決済代行サービスを使えば、QRコード・電子マネー・クレジットカードなどの決済手段をまとめて店舗に導入できます。本記事では、個人事業主や小規模法人向けに、QR・バーコード決済の対応数が多い決済代行サービスをピックアップして比較します。
INDEX
目次
QR対応の決済代行サービス【比較表】
個人事業主・小規模法人におすすめの決済代行サービスのうち、QR・バーコード決済への対応が充実している4つを比較表にまとめました。どれも、初期費用は無料で利用できます。
決済代行サービスの比較一覧表【QR・バーコード決済について】
Airペイ QR | JMS おまかせサービス |
stera pack | クラウドペイ | |
---|---|---|---|---|
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|
初期費用 | 無料 | 無料 | 無料 | 無料 |
月額費用 | 無料 | 無料 | 3,300円 無料お試し プランあり |
無料 |
QR決済手数料 | 3.24% | 3.24% | 3.25% | 3.24% |
振込手数料 | 無料 | 無料 | 無料 or 220円 |
無料 |
入金 サイクル |
月1回 | 月2回 or 月6回 | 月2回 or 月6回 | 月2回 |
導入できる QR決済 |
12種類 | 24種類 | 9種類 | 7種類 |
決済の手順 | ![]() |
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顧客のQRコードを iPhone or iPadで読み取る |
顧客のQRコードを 専用の決済端末で 読み取る |
顧客のQRコードを 専用の決済端末で 読み取る |
店頭のQRコードを 客が自分のスマホで読み取る |
お店にQR・バーコード決済を導入するときは、「PayPay」や「楽天ペイ」などの運営会社とそれぞれ個別に契約する方法もあります。上記のような決済代行サービスを利用して、まとめて導入するメリット・デメリットは下記のとおりです。
決済代行サービスの主なメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
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>> キャッシュレス決済の導入方法 – 個別契約 or 決済代行サービス
複数のQR決済を個別に契約する場合と比べると、決済代行サービスは導入手続きや入金管理の利便性に大きなメリットがあります。ただし、決済手数料は少し高めになるので「多少コストがかかっても便利なほうがいい!」という個人事業主・小規模法人にオススメです。
Airペイ QR
- 海外からの旅行客がよく使うQR決済に広く対応している
- 国内のメジャーなQR決済も導入可能
- お店のiPhoneやiPadで顧客のQRコードを読み取って決済を行う
「Airペイ QR」では、店舗用アプリをインストールしたiPhoneかiPadで、顧客のQRコードを読み取って決済を行います。ですから、基本的にはiPhoneかiPadがあるお店向けのサービスです。ただ、現在はiPadの無料貸与キャンペーンを実施中なので、端末を持っていなくても利用を始められます(条件付き)。
「Airペイ QR」が対応するQR決済
国内系 | 海外系 | |
---|---|---|
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中国の2大QRと呼ばれる「Alipay・WeChat Pay」を筆頭に、アジア5ヶ国のキャッシュレス決済に対応しているため、インバウンドの客層にも幅広く対応可能です。また、国内系は種類こそ少ないものの、人気の高い「PayPay・d払い・au PAY」をしっかり押さえています。
「Airペイ QR」の基本情報
決済手数料 (QR・バーコード決済) |
振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|
3.24% | 無料 | 月1回 (月末締め・翌月末入金) |
店舗用アプリ | 電子マネー・クレカ決済への対応 | 連携できるPOSレジアプリ |
iOSのみ対応 |
○ (別途「Airペイ」と契約が必須) |
Airレジ |
「Airペイ QR」を運営するリクルートは、「Airペイ」という名称で電子マネー&クレジットカードの決済代行サービスも提供しています。「Airペイ」と「Airペイ QR」は同時申し込みもできるため、あわせて加入すればQR・電子マネー・クレカの全てに対応が可能です。
JMSおまかせサービス(Webプラン)
- 専用の決済端末は、QR・電子マネー・クレジットカードのどれでも決済が可能
- 対応しているQR・バーコード決済の種類が多い
- 入金サイクルは「月2回 or 月6回」から自由に選べる
「JMSおまかせサービス」の決済端末は、無料で導入できます。この端末で、QRコードの読み取りから決済まで行えます。なお、この端末は電子マネー・クレカでの決済にも対応しているため、必然的にQR以外のキャッシュレス決済も導入することになります。(QR・バーコード決済だけ導入するという選択肢はない)
「JMSおまかせサービス(Webプラン)」が対応するQR決済
国内系 | 海外系 | |
---|---|---|
