936円/年~
    クラウド

    操作画面(取引入力)- freee
    マネーフォワード
    クラウド確定申告
    11,880円/年~
    クラウド

    「マネーフォワード クラウド確定申告」取引入力画面
    やよいの青色申告24(インストール型)やよいの青色申告 15,400円~
    インストール

    「かんたん取引」入力画面 - やよいの青色申告
    みんなの青色申告みんなの青色申告 10,780円
    インストール


    別料金

    別料金
    操作画面(取引入力)-みんなの青色申告
    やるぞ!青色申告2024(インストール型会計ソフト)やるぞ!青色申告 9,680円~
    インストール


    別ソフト
    を使う

    e-Taxソフト
    を併用
    操作画面(取引入力)-やるぞ!青色申告
    ジョブカンDesktop 青色申告ジョブカン
    青色申告/確定申告
    5,500円~
    インストール


    e-Taxソフト
    を併用
    操作画面(取引入力)- ジョブカンDesktop 青色申告
    MJSかんたん!青色申告MJSかんたん!青色申告 7,920円
    インストール


    e-Taxソフト
    を併用
    操作画面(取引入力)- MSJかんたん!青色申告
    料金
    (税込)
    対応OS
    デバイス
    複式簿記 申告書類
    の作成
    電子申告
    (e-Tax)
    操作画面

    上記のソフトはどれも、日々の帳簿付けから確定申告に必要な基本機能を備えています。ただ「操作画面のわかりやすさ」や「電子申告への対応状況」には、ソフトごとに差があります。(青色申告ソフトの選定ポイントは記事の後半で解説しています)

    ここからは、各ソフトの機能や料金プランについて詳しく解説していきます。

    【クラウド型】やよいの青色申告 オンライン

    やよいの青色申告 オンライン - 個人事業主向けクラウド青色申告ソフト

    • 低価格で利用できる(初年度無料・半額キャンペーンあり)
    • 大手ならではの手厚いサポート体制
    • 項目が少なく、サッパリとしたインターフェイス
    料金(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    11,330円/年~
    初年度は
    無料or半額
    Windows
    Mac
    パソコン
    タブレット
    スマホ
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応

    3社のなかで最も低価格なのが弥生です。セルフプラン(11,330円/年)とベーシックプラン(18,975円/年)に至っては、初年度無料で利用できます(トータルプランは初年度半額)。freeeやマネーフォワードとは違い、月払いでの契約はできません。

    「やよいの青色申告 オンライン」の操作画面

    トップ 取引入力 レポート 申告書類作成
    やよいの青色申告 オンライン トップページ やよいの青色申告オンラインの取引入力画面 やよいの青色申告 オンライン 損益レポート画面 やよいの青色申告 オンライン 確定申告書作成画面

    弥生はメニューの項目が絞られており、スッキリとした印象です。ただ、シンプルすぎて最初は操作しにくいところもあり、操作に慣れるのに多少の時間が必要です。自動仕訳は、画面切り替えのロード時間が少々不便に感じるかもしれません。

    料金プラン比較(やよいの青色申告 オンライン)

    セルフプラン ベーシックプラン トータルプラン
    利用料金
    (税込)
    11,330円/年
    初年度は無料
    18,975円/年
    初年度は無料
    33,000円/年
    初年度は半額
    帳簿付け
    自動仕訳
    確定申告書の作成
    電子申告
    サポート なし ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・画面共有
    ※ 電話は年10回まで
    ・メール
    ・チャット
    ・電話
    ・画面共有
    ・仕訳相談
    ・経理業務相談
    ・確定申告相談

    >>「やよいの青色申告 オンライン」の料金プランを詳しく

    「やよいの青色申告 オンライン」の料金プランは3種類です。どのプランでも機能は同じですが、サポート内容が異なります。最上位の「トータルプラン」なら、ソフトの操作に関する質問だけでなく、仕訳や確定申告などの業務内容に関する相談もできます。

    初年度は半額で利用できるので、初心者はひとまず「トータルプラン」から使い始めるのがおすすめです。会計業務に慣れてきたら、2年目以降はリーズナブルな「セルフプラン」に切り替えてもよいでしょう。

