ITフリーランス向けに「青色申告承認申請書」の書き方を紹介します。WEBデザイナーの記入例ではありますが、WEBエンジニア・ライター・ディレクター・コンサルタントの方にも参考にしていただけます。
飲食業など、一般的な青色申告承認申請書の書き方 ・記入例
INDEX
目次
青色申告承認申請書の入手方法など
青色申告承認申請書の用紙は、国税庁サイトからPDFでダウンロードできます。freeeやマネーフォワードでも、アカウント登録すれば無料で作成できます。
国税庁サイトからDL | PDFに直接入力する |
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freee・マネーフォワード | ガイド付きフォームに入力する |
税務署等での配布 | 紙にそのまま手書き |
ちなみに、オンライン提出も可能ですが、マイナンバーカードが必須です。オンライン提出するなら「freee 開業」がおすすめです。
税務署名・提出日
納税地(原則として自宅の住所)を管轄する税務署名を記入しましょう。わからない場合は、国税庁サイトの検索ページで調べられます。
年月日の欄は、実際の提出日を記入します。西暦・和暦、どちらでも構いません。ほかの記入欄に合わせて、和暦で記入するのが無難です。
住所・電話番号
納税地
「住所地」に印をつけ、自宅の住所を記入するのが原則です。自宅のほかに仕事場がある場合も同様です。例外として、特別な届出をして納税地をオフィスなどに変更済みであれば、変更後の納税地を記入しましょう。
ちなみに、日本国内に住所がなく、海外に住んでいるフリーランスは「居所地」にチェックをします。日本に滞在する間の住所(ホテルなど)を記入しましょう。
上記以外の住所地・事業所等
自宅兼事務所(SOHO)の場合、何も記入しなくて構いません。ウェブデザイナーなどのITフリーランスであれば、自宅=仕事場という人も多いでしょう。
もし自宅とは別の場所にオフィスがあるなら、その住所を記入します。シェアオフィス・バーチャルオフィスの住所を記入してもOKです。
氏名・生年月日・職業・屋号
氏名・生年月日
本名・生年月日を記入します。仕事上の通称やペンネームなどは、氏名欄には記入できません。税務署に通称などを伝えておきたい場合は、後述する「屋号」欄か、その他参考事項の「(3) その他」欄に記入しましょう。
職業
ふだん名乗っている職業を書けばOKです。とくにルールはありませんし、重要な項目ではありません。確定申告書にも職業を記入するので、その際に改めて練り直すこともできます。
確定申告で職業を書くときの注意点
屋号
「開業届」や「確定申告書」に記入した屋号を、そのまま転記します。IT系のSOHO・フリーランス・ノマドワーカーであれば、屋号を決めずに本名のみで活動する人も多いでしょう。そのような場合は、空欄でOKです。
屋号の決め方と最低限のルール
青色申告を開始する年
青色申告の対象にしたい年を記入します。たとえば「令和4年分」と記入した場合、翌年の「令和5年」2月16日~3月15日に行う確定申告から青色にできます。
1 事業所などの名称・所在地
自宅兼事務所(SOHO)の場合、「名称」は空欄で、「所在地」には自宅住所と電話番号を記入しましょう。オフィスがある場合は、名称欄にも記入します。
2 所得の種類
ここは「事業所得」に印をつけましょう。WEBデザイナーのようなITフリーランスであれば、まず「不動産所得」などには該当しません。
3 いままでの青色申告の取消し・取りやめの有無
初めて青色申告をする人は「無」に印をつけるだけです。過去に青色申告をしていた人は、「有」に印をつけましょう。「取消しor取りやめ」を選択し、その時期を記入します。
4 本年1月16日以後 新たに業務を開始した年月日
開業した年の分から青色申告を希望する場合のみ、開業した年月日を記入します。開業日から2ヶ月を過ぎていないか、ここで確認するわけです。それ以外の方は、記入しなくて構いません。
5 相続による事業承継の有無
相続でなければ「無」に印をつけましょう。「相続による事業承継」とは、先代が亡くなって事業を受け継ぐことを指します。IT系のフリーランス・SOHOの方であれば、このようなケースは考えにくいでしょう。
6 その他参考事項
あくまで「参考事項」ですから、ここに記入したことで何かが決まることはありません。たとえば「複式簿記を選んだけど、やっぱり簡易簿記にしよう」と考え直し、あとで無断で変更しても問題ありません。
ここからは「(1) 簿記方式」と「(2) 備付帳簿名」の詳しい書き方を、順番に解説していきます。カンタンにいうと、55万円 or 65万円の青色申告特別控除を狙うかどうかで、書き方が異なります。「(3) その他」は空欄でOKです。
(1) 簿記方式
55万円 or 65万円の青色申告特別控除 | 10万円の青色申告特別控除 |
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簿記方式は「複式簿記」と「簡易簿記」のどちらかを選択すればOKです。「その他」は、主に伝票会計というマニアックな方式を指すので無視して構いません。使用する会計ソフトの名称を記入する人もいますが、無理に書かなくて大丈夫です。
迷っている人は、ひとまず複式簿記に印をつけておきましょう。複式簿記では、つねに取引の“原因と結果”を記録します。ある程度の知識が必要ですが、会計ソフトを使えばわりとカンタンです。
青色申告対応の会計ソフト【比較一覧表】
ちなみに、青色申告特別控除55万円の要件をクリアした場合、さらに「電子申告 or 電子帳簿保存」の要件を満たすと、控除額が65万円にアップします。
青色申告特別控除の要件をわかりやすく!10万・55万・65万
(2) 備付帳簿名
55万円 or 65万円の青色申告特別控除 | 10万円の青色申告特別控除 |
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ここでは作成予定の帳簿に印をつければOKです。提出時点での“予定”で構いません。上記は一例ですが、迷ったら上記の通り記入しましょう。
「55万円or65万円の控除を狙うにあたって、どのような帳簿が必要か?」については、以下の記事でわかりやすくまとめています。ぜひ参考にしてみてください。
青色申告の帳簿づけ方法 – 具体例で解説する簿記入門
※ 関与税理士・税務署整理欄
関与税理士
税理士に記帳や確定申告の代行を依頼しない場合は、何も記入しません。顧問税理士がいる場合には、税理士の氏名・電話番号を記入します。
税務署整理欄
税務署側の記入欄ですから、何も記入してはいけません。整理番号も、自分で記入する必要はありません。
申請書の控えは必要?
青色申告承認申請書の控えを持っていなくても、ほとんどの場合は、何も問題は起きません。とはいえ、もらっておいて損はないでしょう。
ちなみに、「freee 開業」などでオンライン提出した場合、控えは受け取れません。ですが、e-Taxのメッセージボックスで到達確認などができます。
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