- 東京国税局がウーバージャパンに、配達員の報酬額などの情報提供を求めた
- 今後は、配達員がキチンと納税しているか厳しく調査されるかも
- 確定申告をうっかり忘れていないか確認しておこう
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目次
国税局がウーバーイーツの配達員を調査!?
東京国税局が「Uber Japan株式会社」に情報提供を求めた、というニュースが話題になっています。具体的には、ウーバーイーツの配達パートナーの「氏名・銀行口座・報酬」などの情報が、国税局に提供されるようです。
そもそもウーバーイーツの報酬は、会社やアルバイトの「給料」とは性質が異なります。自分で「〇〇円儲かったので、△△円を納めます」と確定申告しなくてはなりません。
今回の動きには、国税局の「配達員の皆さんがキチンと確定申告をしてるかチェックしますよ」という姿勢が表れているわけです。申告をうっかり忘れている年がないか、改めて確認しておきましょう。
確定申告が必要になる基準をおさらい
確定申告が義務になる基準は、「給与所得を得ている or 得ていない」によって異なります。要するに、ウーバーイーツの他に「会社やアルバイトの給料を得ている or 得ていない」によって違うわけです。
確定申告義務の目安
給与所得がある人 (会社員やアルバイト) |
給与所得がない人 (個人事業主など) |
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給与以外の所得が20万円を超えたら 確定申告の義務が生じる |
所得が「所得控除」の額を超えたら 確定申告の義務が生じる |
ここで言う「所得」は、ひとまず「年間の収入 - 必要経費」の金額と考えましょう。たとえば、配達業務のために自転車やヘルメットを購入したら、その費用を「必要経費」として収入(報酬)から差し引けます。
① 会社員やアルバイトの場合
- 副業でウーバーイーツの配達をしている会社員
- バイトやパートに加えて、ウーバーイーツの配達もしている学生・主婦など
こちらには、会社勤めやアルバイトで「給料」をもらいながら、掛け持ちで配達パートナーをしている人が該当します。この場合は、目安として「ウーバーイーツの報酬 - 配達業務の必要経費」の金額が20万円を超えたら確定申告をしましょう。
会社員やアルバイトなどの「給与所得者」は、下図の所得の合計が20万円を超えたら確定申告が義務になるからです。(複数の副業をしている場合は、それらの収入も含めて考える)
ちょっとした副業としてウーバーイーツの配達員をしている場合、その報酬は基本的に「雑所得」に該当します。会社の給料とウーバーイーツの報酬しか収入がないなら、この「雑所得」が20万円を超えるかだけ考えればOKです。
>> 給与所得者の確定申告義務について【詳しい解説】
② 個人事業主などの場合
- ウーバーイーツだけで生計を立てている個人事業主
- 事業のかたわら、ウーバーイーツでも収入を得ている個人事業主
- バイトやパートの代わりにウーバーイーツの配達をしている学生・主婦など
※いずれも給与所得を得ていない場合に限る
この場合、10種類の所得の合計額が「所得控除」を超えたら、確定申告の義務が生じます。「所得控除」には、社会保険料控除・配偶者控除・医療費控除・勤労学生控除などの種類があり、人によって受けられるものが異なります。
個人事業主の確定申告義務【基本的な考え方】
- 「所得 ≦ 所得控除」の場合……確定申告の義務はない
- 「所得 > 所得控除」の場合……確定申告の義務がある
所得控除には、控除額48万円の「基礎控除」も含まれています(一部の高所得者を除く)。したがって、そもそも所得が48万円以下なら、確定申告の義務は生じません。
所得が48万円を超えても、必ず確定申告が義務になるとは限りません。ほとんどの人は、基礎控除の他にも何らかの所得控除を受けられるためです。たとえば、国民年金や国民健康保険料を納めていれば「社会保険料控除」を適用できます。
>> 個人事業主の確定申告義務について【初心者向けの解説】
うっかり申告を忘れていた場合は?
確定申告期限は原則として翌年3月15日ですが、これを過ぎていても申告は可能です。申告の手順は、通常の確定申告とほとんど変わりません。
期限後申告の流れ
- 確定申告書類を作成する
- 申告書類を税務署に提出する
- 申告書で算出した税額を納付する
- 必要に応じて、延滞税や無申告加算税を納める
期限後申告だと「延滞税」や「無申告加算税」などのペナルティを課される場合があります。もともとの納税額が少なければ大きな金額にはなりませんが、「ウーバーでけっこう儲かってたんだよなぁ」という人は、早めに申告を済ませましょう。