    やよいの青色申告 オンライン(公式サイト)

    【クラウド型】freee会計(フリー)

    クラウド会計ソフト freee(フリー)

    • 初心者でもわかりやすい独特なインターフェイス
    • アンケート感覚で確定申告の書類を作成できる
    • スマホのアプリ版との併用で、経理業務がよりカンタン
    料金(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    12,936円/年~ Windows
    Mac
    パソコン
    タブレット
    スマホ
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応

    freeeの利用料金は、弥生やマネーフォワードと比較すると少し高めです。しかし、そのぶん機能が充実しており、特に電子申告や電子帳簿保存法対応などのDX面が優れています。会計業務の効率化を重視する個人事業主におすすめです。

    freee会計の操作画面

    トップ 取引入力 レポート 申告書類作成
    freee トップページ画面 操作画面(取引入力)- freee freee 損益レポート画面 freee 確定申告書作成画面

    freeeには簿記の用語がほとんど登場しません。そのため、会計や経理の経験が一切なくても利用しやすいソフトだといえます。逆に、簿記の知識がある方にとっては、わかりにくく感じるかもしれません。

    料金プラン比較(freee会計)

    スターター スタンダード プレミアム
    利用料金
    (税込)
    12,936円/年 26,136円/年 43,780円/年
    帳簿付け
    自動仕訳
    確定申告書の作成
    電子申告
    サポート ・メール
    ・チャット
    ・メール(優先対応)
    ・チャット(優先対応)
    ・メール(優先対応)
    ・チャット(優先対応)
    ・電話
    ・税務調査サポート補償

    >> freee会計の料金プランを詳しく

    freee会計には3種類の料金プランがあります。大抵の個人事業主は、最安の「スターター」で十分でしょう。スタータープランには若干の機能制限(消費税申告ができないなど)がありますが、帳簿付けや確定申告に関わる機能は問題なく使えます。

    ちなみに、最上位プランに付帯する「税務調査サポート補償」とは、税務調査が入る際に税理士費用を最大50万円まで補償してくれるサービスです。ユニークなサポート制度ですが、利用機会はそう多くありません。

    freee会計(公式サイト)

    【クラウド型】マネーフォワード クラウド確定申告

    マネーフォワード クラウド確定申告

    • 他サービスとのセット利用により加速する効率化とコストダウン
    • 会計初心者から上級者まで、扱いやすいデザイン
    • 本格的な事業運営を見据える事業主向けサービス
    料金(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    11,880円/年~ Windows
    Mac
    パソコン
    タブレット
    スマホ
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応

    請求書の作成や経費精算など、会計ソフト以外のクラウドサービスも料金内で利用できるのが大きな特徴です。バックオフィス全体の効率化を進めたいのであれば、非常にコスパが高いと言えます。ただ、無料プランでは仕訳を年間50件までしか登録できません。

    「マネーフォワード クラウド確定申告」の操作画面

    トップ 取引入力 レポート 申告書類作成
    マネーフォワード 確定申告 トップページ画面 マネーフォワード 確定申告 取引入力画面 マネーフォワード 確定申告 キャッシュフローレポート画面 マネーフォワード 確定申告 確定申告書作成画面

    マネーフォワードのインターフェイスは3社のなかでもわかりやすく、探している項目をすぐに見つけられます。強いていえば、取引を入力するときに勘定科目の説明などがないので、簿記3級程度の知識があればよりスムーズに操作できることでしょう。

    様々なサービスを有効活用し、本格定期な事業展開を目指していく事業主には、このマネーフォワードが一番おすすめです。

    料金プラン比較(マネーフォワード クラウド確定申告)

    パーソナル
    ミニ
    パーソナル パーソナル
    プラス
    利用料金
    (税込)
    11,880円/年 16,896円/年 39,336円/年
    帳簿付け
    自動仕訳
    確定申告書の作成
    電子申告
    サポート ・メール
    ・チャット
    ・メール
    ・チャット
    ・メール
    ・チャット
    ・電話

    >> マネーフォワード クラウドの料金プランを詳しく

    「マネーフォワード クラウド確定申告」には3つの料金プランがあります。基本的には「パーソナルミニ」でも十分ですが、消費税申告の機能が欲しいなら「パーソナル」以上のプランを選びましょう。