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*現在、LINE Payの新規導入は不可
国内系のQR・バーコード決済は、メジャーな「PayPay」や「楽天ペイ」にとどまらず、地方銀行などの幅広い種類を導入可能です。一方、海外系の対応数は少なめですが、中国でトップ2の「Alipay」と「WeChat Pay」をカバーしています。
「JMSおまかせサービス(Webプラン)」の基本情報
決済手数料 (QR・バーコード決済) |
振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|
3.24% | 無料 | 月2回 or 月6回 |
店舗用アプリ | 電子マネー・クレカ決済への対応 | 連携できるPOSレジアプリ |
なし | ○ | 要問い合わせ |
入金サイクルは「月2回(約15日ごとに締め・入金)」か「月6回(約5日ごとに締め・入金)」のどちらかを選べます。銀行口座や入金額による制限はなく、振込手数料も無料のままです。
JMSでは専用の決済端末で決済を行うので、「Airペイ QR」や「クラウドペイ」のような店舗用のスマホアプリは存在しません。売上の確認や入金サイクルの管理などは、ウェブ上の店舗用ページで行います。
stera pack
- 「PayPay」や「楽天ペイ」など、国内主要QR決済に対応している
- QR・電子マネー・クレカ決済に1台で対応できるオールインワン端末
- 専用アプリを使ってもらうことで、お店独自のデジタル会員証などを発行可能
「stera pack」の利用には、基本的に「月額3,300円」の固定費用がかかります。その代わりに「主要なキャッシュレス決済にまるっと対応できる」「専用アプリが販売促進に使える」といった独自のメリットがあります。
最初の1年間に限っては、月額料金が無料の「お試しプラン」も選べます。ただ「お試しプラン」の期間中は、クレジットカード決済の手数料が少し高くなります(QR決済の手数料は通常と同じ)。
「stera pack」が対応するQR決済
国内系 | 海外系 |
---|---|
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|
対応するQR・バーコード決済の種類こそ少なめですが、シェアの高いQR決済をカバーしているのが大きな特徴です。国内でとくに利用率の高い「PayPay・d払い・楽天ペイ・au PAY」を一気に導入できます。
「stera pack」の基本情報
決済手数料 (QR・バーコード決済) |
振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|
3.25% | 無料 or 220円 | 月2回 or 月6回 |
店舗用アプリ | 電子マネー・クレカ決済への対応 | 連携できるPOSレジアプリ |
なし | ○ |
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振込手数料が無料になるのは、入金先として三井住友銀行の口座を登録した場合のみです。それ以外の銀行口座へ振り込んでもらう場合、入金のつど220円かかります。なお、入金サイクルは銀行に関係なく自由に選べます。
ちなみに、stera packでは、クレジットカードの国際ブランドTOP2の「VISA」と「Mastercard」を決済手数料2.8%前後で使えます(お試しプランの場合は3.25%)。決済代行サービスでのクレカ手数料は3%台が多いので、それらより安価にクレカ決済を導入できます。
クラウドペイ
- 店頭に掲示したQRコードを、顧客が読み取って決済を行う
- お店側が決済用のスマホや専用端末を用意する必要はない
- 対応しているQR決済の種類は少なめ
「クラウドペイ」では、顧客が自分のスマホで店頭のQRコードを読み取り、決済を行います。他の決済代行サービスのように、店舗側が顧客のQRコードを読み取ることはありません。店舗側は、顧客の決済画面を確認するだけでOKです。
「クラウドペイ」が対応するQR決済
国内系 | 海外系 |
---|---|
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*現在、LINE Payの新規導入は不可
現状、国内系QRの対応数は他社と比べてかなり少なめです。ユーザーの多い「PayPay」や「楽天ペイ」にも対応していません。ただ「Alipay・WeChat Pay」の両方に対応しているため、海外旅行客が多い店舗なら一定の需要は見込めるでしょう。
「クラウドペイ」の基本情報
決済手数料 (QR・バーコード決済) |
振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|
3.24% | 無料 |
月2回 (15日締め/月末入金・ 月末締め/翌月15日入金) |
店舗用アプリ | 電子マネー・クレカ決済への対応 | 連携できるPOSレジアプリ |
iOS・Android両方に対応 | × | なし |
店舗用アプリは、売上の確認や返金手続きをする際に利用します。そもそも「クラウドペイ」は顧客自身が決済をする方式なので、「Airペイ QR」のように店舗用アプリを決済に使うことはありません。ちなみに、アプリと同様の機能はウェブ上の店舗用ページからも利用できます。
【補足】「JPQR」での一括導入もアリ?
