青色申告決算書の書き方・記入例【3ページ目】

更新日: 2020/04/23

青色申告決算書の3ページ目の記入方法を、記入例付きで解説します。この記事では2020年の確定申告期間で提出する、2019年(令和元年)分の青色申告決算書を例に説明しています。

INDEX

目次

    青色申告決算書の書き方【3ページ目】

    青色申告決算書は4ページ構成で、3ページ目には減価償却費の計算過程や、地代家賃の詳細などを記入します。1ページ目と4ページ目に転記する内容も多いので、自分で計算して記入する際は2ページ目か3ページ目から書き始めるとスムーズです。

    1ページ 令和元年分以降用 青色申告決算書1ページ 記入例(全体)
    1. 日付
    2. 事業主と事業に関する情報
    3. 売上(収入)金額
    4. 売上原価
    5. 経費
    6. 各種引当金・準備金等
    7. 所得金額
    2ページ 令和元年分以降用 青色申告決算書2ページ 記入例(全体)
    1. 年号と氏名
    2. 月別売上(収入)金額及び仕入金額
    3. 貸倒引当金繰入額の計算
    4. 給料賃金の内訳
    5. 専従者給与の内訳
    6. 青色申告特別控除額の計算
    3ページ 令和元年分以降用 青色申告決算書3ページ 記入例(全体)
    1. 減価償却費の計算
    2. 利子割引料の内訳
    3. 地代家賃の内訳
    4. 税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳
    5. 本年中における特殊事情
    4ページ 令和元年分以降用 青色申告決算書4ページ 記入例(全体)
    1. 日付
    2. 貸借対照表 – 資産の部
    3. 貸借対照表 – 負債・資本の部
    4. 製造原価の計算 – 原材料費
    5. 製造原価の計算 – 製造経費
    6. 製造原価の計算 – 製品製造原価

    1. 減価償却費の計算

    固定資産がある場合は、今回の確定申告で減価償却費に計上する金額を計算します。まだ経費計上していない開業費(繰延資産)がある場合も同様です。それらの資産を持っていない事業主は、何も記入しなくてOKです。

    令和元年分以降用 青色申告決算書 減価償却費記入例

    減価償却資産の名称等(繰延資産を含む) 減価償却の対象となる資産の名前
    例:高額なパソコン・オフィス家具・自動車・開業費
    面積又は数量 資産の個数
    面積で記入するのは建物などの場合のみ
    取得年月 購入した日付
    書き方は「20XX年」と「令和XX年」どちらでも
    取得価額
    (償却保証額)
    購入にかかった費用
    定額法の場合、カッコの中は何も記入しない
    償却の基礎になる金額 減価償却費を算出する基準になる金額
    定額法の場合は「取得価額(イ)」と同じ金額を記入する
    償却方法 「定額法」や「定率法」など、減価償却の方法
    個人事業では「定額法」が一般的
    耐用年数 資産の耐用年数(法定耐用年数表)
    新品で購入した資産の場合は法定耐用年数を記入する
    償却率又は改定償却率 耐用年数に応じた償却率
    例:耐用年数4年なら定額法の償却率は0.250
    本年中の償却期間 その年の償却月数(購入年以外は「12」と記入する)
    例:4月に購入したら購入年の償却月数は「9」
    本年分の普通償却費 (ロ)×(ハ)×(ニ)の金額
    割増(特別)償却費 特別な税制に基づいて、(ホ)に加えて償却する金額
    基本的には何も記入しない
    本年分の償却費合計 (ホ)+(ヘ)の金額
    割増償却費が無ければ(ホ)と同じ金額を記入する
    事業専用割合 対象の資産を事業用に使った比率(家事按分をする場合)
    事業でしか使用していなければ「100」と記入する
    本年分の必要経算入額 (ト)×(チ)の金額
    家事按分をしない場合は(ト)と同じ金額を記入する
    未償却残高(期末残高) 取得価額のうち、まだ経費計上していない金額
    その年に買った資産なら(イ)から(ト)を引いた金額になる
    摘要 減価償却の方法に関する注意書き
    中古資産や、特殊な償却方法を利用する際に記入する
    縦列それぞれの合計金額
    「本年分の必要経費算入額」の合計は1ページの⑱と一致

    上記はすべて「定額法」で減価償却をする際の記入方法です。個人事業では稀なケースですが「定率法」で減価償却をする際は、記入例を参考にしてください。

    なお、青色申告では「少額減価償却資産の特例」を適用できます。これによって、取得価額が30万円未満の固定資産なら、全額をその年の経費にすることが可能です(合計300万円まで)。特例を利用する場合は、摘要の欄に「少額減価償却資産の特例」と明記しておきましょう。

    ちなみに「割増(特別)償却費」を記入するのは、「中小企業投資促進税制」や「中小企業経営強化税制」などの特別な制度を利用した際のみです。これに関係のない事業主は、何も記入しません。