    マネーフォワード クラウド確定申告(公式サイト)

    【インストール型】やよいの青色申告

    • 長年の利用者が多いインストール型ソフト
    • インストール型だが、自動仕訳機能やスマホアプリも備えている
    • ほかのインストール型会計ソフトより初心者向け
    価格(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    15,400円~ Windowsのみ パソコン
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応

    「やよいの青色申告」は30年以上の歴史を持つインストール型会計ソフトです。インターフェイスは少し昔っぽい印象ですが、機能面はクラウド型のソフトにも負けていません。「どうしてもインストール型がいい!」という人には、このソフトがおすすめです。

    「やよいの青色申告」の操作画面

    トップ 取引入力 申告書類作成
    導入画面 - やよいの青色申告 「かんたん取引」入力画面 - やよいの青色申告 申告書類の作成画面 - やよいの青色申告

    「やよいの青色申告」の操作画面は、他のインストール型ソフトと比較するとわかりやすいです。クラウド型の「やよいの青色申告 オンライン」ほど初心者向けではありませんが、インストール型ソフトの中ではかなり使いやすい部類です。

    【インストール型】みんなの青色申告

    みんなの青色申告

    • インストール型だが自動仕訳機能が使える
    • 確定申告書類の作成には「みんなの確定申告」との連携が必要
    • 「みんなの確定申告」を使うには有料サポートの加入が必須
    価格(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    10,780円 Windowsのみ パソコン
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応

    別ソフトが必要

    別ソフトが必要

    「みんなの青色申告」は、自動仕訳機能を備えたインストール型ソフトです。おおまかな機能性は、先述した「やよいの青色申告」と似ています。ただ、確定申告には別ソフトが必要だったり、使い勝手の悪い部分がちょこちょこあります。

    「みんなの青色申告」の操作画面

    トップ 取引入力 申告書類作成
    ホーム画面 - みんなの青色申告 操作画面(取引入力)-みんなの青色申告 申告書類作成画面 - みんなの確定申告

    ※ 申告書類作成の画面は「みんなの確定申告」

    「みんなの青色申告」の操作画面は、インストール型のなかでは取っつきやすいほうです。ただ、確定申告に使う「みんなの確定申告」は、いかにも”昔ながらのWindowsソフト”といった印象で、初心者向けとは言えません。

    【インストール型】やるぞ!青色申告

    やるぞ!青色申告 - インストール型会計ソフト

    • Windows版とMac版がある
    • 確定申告用の「やるぞ!確定申告」がセットで付いてくる
    • 自動仕訳機能は無い
    価格(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    19,680円~ × Windows
    Mac
    パソコン
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応
    ×
    別ソフトが必要

    Windows版のみ

    「やるぞ!青色申告」は、インストール型にしては珍しくWindows版とMac版の両方が販売されています。全体的に使い勝手は良くありませんが、強いて言えば「どうしてもインストール型がいい!」というMacユーザーにおすすめです。

    「やるぞ!青色申告」の操作画面

    トップ 取引入力 申告書類作成
    ホーム画面 - やるぞ!青色申告 出納帳形式の入力画面 - やるぞ!青色申告 書類作成画面(確定申告書B)- やるぞ!青色申告

    ※ 申告書類作成の画面は「やるぞ!確定申告」

    「やるぞ!青色申告」の操作画面は、経理経験者の使い勝手を重視したシンプルなデザインです。使い慣れればスピーディーな操作も可能ですが、あまり初心者に優しいインターフェイスではありません。

    【インストール型】ジョブカンDesktop 青色申告

    ジョブカンDesktop 青色申告

    • インストール型だが自動仕訳機能が使える
    • パッケージ版とダウンロード版があり、ダウンロード版のほうが安価
    • 他社のインストール型ソフトと比べて安価だが、機能性はそこそこ
    価格(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    5,500円~ Windowsのみ パソコン
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応
    △*