QR・バーコード決済をまとめて導入するには、「JPQR」を使う方法もあります。JPQRは、簡単に言うと「複数のQR決済に対応したQRコード」のことで、特別な費用をかけずに導入可能です。
JPQRの特徴
- 公式サイトから複数のQR決済に一括で申し込みができる(無料)
- 審査に通過したQR決済は、1つのQRコードにまとめた形で導入できる
- 顧客が任意のアプリでQRコードを読み取って決済をする
- 対応可能なQR決済の種類は比較的多い(PayPay・d払い・楽天ペイなど)
- 決済手数料や入金サイクルは、各QR決済のサービス内容に準拠する
本記事で紹介してきた「決済代行サービス」と似た部分もありますが、店舗側の使い勝手は大きく異なります。JPQRの場合、入金サイクルや店舗用アプリはQR・バーコード決済の種類ごとにバラバラなので、入金管理や売上の集計作業には手間がかかりがちです。
JPQRと決済代行サービスの比較
JPQR | 決済代行サービス | |
---|---|---|
導入 | 複数のQR決済をまとめて導入できる | |
手数料 | QR決済の種類ごとに異なる (基本的には個別契約と同じ) |
QR決済の種類によらず一律 (個別契約よりも少し高め) |
入金サイクル | バラバラ | まとめられる |
管理アプリ | QR決済の種類ごとに それぞれの専用アプリで管理する |
1つのアプリで一元管理できる |
たとえば、JPQRで5つのQR・バーコード決済を導入した場合、売上はそれぞれのサービスの管理画面にログインして確認することになります。また、各サービスで規定されている入金サイクルでバラバラに振り込まれます。
その点、一般的な決済代行サービスなら、売上の確認や入金サイクルの変更なども、1つのアプリで管理できます。複数のQR・バーコード決済の入金サイクルも一本化できます。決済手数料は若干高くなりますが、そのぶん利便性に大きなメリットがあります。
まとめ – QR対応の決済代行サービス3選
本記事で紹介した決済代行サービスは、どれも初期費用が無料です。利用にかかる費用は、基本、売上金額に応じた決済手数料だけです(「stera pack」のみ、これとは別に月額費用がかかる)。
QR対応の決済代行サービス【比較一覧表】
Airペイ QR | JMS おまかせサービス |
stera pack | クラウドペイ | |
---|---|---|---|---|
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|
月額費用 | 無料 | 無料 | 3,300円 初年は無料プランも |
無料 |
決済手数料 | 3.24% | 3.24% | 3.25% | 3.24% |
振込手数料 | 無料 | 無料 | 無料 or 220円 | 無料 |
入金 サイクル |
月1回 | 月2回 or 月6回 | 月2回 or 月6回 | 月2回 |
導入できる QR決済 |
12種類 | 24種類 | 9種類 | 7種類 |
決済の手順 | ![]() |
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![]() |
客のQRコードを iPhone・iPadで 読み取る |
客のQRコードを 専用の決済端末で 読み取る |
客のQRコードを 専用の決済端末で 読み取る |
店頭のQRコードを 客がスマホで 読み取る |
|
店舗用アプリ | iOSのみ対応 | なし | なし | iOS・Android 両方に対応 |
連携できる POSレジアプリ |
Airレジ | 要問い合わせ | ・POS+ ・Uレジ ・リアレジ |
なし |
電子マネー決済 クレカ決済へ |
○ (「Airペイ」の契約が必須。同時申し込み可) |
○ | ○ | × |
運営会社 | リクルート | ジェイエムエス | SMBC GMO PAYMENT | デジタルガレージ |
Airペイ QR | JMS おまかせサービス |
stera pack | クラウドペイ |
導入したい具体的なQR・バーコード決済が決まっている個人事業主・小規模法人は、下表の対応状況を参考にしてください。
主なQR決済への対応状況【比較表】
Airペイ QR | JMS おまかせサービス |
stera pack | クラウドペイ | ||
---|---|---|---|---|---|
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||
主要な 国内系 |
PayPay | ○ | ○ | ○ | × |
d払い | ○ | ○ | ○ | ○ | |
楽天ペイ | × | ○ | ○ | × | |
au PAY | ○ | ○ | ○ | ○ | |
主要な 海外系 |
Alipay | ○ | ○ | ○ | ○ |
WeChat Pay | ○ | ○ | ○ | ○ | |
UnionPay (銀聯) |
○ | × | ○ | × |
「Airペイ QR」なら、アジア圏5ヶ国の人気QRに幅広く対応しています。国内でも、特にユーザー数の多い「PayPay」をあわせて導入できます。導入にはiPhoneかiPadが必要ですが、現在はiPadの無料貸与キャンペーンを行っています。
「JMSおまかせサービス」は、導入できるQR決済の多さが魅力です。「PayPay」や「楽天ペイ」などのメジャーどころにくわえ、地方銀行系のQRなども幅広くカバーしています。電子マネー・クレカも同時に導入できるので、対応範囲の広さを重視する店舗におすすめです。
「stera pack」の対応数は少ないものの、国内・海外の主要決済をひととおり導入できます。電子マネー・クレカにも対応しているうえ、クレジットカード(VISA・Mastercard)の決済手数料が他社より低い2.8%前後で利用できるのは大きいです。
上述の3つと比べると、「クラウドペイ」は対応可能なQR決済の種類が少なめです。ただ、顧客がQRコードを読み取る「ユーザースキャン式」の決済代行サービスは珍しいので、そこにこだわりたい店舗には唯一無二のサービスだと言えます。