    2. 利子割引料の内訳

    金融機関以外に支払った「借入金の利子」や「手形割引料」の詳細を記入します。該当する支払いのない事業主は、何も記入しません。ちなみに手形割引料とは、報酬などで受け取った「手形」を早めに現金化する際に支払う手数料のことです。

    なお、ここで言う「金融機関」の範囲は少し曖昧です。ひとまず、明確に「金融業を営んでいる」とは言えない個人や法人から借り入れをしたら、その利子について記入しておきましょう。銀行や日本政策金融公庫からの借入金については記入不要です。

    令和元年分以降用 青色申告決算書「利子割引料の内訳」記入例

    支払先の住所・氏名 利子などを支払った相手の住所と名前
    金融機関以外の個人名や企業名を記入する
    期末現在の借入金等の金額 期末時点(12月31日)で、まだ返済していない残高の金額
    借り入れた金額からこれまでの返済額を差し引いた額を記入
    本年中の利子割引料 1年間で支払った利子などの合計金額
    左のうち必要経費算入額 「本年中の利子割引料」うち、経費に計上する金額
    家事按分をしない場合は、左の金額と一致する

    「左のうち必要経費算入額」に記入する金額は、1ページ目の「利子割引料(㉒)」と必ず一致します。

    3. 地代家賃の内訳

    地代家賃」として計上した支出の詳細を記入します。貸事務所や貸店舗の賃借料を支払っていたら、ここにその内訳を記入しましょう。自宅兼事務所の場合でも、家賃の一部を家事按分で経費に計上するなら、この欄の記入が必要です。

    令和元年分以降用 青色申告決算書「地代家賃の内訳」記入例

    支払先の住所・氏名 物件を所有する大家さんや会社の名前と住所
    ※借りている物件の住所ではない
    賃借物件 借りている物件の使いみち
    例:自宅兼事務所・事務所・店舗・倉庫・工場
    本年中の賃借料・
    権利金等

    1年間に支払った「権利金」や「契約更新料」の金額
    当てはまる方に○をして金額を記入
    1年間に支払った「賃借料(家賃)」の合計額
    上の欄に書いた権利金や更新料は、ここに含めない
    左の賃借料のうち
    必要経費算入額
    権利金や賃借料の合計(権更 + 賃)のうち経費に計上する金額
    家事按分をしない場合は、単純に権利金や賃借料の合計

    「左のうち必要経費算入額」に記入する金額は、1ページ目の「地代家賃(㉓)」と必ず一致します。ちなみに、入居の際に支払う敷金や保証金は、返還される可能性があるため、地代家賃には計上しません。

    4. 税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳

    税理士や弁護士に仕事を依頼して、報酬や料金を支払っていたら、その詳細を記入します。税務相談など、一時的なサービスを利用しただけでも記入が必要です。税理士や弁護士のサービスを利用していない事業主は、何も記入しません。

    令和元年分以降用 青色申告決算書「税理士・弁護士等の報酬・料金の内訳」記入例

    支払先の住所・氏名 報酬などを支払った税理士・弁護士の氏名(事務所名)と住所
    本年中の報酬等の金額 支払った報酬などの合計金額
    左のうち必要経費算入額 支払った金額のうち、必要経費に計上する金額
    家事按分をしていなければ、左と同じ金額でOK
    所得税及び復興特別所得税
    の源泉徴収税額
    報酬から源泉徴収をした所得税と復興特別所得税の合計金額

    5. 本年中における特殊事情

    確定申告の内容について、特殊な事情があればここに記入します。税務署員へ伝えておきたいことが特になければ、空欄でも全く問題ありません。

    令和元年分以降用 青色申告決算書「本年中における特殊事情」記入欄

    例年の申告内容と大きく異なる部分がある場合、それが虚偽の申告による所得隠しなどを疑われる原因になります。無用な疑いによる税務調査を避けるためにも、イレギュラーな事情があればこの欄で伝えておきましょう。

    特殊事情の例① 都合により売上が大幅に減少した場合

    青色申告決算書 売上が減少した場合の「本年中における特殊事情」記入例

    特殊事情の例② 一部の経費が大幅に増加した場合

    青色申告決算書 一部の経費が増加した場合の「本年中における特殊事情」記入例

    特殊事情の例③ 専従者の従事期間が6ヶ月以下だった場合

    青色申告決算書 専従者についての「本年中における特殊事情」記入例

    青色申告では、妥当な理由があれば、従事期間が6ヶ月以下の親族でも専従者と認められます。従事期間が短い専従者がいたら、念のため理由を書いておくと良いでしょう。

    3ページ目に記入する内容は以上です。引き続き、4ページ目の記入方法について説明します。手書きの場合は、先に2、3ページの内容を1ページ目に転記してから4ページ目の作成に移りましょう。