本記事は、主に「これからキャッシュレス決済を導入するぞ!」という人向けです。主要な決済3種(QR、電子マネー、クレジットカード)それぞれについて、ざっくり解説します。
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目次
キャッシュレス決済の基本【店舗向け】
主なキャッシュレス決済には、「QR・バーコード決済」「電子マネー決済」「クレジットカード決済」の3種類があります。いずれも、決済から入金までの仕組みはおよそ下図のようになっています。
※ 決済代行サービスを利用する場合は流れが異なる
- キャッシュレス決済による売上は、運営会社から後日振り込まれる
- 売上からは「決済手数料」と「振込手数料」が差し引かれる
- 売上が振り込まれるまでの日数は、各社の「入金サイクル」によって異なる
「決済手数料」は、おおむね「売上の2〜3%」です。一方「振込手数料」は、売上額に関係なく、入金の都度かかります。振込手数料は無料の場合も多いですが、入金サイクルを早めたいときは数百円かかる、といったケースもあります。
「入金サイクル」とは、「決済が済んでから、振り込みまでどれくらいかかるか」を表す言葉です。早ければ翌日、遅くても1ヶ月程度で振り込まれます。
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これ以降で示す数値等は、各社の公開情報に加え、下記4つの調査結果に基づいたものです。
・一般消費者におけるキャッシュレス利用実態調査レポート – NECソリューションイノベータ
・キャッシュレス決済に関する意識調査結果詳細 – 消費者庁
・キャッシュレス決済 実態調査アンケート 集計結果 – 経済産業省
・【ポイント還元事業】店舗の種類別の登録状況と利用状況 – 経済産業省
① QR・バーコード決済
店舗 or お客さんが相手のQRコードを読み取り、決済を行うのが「QR・バーコード決済」です。スマホアプリを使って行われる決済なので「スマホ決済」と呼ばれることもあります。
QR・バーコード決済の基本情報
決済手数料※1 | 振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|
2~3%程度 | 無料~300円程度 | 最短翌日 (通常は月1回ほど) |
キャッシュレスユーザーの 利用率※2 |
ユーザー層※3 | ユーザーの平均決済単価※4 |
42.1% | 20代~30代が中心 | 約1,100円 |
経産省の調査より※1・4
消費者庁の調査より※2
NECの調査より※3
QR・バーコード決済の手数料は、電子マネー・クレジットカードの手数料より低めに設定されていることが多いです。各社とも普及を進めている段階で、決済手数料・振込手数料が無料になるキャンペーンも実施されています。
QR・バーコード決済の導入に必要なもの
- 掲示用のQRコード
- スマホ or タブレット(顧客のQRコードを読み取る場合)
QR・バーコード決済は、基本的に初期費用ゼロで導入できます。運営会社に申請をして、送られてくるQRコードを店頭に置くだけです。なお、店頭にQRコードを置かず、店舗側のスマホ・タブレットで顧客のQRコードを読み取る方法もあります。
② 電子マネー決済
店舗が読み取り機器を用意し、お客さんが電子マネーのカードをピッとかざして決済するのが「電子マネー決済」です。電子マネーはスマホに紐付けることもでき、カードの代わりにスマホをかざしても決済できます。その意味で、こちらも「スマホ決済」と呼ばれることがあります。
電子マネー決済の基本情報
決済手数料※1 | 振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|
3%程度 | 無料~300円程度 | 最短翌日 (通常は月1回ほど) |
キャッシュレスユーザーの 利用率※2 |
ユーザー層※3 | ユーザーの平均決済単価※4 |
交通系:33.8% 流通系:51.5% その他:6.2% |
全年代で幅広く | 約1,200円 |
経産省の調査より※1・4
消費者庁の調査より※2
NECの調査より※3
交通系・流通系の電子マネーは、20代~60代の全ての年代で4割以上の人が利用しています。ただ、チャージできる金額の上限は低めで、高額の決済では使われにくい傾向があります。
電子マネー決済の導入に必要なもの
- 電子マネーの読み取り機器
- 読み取り機器を接続できるレジ(スマホやタブレットで代用可能)
電子マネー決済は「決済代行サービス」を利用して、クレカ決済などとまとめて導入するのが一般的です。その際、電子マネーの読み取り機器などは無料提供されることが多いので、初期費用をゼロに抑えることも可能です。
③ クレジットカード決済
クレジットカード決済の基本情報
決済手数料※1 | 振込手数料 | 入金サイクル |
---|---|---|
3%程度 | 無料~300円程度 | 月1回 or 月2回 |
キャッシュレスユーザーの 利用率※2 |
ユーザー層※3 | ユーザーの平均決済単価※4 |
81.5% | 全年代で幅広く (30代~60代が特に多い) |
約4,500円 |
※1・4:経産省の調査より
※2:消費者庁の調査より
※3:NECの調査より
クレジットカードは、20代~60代の全ての年代で7割以上の人が利用しています。50代・60代の利用率が高いことも大きな特徴です。また、平均決済単価の高さから、高額の決済でも利用されやすいことが分かります。
クレジットカード決済の導入に必要なもの
- カードリーダー
- カードリーダーを接続できるレジ(スマホやタブレットで代用可能)
クレジットカード決済は「決済代行サービス」を利用して、電子マネー決済などと一緒に導入するのが一般的です。カードリーダーなどを無料提供してくれるサービスを選べば、初期費用ゼロでクレカ決済を導入できます。
クレジットカード決済の導入方法 – 個人事業主におすすめの決済端末を比較
3種類のキャッシュレス決済【比較表】
キャッシュレス決済のうち、QR・電子マネー・クレカ決済について比較しました。なかでもとくに「QR・バーコード決済」は各運営会社の動きが活発で、店舗側の決済手数料無料キャンペーンなどが開催されています。
QR・バーコード | 電子マネー | クレジットカード | |
---|---|---|---|
決済手数料 | 2~3%程度 | 3%程度 | 3%程度 |
振込手数料 | 無料~300円程度 | ||
入金サイクル | 最短翌日 (通常は月1回ほど) |
最短翌日 (通常は月1回ほど) |
月1回 or 月2回 |
利用率 | 42.1% |
交通系:33.8% 流通系:51.5% その他:6.2% |
81.5% |
ユーザー層 | 20代~30代が中心 | 全年代で幅広く (20代~60代の4割) |
全年代で幅広く (20代~60代の7割) |
ユーザーの 平均決済単価 |
約1,100円 | 約1,200円 | 約4,500円 |
いずれの決済も、各社ごとに個別契約ができます。特にQR・バーコード決済の導入には、個別契約の方がオススメです。決済代行サービス経由で導入すると、決済手数料はかえって高くなりがちです。
一方、電子マネー・クレジットカード決済の導入には、決済代行サービスを利用した一括導入がオススメです。とくに複数決済を導入する場合、時間や手間を考えると、決済代行サービスの利用が現実的といえます。
決済代行サービスでは、決済機器を無料で使えるキャンペーンを行っていることもあります。たとえば「Airペイ」や「楽天ペイ」などの導入時にキャンペーンを利用すれば、決済機器にかかる初期費用を節約できるというわけです。