ウェブ上の「確定申告書等作成コーナー」から電子申告をする際、所定のアプリを使えば、スマホでマイナンバーカードを読み取ることができます。「スマホで電子申告がしたい」「わざわざカードリーダーを買いたくない」という方は参考にしてみてください。
INDEX
目次
電子申告で使うスマホアプリ
国税庁のサービス(確定申告書等作成コーナーなど)から「マイナンバーカード方式」で電子申告をする際は、必要に応じて下記のどちらかを使います。ざっくり言うと、どちらも「スマホでのマイナンバーカード読み取り」を可能にするアプリです。
電子申告関連の主なスマホアプリ
スマホ・タブレットから電子申告をするとき、スマホでマイナンバーカードを読み取るために使う | |
マイナポータル | |
---|---|
パソコンから電子申告をするとき、Bluetooth接続したスマホでマイナンバーカードを読み取る場合に使う | |
JPKI利用者ソフト |
※マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホを使うことが前提
「ID・パスワード方式」を選ぶ場合は、そもそもマイナンバーカードを読み取る必要がないので、どちらのアプリも使いません。また、市販の会計ソフトから電子申告をする場合も、これらを使う必要はありません。
そもそも現状、どのような方法で電子申告できるのかは、下記の記事に情報を整理しています。今のところ個人事業主は、市販されている会計ソフトのアプリを使う方法でしか、スマホで電子申告できません。
>> 電子申告の方法は何がある? 会社員の場合・個人事業主の場合
ちなみに、スマホ申告の仕組みが簡易化されたことで、従来の「e-Taxアプリ」はサービスを終了しました。今後、このアプリを使用することは一切ありません。
従来、スマホから電子申告をする際に必要だった (現在はサービス終了) |
|
e-Taxアプリ |
---|
「マイナポータル」を使う場面
|
電子申告で「マイナポータル」を使うケース
- スマホから「マイナンバーカード方式」で申告をする場合
- タブレットから「マイナンバーカード方式」で申告をする場合
- PCからの申告で、スマホをICカードリーダーの代わりに使う場合*
*2021年3月下旬から可能になる予定
スマホから電子申告をする場合
スマホの「確定申告書等作成コーナー」から「マイナンバーカード方式」で電子申告をする際は、必ず「マイナポータル」を使います。「マイナポータル」を使ってマイナンバーカードを読み取り、個人認証を行うという流れです。
タブレットから電子申告をする場合
タブレットの「確定申告書等作成コーナー」からも、「マイナンバーカード方式」での電子申告が可能です。ただ、タブレット本体ではマイナンバーカードを読み取れないので、カードの読み取りには「マイナポータル」をインストールしたスマホを使います。
「マイナポータル」をインストールしたスマホで、タブレット画面に表示したQRコードと、マイナンバーカードを順番に読み取ります。これによって、タブレット側でもマイナンバーカードによる個人認証が完了するという仕組みです(2次元バーコード認証)。
パソコンから電子申告をする場合(2021年3月下旬~)
2021年3月下旬からは、パソコンで「e-Taxソフト(WEB版)」を使う際にも、前述したタブレットの場合と同じ要領(2次元バーコード認証)でログインが可能になります。「e-Taxソフト(WEB版)」では、電子申告を始めとする様々な手続きが行えます。
「JPKI利用者ソフト」を使う場面
|
電子申告で「JPKI利用者ソフト」を使うケース
- PCからの電子申告で、スマホをICカードリーダーの代わりに使う場合
(ただし「Windows × Android」の組み合わせに限る)
従来、パソコンから「マイナンバーカード方式」で電子申告をするには、専用のカードリーダーを使ってマイナンバーカードを読み取るしかありませんでした。しかし「JPKI利用者ソフト」を使えば、スマホをカードリーダーの代わりとして使うことができます。
「JPKI利用者ソフト」にはPC版も配信されています。スマホをカードリーダーの代わりに使う際は、スマホとパソコンの両方にインストールしておきましょう。そのうえで、スマホで読み取ったカードの情報を、パソコン側に送信するという仕組みです。
【要注意】iPhoneやMacでは不可
現状、iOS版・ Mac版の「JPKI利用者ソフト」には、Bluetooth接続の機能が搭載されていません。したがって、スマホをカードリーダーの代わりとして使えるのは、WindowsパソコンとAndroidスマホを接続する場合だけです。
パソコン | |||
---|---|---|---|
Windows | Mac | ||
スマホ | Android | ○ Bluetooth接続可能 |
× 接続不可 |
iOS | × 接続不可 |
× 接続不可 |
まとめ
「確定申告書等作成コーナー」などからマイナンバーカード方式で電子申告をする際は、書類作成の前にマイナンバーカードの読み取りが必要です。このとき、カードの読み取りは「所定のアプリをインストールしたスマホ」か「専用のカードリーダー」で行います。
マイナンバーカードの読み取り方法
スマホ | カードリーダー | |
---|---|---|
スマホでの申告 | ○ マイナポータル |
× |
タブレットでの申告 | ○ マイナポータル |
× |
パソコンでの申告 | ○ JPKI利用者ソフト or マイナポータル* |
○ |
*2021年3月下旬から可能になる予定
一般的な会社員は、スマホやタブレットから電子申告をするのが手軽です。いずれの場合も、スマホに「マイナポータル」をインストールします。タブレットの場合は「2次元バーコード認証」の仕組みがやや複雑ですが、画面の指示に従えば難しくありません。
個人事業主の電子申告は、パソコンから行うのが基本です。専用のカードリーダーを持っていない場合は、スマホで代用しましょう。「JPKI利用者ソフト」は機種の制限が多いので、「マイナポータル」を使って「2次元バーコード認証」をするのがオススメです。
ちなみに、冒頭でも説明したとおり、そもそも「ID・パスワード方式」で電子申告をする場合はどのアプリも使いません。税務署での事前手続きを済ませておけば、IDとパスワードを入力するだけで「確定申告書等作成コーナー」から電子申告ができます。