    * 国税庁の「e-Taxソフト」を介して電子申告する

    「ジョブカンDesktop 青色申告」には、パッケージ版(8,140円)とダウンロード版(5,500円)があります。リーズナブルな価格設定が魅力なので、「電子申告はできなくてもいいかな」という人なら選択肢に入ります。

    「ジョブカンDesktop 青色申告」の操作画面

    トップ 取引入力 申告書類作成
    申告書類作成画面 - ジョブカンDesktop 青色申告 操作画面(取引入力)- ジョブカンDesktop 青色申告 申告書類作成画面 - ジョブカンDesktop 青色申告

    「ジョブカンDesktop 青色申告」の操作画面は、インストール型のなかでは分かりやすいほうです。特に、初心者向けの帳簿付け機能(かんたん取引帳)がわりと親切なので、会計知識がなくてもシンプルな取引ならスムーズに記帳できそうです。

    【インストール型】MJSかんたん!青色申告

    MJSかんたん!青色申告

    • インストール型だが自動仕訳機能が使える
    • 初心者向けの記帳機能が用意されていない
    • 操作感はかなり「経理経験者向け」といった印象
    価格(税込) 無料体験 操作性 対応OS デバイス
    7,920円 Windowsのみ パソコン
    帳簿づけ 自動仕訳 確定申告書類 電子申告 電帳法対応
    △*

    * 国税庁の「e-Taxソフト」を介して電子申告する

    「MJSかんたん!青色申告」は、インストール型会計ソフトを使ったことがある経理経験者向けのソフトです。簡単な記帳機能がなく、画面上の説明も少ないので、初心者が使いこなすにはハードルが高いでしょう。

    「MJSかんたん!青色申告」の操作画面

    トップ 取引入力 申告書類作成
    ホーム画面 – MJSかんたん!青色申告 操作画面(取引入力)- MSJかんたん!青色申告 申告書類作成画面 - MJSかんたん!青色申告

    「MJSかんたん!青色申告」の操作画面は、全体的に経理経験者の利用を想定したデザインです。特に、取引入力画面や確定申告書類の作成画面は、かなり取っつきづらいインターフェイスになっています。

    クラウド型会計ソフトのメリット・デメリット

    クラウド会計ソフトのメリット・デメリットを解説します。あえて細かなデメリットも挙げていますが、これから導入するならクラウド型が断然おすすめです。

    クラウド会計ソフトのメリット

    • インターフェイスがわかりやすい
    • 自動仕訳の機能が発達している
    • OSやデバイスを問わずに利用できる
    • 法改正にも自動バージョンアップで対応できる
    • データが自動でクラウドにバックアップされる
    • 税理士とのやり取りを効率化できる

    クラウド会計ソフトの最大のメリットは、ひとことで言うと「初心者でも使いやすい」という点です。インターフェイスがシンプルでわかりやすいうえ、用語の注釈なども充実しています。ほとんど会計知識がなくても、直感的に操作できるでしょう。

    また、インストール型ソフトと比べて「自動仕訳」が発達しているのも強みです。自動仕訳とは、クレカや口座の利用履歴を自動で帳簿に反映してくれる機能です。この機能を上手に活用すれば、記帳業務の大半を自動化できます。

    クラウド会計ソフトのデメリット

    • インターネット環境がないと使えない
    • 回線状況によっては動作が重くなる
    • 月額 or 年額のランニングコストがかかる
    • クラウド会計ソフトに未対応の税理士もいる

    クラウド会計ソフトのデメリットは、強いて言えば「通信環境によっては動作が重くなる」という点です。といっても、大量のデータ通信を行うわけではないので、普通にインターネットに接続できる環境ならサクサク使えます。

    ちなみに「クラウド会計ソフトはランニングコストがかかるから嫌だ」という方もいますが、これはインストール型でも基本的に同じです。インストール型ソフトでも、最新の税制に対応するには、毎年の買い替えや有償でのバージョンアップが必要になります。

    クラウド会計ソフトのメリット・デメリットをもっと詳しく!

