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e-Taxとは?使い方を分かりやすく!【電子申告の基礎知識】

更新日: 2023/02/16
e-Taxとは?使い方を分かりやすく!【電子申告の基礎知識】

「e-Tax」は、国税庁が運営する「国税電子申告・納税システム」の呼称です。e-Taxのシステムを利用すれば、国税に関する申告・申請・届出をオンラインで行えます。仕組みが複雑なので、まずは基本をキチンと理解しておきましょう。

INDEX

目次

    e-Taxとは?

    e-Tax(イータックス)とは、国税に関する様々な手続きをオンラインで行うためのシステムです。所得税の電子申告電子納税にも、e-Taxを利用します。

    おおまかに言うと、e-Taxのシステムには4つの“入口”があり、どこから入るかによって利用できる機能が異なります。

    4種類のe-Tax利用手段

    確定申告書等作成コーナー」は、国税庁が公開しているウェブページの名称です。本来は書類作成用のページで、e-Taxとは別物ですが、そのままe-Taxのシステムに接続できます。

    利用できる機能の主な違い

    確定申告書等
    作成コーナー
    e-Taxソフト e-Taxソフト(WEB版) e-Taxソフト(SP版)
    申告データ
    の作成
    会計ソフトの
    データ取込
    申告データの
    送信(電子申告)
    メッセージ
    ボックス
    申請・届出

    個人で電子申告をする際は「確定申告書等作成コーナー」を使うのがおすすめです。この方法なら、事前準備なども最小限で済みます。

    一方、インストール型の「e-Taxソフト」なら、電子申告に限らず様々な電子手続きが可能です。ただ、事前準備がなかなか大変なので、初心者が無理をして使う必要はありません。

    なお、表中の「申請・届出」は、開業届や青色申告承認申請書の提出など、国税に関わる各種の手続きを指しています。インストール型の「e-Taxソフト」と比べると、「WEB版」と「SP版」は対応している手続きの幅が狭いです。

    所得税の電子申告で使うのはコレ!

    所得税の電子申告で使うのは、基本的に「確定申告書等作成コーナー」「e-Taxソフト」「e-Taxソフト(WEB版)」のどれか1つだけです。ただ、会計ソフトによっては、独自の申告ツールでe-Taxにデータを送信できる場合もあります。

    e-Taxで電子申告する方法 - 確定申告書等作成コーナーと会計ソフト

    先述の通り、最もシンプルなのは「確定申告書等作成コーナー」から電子申告を行う方法です。この場合、その他のソフトには一切触れる必要がありません。また、この方法ならマイナンバーカードを持っていなくても電子申告が行えます。

    一方、「e-Taxソフト」等を使えば、会計ソフトで作成した申告データをe-Taxのシステムにアップロードすることが可能です。事前準備が少し面倒ですが、会計ソフトで作った申告データを、そのまま電子申告に利用できます。

    電子納税は申告後に届く通知から行う

    電子申告が完了すると、電子納税を行うための通知がアカウント上に届きます。e-Tax公式サイトの「メッセージボックス(e-Tax受付システム)」から確認しましょう。なお、メッセージはe-Taxソフト等からも確認できます。

    利用手段① 確定申告書等作成コーナー

    確定申告書等作成コーナー」は、申告書類を作成するためのウェブサイトです。主に決算書や確定申告書の作成ができます。作成した申告書類は、印刷して書面で提出できるほか、そのままe-Taxのシステムに送信することも可能です。

    確定申告書等作成コーナーからできること

    申告データ
    の作成
    会計ソフトから
    のデータ取込
    申告データの
    送信(電子申告)
    通知の確認 申請・届出

    ※ 通知の確認は別途「e-Tax受付システム」などから行う

    「確定申告書等作成コーナー」では、市販の会計ソフトや「e-Taxソフト」等を使わなくても、申告データの作成から送信まで行えます。所得税の電子申告を行うだけなら「確定申告書等作成コーナー」の機能で十分だということです。

    ただし、会計ソフトで作成した申告データを「確定申告書等作成コーナー」に取り込むことはできません。そのため、会計ソフトを使っている場合でも、申告データを改めて手入力する必要があります。

    確定申告書等作成コーナーを使うには?

    申告書の作成・印刷だけなら、特別な準備は一切要りません。電子申告をする場合に、原則としてマイナンバーカードによる本人認証が必要となります。ただ、現状ではマイナンバーカードを使わない方法もあります(ID・パスワード方式)。

    ちなみに「確定申告書等作成コーナー」は、スマホでも利用できます。ただ、スマホ版は主に会社員向けの仕様になっています。申告内容に事業所得が含まれる場合はスマホ専用画面が使えないので、パソコンから利用しましょう。
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    利用手段② e-Taxソフト

    「e-Taxソフト」は、Windowsのパソコンにインストールして使うソフトで、国税の電子手続きに関わる様々な機能を利用できます。もちろん、電子申告に関わる機能も一通り備わっています。しかし、使い勝手の悪さが大きな難点です。

    e-Taxソフトからできること

    申告データ
    の作成
    会計ソフトから
    のデータ取込
    申告データの
    送信(電子申告)
    通知の確認 申請・届出

    少し細かい話ですが、会計ソフトから取り込んだデータを“編集してから”送信できる、というのは「e-Taxソフト」にしかない利点です。ただ、その機能が必要になる場面は多くないので、基本的に個人事業で使う機会は無いと考えて構いません。

    なお、Macではそもそもインストールできないので、電子申告の際は「e-Taxソフト(WEB版)」や「確定申告書等作成コーナー」を利用しましょう。

    e-Taxソフトを使うには?

