「どのスマホ決済アプリを使おうかな?」と迷っている消費者向けに、人気のQR・バーコード決済を比較します。本記事では、特に人気のある「PayPay・楽天ペイ・d払い・au PAY・LINE Pay」の5つを取り上げています。
INDEX
目次
人気のQR・バーコード決済アプリ【比較一覧表】
人気のQR・バーコード決済アプリ(スマホ決済アプリ)を、消費者の利用率が高い順に並べました。これらのアプリは、どれもスマホさえ持っていれば無料で使えます。
利用率が高いQR・バーコード決済アプリ【比較一覧表】
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au PAY | LINE Pay | |
---|---|---|---|---|---|
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利用率* | 37% | 14% | 13% | 10% | 8% |
利用可能箇所数 | 344万 | 約500万 | 371万 | 355万以上 | 344万以上 |
ポイントの 実質還元率 |
0.5% | 1.0% | 0.5% | 0.5% | 0.5% |
貯まるポイント | PayPay ポイント |
楽天 ポイント |
dポイント | Ponta ポイント |
LINE ポイント |
相性のいいクレカ | PayPay カード |
楽天カード | dカード | au PAY ゴールドカード |
なし |
ポイントの 二重取り |
× | ○ | ○ | ○ | × |
不正利用の補償 |
○ (60日以内) |
○ (60日以内) |
○ (30日以内) |
○ (30日以内) |
○ (30日以内) |
運営会社 | PayPay 株式会社 |
楽天 ペイメント 株式会社 |
株式会社 NTTドコモ |
KDDI 株式会社 |
LINE Pay 株式会社 |
アプリ |
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PayPay | 楽天ペイ | d払い | au PAY | LINE Pay |
*株式会社インフキュリオン「決済動向2021年4月調査」より
表中の「ポイントの二重取り」は、1回の決済でポイントを2回獲得できることを指しています。QR決済アプリ単体だとポイント還元率は0.5%~1.0%が相場ですが、「二重取り」をすると、還元率をトータルで2%以上まで引き上げられることもあります。
ポイント二重取りの仕組み(クレカチャージによる二重取りの例)
上図は、クレジットカードからアプリに残高をチャージして、その残高で支払いをする場合(チャージ払い)の例です。クレカ側にも「チャージした金額」に対するポイントが付くことで、現金チャージの場合と比べて5ポイント多く獲得できています。
このほか、アプリを介してクレカから直接支払う「クレカ払い」によって、二重取りができる場合もあります。ここからは、アプリごとに詳しく説明していきます。
PayPay
「PayPay」は、国内でもっとも利用率が高いQR・バーコード決済アプリです。もともとのポイント還元率はさほど高くありませんが、毎月の決済金額などに応じて付与率がアップします。
PayPayの基本情報
貯まるポイント | 実質還元率 | 利用可能箇所数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
PayPayポイント | 0.5% | 344万箇所 | PayPay株式会社 |
相性のいいクレカ | ポイントの二重取り | 公共料金の支払い | 個人間の送金 |
PayPayカード | × | ○ | ○ |
- 獲得した「PayPayポイント」は、チャージ残高として決済に使える
- 決済金額や決済回数に応じて、翌月のポイント付与率が上がる(最大1.5%まで)
- 現在は「PayPayカード」の新規加入者を対象としたキャンペーンが開催中
PayPay系列のクレカには「PayPayカード」と「ヤフーカード」があります。現在は「PayPayカード」の新規加入者を対象としたポイントアップキャンペーンを実施中です。「ヤフーカード」を持っていても、ポイント面でのメリットは特にありません。
PayPayの決済方法
チャージ払い 二重取り不可 |
アプリに任意の金額をチャージして、その残高から支払う方法 チャージ方法:口座振替、クレカ (PayPayカード・ヤフーカードのみ) 、現金など |
---|---|
クレカ払い 二重取り不可 |
アプリにチャージせず、紐付けたカードから直接支払う方法 対応ブランド:VISA、MasterCard、JCB* |
キャリア払い 二重取り不可 |
1ヶ月分の決済金額を、毎月の携帯料金とあわせて支払う方法 対応キャリア:ソフトバンク、ワイモバイル |
* JCBはPayPayカード・ヤフーカードのみ
現状PayPayでは、どの支払い方法でもポイントの二重取りができません。PayPayカード・ヤフーカードで「チャージ払い」や「クレカ払い」をしても、アプリ側で決済額に応じたポイントが付くだけで、クレカ側にはポイントが付かない仕組みになっています。
楽天ペイ
「楽天ペイ」は、楽天系列のサービスをよく利用する人におすすめのQR・バーコード決済アプリです。とくに「楽天カード」と紐付けて使えば、ポイントの二重取りが狙えます。
楽天ペイの基本情報
貯まるポイント | 実質還元率 | 利用可能箇所数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
楽天ポイント | 1.0% | 約500万箇所 | 楽天ペイメント 株式会社 |