    インストール型会計ソフトのメリット・デメリット

    続いて、インストール型会計ソフトのメリット・デメリットを解説します。インストール型の会計ソフトは、ひとことで言えば「これまでもインストール型を使っていた」という人におすすめです。一方、会計ソフト初心者にとってはメリットが少なめです。

    インストール型会計ソフトのメリット

    • 経理経験者や古参ユーザーにとってはインターフェイスが使いやすい
    • オフラインでも使用できる
    • ネットワーク経由での情報漏洩が起こりにくい
    • ネットワーク関連のシステム障害が起こりにくい

    インストール型の会計ソフトは、良くも悪くも”昔ながら”の操作画面が特徴です。初心者にはとっつきづらい場合が多いですが、経理経験者や古参ユーザーにとっては使いやすいでしょう。

    また、インストール型ソフトは基本的にネット環境を必要としません。そのため、クラウド型よりも動作が軽快に感じられる場合もあるでしょう。ネットワーク経由の情報漏洩などにも強いです。

    インストール型会計ソフトのデメリット

    • 初心者にとってはインターフェイスがわかりづらい
    • 最新の税制に対応するには、毎年のバージョンアップが不可欠
    • インストールしたパソコンでしか使えない
    • Macで利用できるソフトはかなり限られる
    • インストールしたパソコンが故障すると使えなくなる

    インストール型の会計ソフトには古参ユーザーが多いので、昔からのインターフェイスをそのまま採用しているケースが多いです。そのため、新規ユーザーにとっては少し不親切な仕上がりになっています。専門用語の解説なども最小限しかありません。

    「インストール型は買い切りだからお得!」と考える人もいますが、実際はインストール型でもランニングコストがかかります。最新の税制に対応するために、毎年のバージョンアップが必要だからです。バージョンアップをしないと、正しく確定申告できなくなってしまう可能性があります。

    青色申告ソフトを選ぶ7つのポイント

    青色申告対応の会計ソフトを選ぶ際は、下記の7つのポイントを重視しましょう。

    1. クラウド型かインストール型か?
    2. インターフェイスがわかりやすいか?
    3. 自動仕訳の機能があるか?
    4. 電子申告(e-Tax)の対応が進んでいるか?
    5. スマホでも利用できるか?
    6. サポート体制が充実しているか?
    7. 無料トライアルができるか?

    ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。

    ① クラウド型かインストール型か?

    青色申告の会計ソフトは「クラウド型」と「インストール」の2種類に大別できます。ここでは、先述したそれぞれのメリット・デメリットを表にまとめておきます。

    クラウド型 インストール型
    利用コスト 月額料金 or 年額料金 初期費用
    +
    毎年のバージョンアップ費用
    対応デバイス パソコン
    タブレット
    スマホ
    パソコンのみ
    対応OS Windows
    Mac
    大抵はWindowsのみ
    ネット環境 必要 不要
    インターフェイス 初心者でも
    使いやすい
    どちらかというと
    経理経験者向き
    自動仕訳機能
    (ソフトによっては非対応)
    バージョンアップ 自動
    (追加料金はかからない)
    手動
    (追加料金がかかりがち)

    これから導入するなら、圧倒的にクラウド型がおすすめです。インストール型は、「ネット環境がない」「昔ながらの会計ソフトが使い慣れている」などといったレアケース向けと考えましょう。

    ② インターフェイスがわかりやすいか?

    会計ソフトは頻繁に操作するものなので、インターフェイスのわかりやすさにもこだわりましょう。インターフェイスが分かりづらいソフトだと、使いこなせるまでに余計な時間がかかってしまいます。

    クラウド型とインストール型を比較すると、クラウド型のほうが初心者向けでわかりやすいインターフェイスになっています。ただ、クラウド会計ソフトの大手3社のなかでも、インターフェイスの作りは三者三様です。

    クラウド大手3社の帳簿付け画面【インターフェイス比較】
    弥生 freee マネーフォワード
    やよいの青色申告オンラインの取引入力画面 freeeの取引入力画面 マネーフォワード クラウド確定申告 取引入力画面

    弥生・freee・マネーフォワードの3社は、どれも操作画面がシンプルでわかりやすいです。一概にどれがベストとは言えないので、自分が「なんとなく使いやすそうだな」と感じるものを選ぶとよいでしょう。

    ③ 自動仕訳の機能があるか?

