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青色事業専従者とは?要件のポイントと申請手続き

更新日: 2021/03/31
青色事業専従者とは?要件のポイントと申請手続き

個人事業主は、生計を共にする親族に給料を払っても、原則として経費にはできません。しかし、青色申告者は「専従者給与の特例」により、親族に支払った給与を経費にできます。このとき、給与を受け取る親族を「青色事業専従者」といいます。

INDEX

目次

    青色専従者とは?

    青色事業専従者 - 一定の要件を満たす青色申告者の親族

    上図において、給与を受け取る側の親族を「青色事業専従者」と呼びます。略して「青色専従者」や「専従者」ということもあります。

    ニュアンスとしては「事業に専念している家族従業員」ぐらいの意味です。ただし、厳密には、以下の要件をすべて満たしている必要があります。

    青色専従者の要件

    • 青色申告者と「生計を一にする配偶者その他の親族」である
    • その年の12月31日時点で「15才以上」である
    • 青色申告者の事業に「年間6ヶ月を超えて*」もっぱら従事している

    * 一定の場合には、従事可能な期間の半分を超えていればよい

    なお、青色専従者は「配偶者控除」や「扶養控除」の対象にならないので注意しましょう。たとえば、あなたの配偶者が青色専従者で、その給与を経費計上する場合、あなたは配偶者控除を受けられません。

    「生計を一にする配偶者その他の親族」

    以下の2つに分けて、順番に解説していきます。

    • 生計を一にする
    • 配偶者その他の親族

    「生計を一にする」とは

    国税庁によると「生計を一(いつ)にする」とは、「日常の生活の資を共にすること」をいいます。略して「生計一(せいけいいつ)」ともいわれます。同居している親族は、大抵これに該当します。

    別居していても、青色申告者と生計さえ共にしていれば該当します。国税庁は、別居でも「生計一」に該当するケースについて、以下の2点を例示しています。

    1. 生活費や学費などを常に送金しているとき
    2. 単身赴任や留学などの余暇には起居を共にしているとき

    生計を一にする – 国税庁

    「配偶者その他の親族」とは

    ざっくりいうと、親戚などを含めた家族というイメージでOKです。厳密には「配偶者・6親等以内の血族・3親等以内の姻族」を指します。血の繋がりがある親戚を「血族」、結婚によって親戚になった人を「姻族」といいます。

    例)夫、妻、息子、娘、父、母、孫、祖父、祖母、いとこなど
    >> 親族と扶養親族の違い・親等の数え方など

    「年間6ヶ月を超えて専ら従事している」

    原則として、年間で6ヶ月を超える期間、青色申告者が営む事業に「専念」して働いていればOKです。法令上は、これを「専ら(もっぱら)従事」といいます。

    ただ、何をもって「専念」とするかは、明確な基準がありません。仕事の内容や量、業態などを総合的に考えて判断しましょう。

    専念と言えないケース(所得税法施行令165条2項)

    • 学校に通っている
    • 他に職業がある
    • 老衰や心身の障害で、働く能力がほとんどない

    ※いずれも、事業に問題なく専念できているケースは除く

    上記は「少なくとも、このケースは専念しているとは言いがたいですよ」という例示にすぎません。たとえば、家事や育児に専念している配偶者は、上記のどれにも当てはまりませんが、事業に専念しているとは言えません。

    【例外】6ヶ月を超えていなくてもOK?

    従事可能な期間の2分の1を超えて働いていれば、6ヶ月を超えていなくても、青色専従者になりえます。たとえば、以下のようなパターンが考えられます。

    • 8月末で会社を辞めた家族に、9月~12月の4ヶ月間フルで働いてもらった
    • 12月に新規開業し、1ヶ月間フルで働いてもらった
    • 夏場の3ヶ月しか営業していない店で、2ヶ月間フルで働いてもらった

    必要な手続き

    青色申告者が、専従者給与を経費計上するには、以下の届け出を済ませておく必要があります。いずれも、期限内に税務署へ書類を提出します。一度提出したら、内容に変更が無い限り、毎年提出する必要はありません。

    給与支払事務所等の開設届出書* 初めて人を雇った日から1ヶ月以内
    青色事業専従者給与に関する届出書 初めて専従者を雇った日から2ヶ月以内
    ※もしくは、その年の3月15日まで

    * 通常の従業員を雇っていて、すでに提出済みであれば改めて提出する必要はない

    新たに専従者が増えたり、給与の金額が変わったりすることもあるでしょう。その際は、できるだけ速やかに、青色事業専従者給与に関する「変更届出書」を提出しなければなりません。

    源泉徴収の義務について

    青色専従者に給与を支払ったら、源泉徴収をしなくてはいけません。原則として、翌月10日までに「所得税徴収高計算書」を作成して、銀行などで納付します。もし給与が少なく、源泉徴収額が0円でも、この書類は提出する決まりになっています。

    従業員が常時10人未満なら「源泉所得税の納期の特例」の申請ができます。この承認を受けると、所得税徴収高計算書の納付は年2回で済みます。

    まとめ

    青色申告者は、期限内に税務署へ届け出れば、青色専従者に対して支払った給与を経費計上できます。帳簿には「専従者給与」の科目で記帳しましょう。

    重要ポイントまとめ

    生計を一にする配偶者その他の親族
    • 同居している配偶者その他の親族は、ほぼ該当する
    • 別居していても該当するケースがある
    • いわゆる事実婚などは、これに該当しない
    その年の12月31日時点で15才以上である
    • だいたい高校に上がるぐらいの年齢から専従者になれる
    • 学校に通っている期間は、事業に専念しているとは基本いえないので注意
    年間6ヶ月を超えて事業に専念している
    • 事業に専念している期間で考える
    • その期間が、年間6ヶ月を超えていればOK
    • 年間6ヶ月を超えていなくても、従事可能な期間の半分を超えていればOK

    青色専従者になった親族は、同一生計配偶者・扶養親族には該当しなくなります。そうすると、配偶者控除扶養控除は受けられなくなるので、どちらか得なほうを選ぶとよいでしょう。