相性のいいクレカ | ポイントの二重取り | 公共料金の支払い | 個人間の送金 |
楽天カード | ○ | × | ○ |
- ポイントの実質還元率は他のQR決済アプリより高め
- 「楽天カード」からアプリにチャージして支払えば、ポイントの二重取りが可能
- 楽天系列の他サービスで貯めた楽天ポイントを、決済に使うこともできる
ちなみに「楽天モバイル」のスマホで楽天ペイを使っても、恒常的な付与率アップなどのメリットはありません。ただ、楽天モバイルユーザー限定のポイント還元キャンペーンなどが不定期で開催されています。
楽天ペイの決済方法
チャージ払い 楽天カードなら 二重取り可能 |
アプリに任意の金額をチャージして、その残高から支払う方法 チャージ方法:クレカ (楽天カードのみ) 、口座振替 (楽天銀行のみ) 、楽天ウォレットなど |
---|---|
クレカ払い 二重取り不可 |
アプリにチャージせず、紐付けたカードから直接支払う方法 対応ブランド:VISA*・MasterCard*・Amex・JCB |
即時払い 二重取り不可 |
利用した金額を「楽天銀行」の口座からすぐに引き落とす方法 ※楽天銀行の口座を持っていない場合は利用不可 |
* VISAとMasterCardはデビットカードにも対応
楽天カードを使って「チャージ払い」をすれば、ポイントの二重取りが可能です。まず、チャージした金額に対して0.5%の楽天ポイントが付与されます。その後、チャージ分を使ってアプリから決済すれば、そこにも1.0%の楽天ポイントが付与されます(合計1.5%の付与率)。
「クレカ払い」で決済する場合は、楽天カードでも他社カードでも、ポイントの二重取りができません。カード側で支払った分にはポイントが付与されますが、アプリ側でポイントが付くことはないからです。
d払い
「d払い(ディーバライ)」は、主にドコモユーザーを対象としたQR・バーコード決済アプリです。支払いを「dカード」から行うことで、ポイントの二重取りが可能になります。
d払いの基本情報
貯まるポイント | 実質還元率 | 利用可能箇所数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
dポイント | 0.5% | 371万箇所 | 株式会社NTTドコモ |
相性のいいクレカ | ポイントの二重取り | 公共料金の支払い | 個人間の送金 |
dカード | ○ | ○ | ○ |
- 獲得したdポイントは、d払いでの決済や携帯料金の支払いに使える
- 「dカード」と紐付ければ、dポイントを二重取りできるようになる
- 「dカード」は2種類あるが、どちらを使っても貰えるポイントは同じ
dカードには、年会費が無料の「dカード」と有料の「dカード GOLD」の2種類があります。dポイントの二重取りは、いずれのカードでも達成できます。ただし、二重取りで貰えるポイントは、どちらも同じ「1.0%」です(後述)。
d払いの決済方法
チャージ払い 二重取り不可 |
アプリに任意の金額をチャージして、その残高から支払う方法 チャージ方法:口座振替、現金 |
---|---|
クレカ払い 二重取り可能 |
アプリにチャージせず、紐付けたカードから直接支払う方法 対応ブランド:VISA・MasterCard・Amex・JCB |
キャリア払い 二重取り不可 |
利用した金額を、毎月の携帯料金とあわせて支払う方法 対応キャリア:ドコモ、ahamo |
ポイントの二重取りを狙うなら、「dカード」で「クレカ払い」を行う必要があります。たとえば、d払いのアプリを介して「dカード」を使うと、基本付与率0.5%のほか、特典としてさらに0.5%のdポイントが付与されます(合計で1.0%の付与率)。
なお、「dカード」以外のクレカでも、d払いと紐付けた「クレカ払い」は利用できます。ただしこの場合、アプリ側へdポイントが付与されないため、ポイントの二重取りはできません。
au PAY
「au PAY」は、基本的にauユーザー向けのQR・バーコード決済アプリです。「au PAY ゴールドカード」を持っている場合は、ポイント面でおトクに利用できます。
au PAYの基本情報
貯まるポイント | 実質還元率 | 利用可能箇所数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
Pontaポイント | 0.5% | 355万箇所以上 | KDDI株式会社 |
相性のいいクレカ | ポイントの二重取り | 公共料金の支払い | 個人間の送金 |
au PAYゴールドカード | ○ | ○ | ○ |
- 獲得したPontaポイントは、買い物での支払いや商品との交換に使える
- クレカでチャージをすれば、他社カードでもポイントを二重取りできる
- Pontaポイントの二重取りをするなら「au PAY ゴールドカード」が必要
auのスマホと併用しても、ポイント面での恒常的なメリットはありません。「au PAYゴールドカード」と一緒に使うことで、Pontaポイントを効率的に貯められるようになります。
au PAYの決済方法
チャージ払い クレカチャージで 二重取り可能 |
アプリに任意の金額をチャージして、その残高から支払う方法 チャージ方法:口座振替、クレカ (VISA・MasterCard・Amex・JCB) 、auかんたん決済など |
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au PAYは、クレジットカードで残高をチャージすることで、ポイントの二重取りを狙えます。とくに「au PAYゴールドカード」なら、チャージ額に対して1%のポイントが付与され、アプリの決済額に0.5%のポイントが付与されます(合計1.5%の付与率)。