    「自動仕訳」とは、クレカや口座の取引履歴を自動で取り込んで、適切な形で帳簿に反映してくれる機能のことです。これから青色申告ソフトを導入するなら、自動仕訳の機能はほぼマストと考えましょう。

    会計ソフトの自動仕訳機能とは?

    メジャーなクラウド会計ソフトは、どれも自動仕訳機能が標準装備されています。一方、インストール型ソフトは自動仕訳に対応していない場合も多いので注意しましょう。

    自動仕訳機能があるソフト 自動仕訳機能がないソフト
    やよいの青色申告 オンライン
    freee会計
    マネーフォワード クラウド確定申告 など
    やるぞ!青色申告
    円簿青色申告
    魔法陣会計クラウド など

    なかでも、弥生・freee・マネーフォワードのクラウド会計ソフトは自動仕訳機能が発達しています。ソフトと連携できるクレカや金融機関が多いうえ、自動仕訳のルールを細かく設定できます。

    個人事業主のクラウド会計ソフトを徹底比較!弥生・freee・マネーフォワード

    ④ 電子申告(e-Tax)の対応が進んでいるか?

    昨今の会計ソフトなら、大抵は電子申告(e-Tax)に対応しています。しかし、具体的な対応状況はソフトによってまちまちなので注意しましょう。ざっくり分けると「対応が進んでいるソフト」と「対応が遅れているソフト」があります。

    e-Tax対応が進んでいるソフト e-Tax対応が遅れているソフト
    申告書類を作ったあと
    ソフトからそのまま電子申告できる
    国税庁のソフトを併用しないと
    電子申告できない
    やよいの青色申告 オンライン
    freee会計
    マネーフォワード クラウド確定申告 など
    やるぞ!青色申告
    ジョブカンDesktop 青色申告
    MJSかんたん!青色申告 など

    e-Tax対応が進んでいるソフトなら、ソフトで作成した確定申告書類をそのままオンラインで送信できます。申告書類の作成~提出をシームレスにおこなえるので、初心者でも簡単に電子申告ができます。

    e-Tax対応が進んだソフトの例【確定申告画面の比較】
    弥生 freee マネーフォワード
    電子申告(e-Taxで確定申告)の操作画面 - 弥生 申告データの作成画面 - freee 申告データの作成画面 - マネーフォワード

    一方、e-Tax対応が遅れているソフトでは、作成した確定申告書類をいったん国税庁の「e-Taxソフト」に取り込まないと電子申告できません。国税庁のソフトは使い勝手が悪いので、とくに初心者の場合は必要以上に時間が取られてしまいがちです。

    ⑤ スマホでも利用できるか?

    これから導入するなら、スマホからでも帳簿付けできる会計ソフトがおすすめです。スマホから会計ソフトを利用する方法は、大きく2通りあります。

    • 専用のスマホアプリを利用する
    • スマホのブラウザ*からログインして利用する

    * SafariやGoogle Chromeなどのこと

    会計ソフトによって、それぞれ下記のように対応状況が異なります。ひとまずクラウド型のソフトを選んでおけば、スマホからでも快適に帳簿づけできます。

    スマホアプリ
    で利用
    スマホブラウザ
    で利用
    やよいの青色申告 オンライン
    freee会計
    マネーフォワード クラウド確定申告
    やよいの青色申告 ×
    みんなの青色申告 × ×
    やるぞ!青色申告 × ×
    ジョブカンDesktop 青色申告 × ×
    MJSかんたん!青色申告 × ×

    大手メーカーの会計ソフトは、自社のユーザー向けに専用のスマホアプリを配信しています。スマホアプリでは、スマホ向けに最適化されたインターフェイスで、手軽に帳簿付けができます。スキマ時間にサクッと記帳したいときにピッタリです。

    クラウド会計ソフトなら、パソコンと同じように、スマホのブラウザからでも操作できます。画面が小さいとすこし操作しづらいですが、パソコン版と同様の機能をスマホから利用できます。

    ⑥ サポート体制が充実しているか?