    「e-Taxソフト」を利用する際は、事前にマイナンバーカード方式などによって利用者識別番号を取得しておく必要があります。その上で、e-Tax公式サイトから、いくつか必要なソフトをダウンロードしなくてはなりません。

    利用手段③ e-Taxソフト(WEB版)

    「e-Taxソフト(WEB版)」は、ブラウザ上でe-Taxソフトの一部を利用できるサービスです。会計ソフトで出力した申告データを取り込んで、電子申告を行うことができます。ダウンロードは不要で、Windows・Macどちらでも利用可能です。

    e-Taxソフト(WEB版)からできること

    申告データ
    の作成
    会計ソフトから
    のデータ取込
    申告データの
    送信(電子申告)
    通知の確認 申請・届出

    (一部のみ)

    「e-Taxソフト(WEB版)」では、申告データの作成や編集ができません。基本的には、取り込んだデータをそのまま送信するものだと考えましょう。なお、会計ソフトによってはインストール版の「e-Taxソフト」にしか対応していない場合もあります。

    e-Taxソフト(WEB版)を使うには?

    「e-Taxソフト(WEB版)」自体はウェブブラウザで動作するので、インストール不要です。ただ、電子申告の機能を使うには、マイナンバーカードによる本人確認が必須なので、そのために必要なソフトを別途インストールしなければなりません。

    利用手段④ e-Taxソフト(SP版)

    「e-Taxソフト(SP版)」は、スマホから使える「e-Taxソフト(WEB版)」の簡易バージョンと言えます(SPはスマートフォンの略)。これで電子申告を行うことはできません。電子納税の手続きや通知の確認など、簡単な機能をスマートフォンから利用できるだけです。

    e-Taxソフト(SP版)からできること

    申告データ
    の作成
    会計ソフトから
    のデータ取込
    申告データの
    送信(電子申告)
    通知の確認 申請・届出

    (一部のみ)

    現状「e-Taxソフト(SP版)」からしかできないことは特にありません。ほとんど使う機会は無いと考えてOKです。

    e-Taxソフト(SP版)を使うには?

    利用者識別番号の取得が済んでいれば、特にアプリのインストール等を行わなくても「e-Taxソフト(SP版)」にログインできます。ただし、一部の機能はマイナンバーカードでログインしないと利用できません。

    受付システムからできること

    受付システム」にログインすれば、メッセージボックスの確認や、登録情報の変更などが手軽に行えます。特に「確定申告書等作成コーナー」から電子申告をした場合は、ここから通知などを確認することになります。

    受付システムにログインしてできる主なこと

    • 通知の確認
    • 還付金処理状況の確認
    • 利用者識別番号の確認
    • 登録情報の変更

    ちなみに、通知の確認などは「e-Taxソフト」や「e-Taxソフト(WEB版)」から行うこともできます。

    受付システムを利用するには?

    ページにアクセスして利用者識別番号等を入力すれば、大半のメニューはそのまま利用できます。ただ、全ての機能を使うにはマイナンバーカードによる認証が必要なので、その際は「e-Taxソフト(WEB版)」と同様のセットアップを行います。

    まとめ – 確定申告書等作成コーナーがおすすめ

    e-Taxのシステムには、主に4種類の手段でアクセスできます。ここまで見てきた通り、それぞれの手段で使える機能は異なります。

    4つの手段と主な利用目的(個人が利用するとき)

    確定申告書等作成コーナー 所得税の申告データ作成~送信
    e-Taxソフト 会計ソフトで作成した申告データの送信
    e-Taxソフト(WEB版)
    e-Taxソフト(SP版) スマホやタブレットでの通知確認

    ちなみに、会計ソフトによっては、独自の申告ツールを介してe-Taxのシステムを利用できる場合もあります。ただ、その場合はe-Taxのシステムを使ってデータの送信を行うだけで、他の機能にはアクセスできません。

    所得税の電子申告をカンタンに済ませるなら「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法がおすすめです。会計ソフトから出力したデータを取り込むことはできませんが、操作画面がシンプルで使いやすいうえ、事前準備も最小限で済みます。

    なお「e-Taxソフト」や「e-Taxソフト(WEB版)」を使えば、会計ソフトで作った申告データを利用して電子申告ができます。とはいえ事前準備が面倒なので、会計ソフトのデータを参照しながら、改めて「確定申告書等作成コーナー」で手入力するのもアリです。

    e-Taxによる電子申告は、慣れてしまえば便利な部分も多いですが、初心者にとってはちょっとややこしいのも事実です。書面での確定申告と比較して、自分に合った方法を選択しましょう。

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