ただし「au PAYゴールドカード」の利用には、年会費11,000円(税込)がかかります。auでは他にも、年会費無料の「au PAYカード」を用意していますが、こちらはポイント二重取りの対象外です。
- 「au PAY ゴールドカード」以外のカードでも二重取りは狙えるが、カードの種類によっては電子マネーやQR決済へのチャージ額にポイントが付与されない場合もあるので要注意。その場合、アプリ側にはポイントが付いても、カード側ではポイントが付与されず、二重取りはできない。
LINE Pay
「LINE Pay」は、LINEのアプリ内から使えるQR・バーコード決済で、LINEのアカウントを持っていれば誰でも利用できます。しかし、ポイント面で考えると、「LINE Pay」を利用するメリットは現状ほとんどありません。
LINE Payの基本情報
貯まるポイント | 実質還元率 | 利用可能箇所数 | 運営会社 |
---|---|---|---|
LINEポイント | 0.5% | 344万箇所以上 | LINE Pay株式会社 |
相性のいいクレカ | ポイントの二重取り | 公共料金の支払い | 個人間の送金 |
なし | × | ○ | ○ |
- 貯まったLINEポイントは、LINE Payでの支払いやLINE関連のサービスで使える
- 「Visa LINE PAYカード」と併用しても、ポイントの二重取りはできない
- 「LINEMO」のスマホと併用しても、ポイント面でのメリットは特にない
LINE系列の「Visa LINE PAYカード」や「LINEMO(スマホ)」とLINE Payを併用しても、ポイント面でのメリットはとくにありません。LINE Payは「LINEアプリから手軽に使える」という点が強みですが、ポイント還元に関しては他のQR決済アプリより劣っています。
LINE Payの決済方法
チャージ払い 二重取り不可 |
アプリに任意の金額をチャージして、その残高から支払う方法 チャージ方法:口座振替、現金 |
---|---|
クレカ払い 二重取り不可 |
紐付けたカードから直接支払う方法(正式名は「チャージ&ペイ」) 対応カード:Visa LINE PAYカード or 三井住友のVISAカード |
LINE Payの場合、そもそも「チャージ払い」ではポイントがいっさい付与されません。ポイントが付与されるのは「クレカ払い」の場合だけです(LINE Payでは「クレカ払い」でなく「チャージ&ペイ」と呼ぶ)。
なお「クレカ払い」をしたときも、クレカ側にポイントが付与されるだけです。アプリ側にポイントが付与されることはないので、二重取りはできません。ポイントを重視するなら、わざわざLINE Payアプリを介してクレカを使うメリットは無いわけです。
まとめ – オススメのQR決済アプリはどれ?
本記事で紹介したQR・バーコード決済(スマホ決済)のアプリは、すべて無料で使えます。各アプリと相性のいいクレジットカードも、基本的にすべて無料で発行できます。
人気のQR・バーコード決済アプリ【比較一覧表】
PayPay | 楽天ペイ | d払い | au PAY | LINE Pay | |
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利用率* | 37% | 14% | 13% | 10% | 8% |
利用可能箇所 | 344万 | 約500万 | 371万 | 355万以上 | 344万以上 |
貯まる ポイント |
PayPay ポイント |
楽天 ポイント |
dポイント | Ponta ポイント |
LINE ポイント |
実質還元率 | 0.5% | 1.0% | 0.5% | 0.5% | 0.5% |
ポイントの 二重取り |
× | ○ | ○ | ○ | × |
相性のいい クレカ |
PayPay カード |
楽天カード | dカード | au PAY ゴールドカード |
なし |
公共料金の支払い | ○ | × | ○ | ○ | ○ |
個人間送金 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
不正利用の補償 |
○ (60日以内) |
○ (60日以内) |
○ (30日以内) |
○ (30日以内) |
○ (30日以内) |
運営会社 | PayPay 株式会社 |
楽天 ペイメント 株式会社 |
株式会社 NTTドコモ |
KDDI 株式会社 |
LINE Pay 株式会社 |
アプリ |
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PayPay | 楽天ペイ | d払い | au PAY | LINE Pay |
*株式会社インフキュリオン「決済動向2021年4月調査」より
「楽天ペイ」「d払い」「au PAY」の3つは、ポイントの二重取りによって、基本的にいつでも1.5%以上の還元を受けられます。特に「au PAY」は、他社カードとの連携でも二重取りができるので便利です。
一方「PayPay」はポイントの二重取りができません。しかし、所定の条件(決済額や決済回数など)を満たせば、アプリのポイント付与率を通常の「0.5%」から「1.5%」まで上げられます。クレカなしでも達成できる条件なので、クレカを使わず高還元を狙いたい人にはオススメです。
なお、状況に応じて複数のアプリを使い分けるのもアリです。たとえば、高還元で設置箇所数も多い「楽天ペイ」と、もっとも利用率が高い「PayPay」を併用し、「買い物での支払いには楽天ペイ、家族や友達とのお金のやり取りにはPayPay」などと使い分けてもよいでしょう。