    会計ソフト初心者は、ユーザーサポート体制もチェックしておきましょう。なかでも、仕訳や確定申告に関する相談を受け付けているソフトなら、「会計知識がほとんどないから心配…」という人でも安心です。

    操作方法のサポート 仕訳や確定申告の
    サポート
    やよいの青色申告 オンライン
    freee会計 ×
    マネーフォワード クラウド確定申告 ×
    やよいの青色申告
    みんなの青色申告 ×
    やるぞ!青色申告 ×
    ジョブカンDesktop 青色申告 ×
    MJSかんたん!青色申告 ×
    マネーフォワードの税理士相談サービス
    2024年1月16日〜3月29日の期間限定で、税理士とチャットできるサービスを実施していた(オペレーターが必要と判断した場合に限る)。チャットを通じて、確定申告(仕訳・記帳、所得税、消費税)に関する税務相談ができるサービス。「マネーフォワード クラウド確定申告」の有料プランを利用中であれば、追加費用なしでこのサービスを利用できた。2025年の実施は未定。

    弥生の会計ソフトでは、操作に関するサポートだけでなく、帳簿付けや確定申告に関する相談も受け付けてもらえます。最上位プラン限定のサービスですが、会計初心者は1年目だけでもこのようなサポートを付けておくと安心です。

    ⑦ 無料トライアルができるか?

    気になる会計ソフトがあったら、まずは無料トライアルで操作感を試してみるのがおすすめです。無料トライアルは、各メーカーの「使ってみれば良さがわかるはず!」という自信の表れとも言えます。

    会計ソフトの無料トライアル期間まとめ
    やよいの青色申告 オンライン 1年間
    freee会計 30日間
    マネーフォワード クラウド確定申告 1ヶ月
    やよいの青色申告 30日間
    みんなの青色申告 30日間
    やるぞ!青色申告 無料体験なし
    ジョブカンDesktop 青色申告/確定申告 30日間
    MJSかんたん!青色申告 30日間

    「やよいの青色申告 オンライン」では、最安の「セルフプラン」なら1年間無料で全機能を使えます(次年度からは11,330円/年)。極端な話ですが、確定申告機能まで使い尽くしたあとでも、年度の更新前に解約すれば料金はかかりません。

    ちなみに、上記のソフトはどれも、体験期間中に入力したデータが自動で製品版に引き継がれます。気になるソフトがあれば、まずは実際に触ってみましょう。

    【まとめ】青色申告には弥生・freee・マネーフォワードがおすすめ

    本記事を踏まえて、青色申告の個人事業主には「弥生・freee・マネーフォワード」のクラウド会計ソフトがオススメです。3社の料金や機能の違いを比較表にまとめました。

    やよいの青色申告
    オンライン
    freee会計 マネーフォワード
    クラウド確定申告
    料金
    (税込)
    セルフプラン
    11,330円/年
    初年度無料

    ベーシックプラン
    18,975円/年
    初年度無料

    トータルプラン
    33,000円/年
    初年度半額

    スターター
    12,936円/年

    スタンダード
    26,136円/年

    プレミアム
    43,780円/年

    パーソナルミニ
    11,880円/年

    パーソナル
    16,896円/年

    パーソナルプラス
    39,336円/年

    無料体験
    帳簿づけ
    (複式簿記)
    自動仕訳
    確定申告書類
    の作成
    電子申告
    (e-Tax)
    電帳法対応
    メール・チャット
    サポート
    ベーシックプラン(10回/年)
    トータルプラン
    全プラン 全プラン
    電話
    サポート
    ベーシックプラン
    トータルプラン
    プレミアムプラン パーソナルプラス
    確定申告などの相談
    サポート
    トータルプラン
    やよいの青色申告
    オンライン
    freee会計 マネーフォワード
    クラウド確定申告

    クラウド型の会計ソフトは、弥生・freee・マネーフォワードの3社がシェアNo.1を争っています。実際に、国内でクラウド型の会計ソフトを利用している個人事業主の約9割が、3つのいずれかを利用しているとの調査結果もあります。クラウド型会計ソフトは、この3社の中から選べば間違いありません。

    この3社以外のクラウド会計ソフトもありますが、サービス開始から数年で終了しているものがほとんどです。長期的に利用することを考えると、安定している大手の会計ソフトを選んだほうがいいでしょう。

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