会社員や個人事業主向けに、e-Taxを活用してスマホから確定申告する方法を解説します。2023年(令和5年)からは、個人事業主も「確定申告書等作成コーナー」でスマホ申告できます。
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スマホ申告の方法は2通り【e-Tax】
2023年(令和5年)の確定申告では、会社員も個人事業主もスマホで電子申告ができます。スマホ申告の方法は、大きく下記の2種類に分けられます。
① 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使う方法
② 会計ソフトのスマホアプリを使う方法
どちらの方法が適しているかは、以下のフローチャートを参考にしてください。
「確定申告書等作成コーナー」とは、国税庁が運営するウェブサイトの名称です。スマホ・パソコンの両方からアクセス可能で、確定申告書類の作成と電子申告ができます。マイナンバーカードを使わずに電子申告をする方法もあります。
freeeやマネーフォワードの会計ソフトを使っている人は、同社が提供するスマホアプリで電子申告ができます。スマホアプリの利用に追加料金はかかりません。日頃からソフトで帳簿付けをしていれば、電子申告の手順は非常に簡単です。
① 確定申告書等作成コーナーを使う方法
- 画面の指示に従っていけば、確定申告書の作成&提出が可能
- スマホカメラで源泉徴収票を撮影すると、給与関連の金額が自動入力される
- 2023年から個人事業主の確定申告にも対応(スマホでも決算書が作成可能になった)
確定申告書等作成コーナーで電子申告をする際は、はじめにオンラインで個人認証を行います。認証方法には「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2種類があり、好きなほうを選べます。
マイナンバーカードと「マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホ」があれば、マイナンバーカード方式でスマホ申告できます。たとえば、iPhoneなら「7」以降だとマイナンバーカードの読み取りに対応しています。
マイナンバーカードを持ってない人は、ID・パスワード方式を選びましょう。税務署で簡単な事前手続きを済ませれば、その場でIDとパスワードを発行してもらえます。(後述する会計ソフトを使う方法だとID・パスワード方式は利用できない)
② 会計ソフトのスマホアプリを使う方法
個人事業主や副業ワーカーの場合は、日頃から使っている会計ソフトで電子申告するのが一番ラクです。大手の会計ソフトだと、freeeとマネーフォワードはスマホ申告に対応しています。
日頃から会計ソフトで帳簿付けしていれば、収入や必要経費をソフトが自動で集計して、確定申告書類に反映してくれます。ユーザーが面倒な計算をする必要はありません。ちなみに、弥生の会計ソフトもパソコンからなら簡単に電子申告ができます。
スマホ申告の気になるポイントまとめ – Q&A
- マイナンバーカードなしでもスマホ申告できる?
- 確定申告書等作成コーナーなら、マイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式」でも電子申告ができます。この場合は、税務署で事前手続きをして、e-Taxで個人認証をするためのIDとパスワードを発行しておく必要があります。
- 個人事業主も「確定申告書等作成コーナー」でスマホ申告できるの?
- 従来は、スマホから確定申告書等作成コーナーにアクセスすると、個人事業主の「収支内訳書」や「青色申告決算書」を作成できませんでした。しかし、2022年分(令和4年分)以降は作成可能になっているので、個人事業主も問題なくスマホ申告できます。
- スマホでは青色申告できないって聞いたんだけど?
- 先述のとおり、従来「確定申告書等作成コーナー」では青色申告決算書が作成できませんでした。しかし、現在では青色申告の個人事業主も問題なくスマホ申告が可能になっています。
- スマホ申告でも青色65万円控除を狙える?
- 青色申告の個人事業主が、65万円の青色申告特別控除を受けるには「電子申告」か「電子帳簿保存」の実施が必要です。この要件はスマホ申告でもクリアできます。確定申告書等作成コーナーと会計ソフトのどちらを使ってもOKです。
- スマホで電子申告した場合、控えは印刷できる?
- スマホ申告をした場合も、あとから確定申告書の控えをPDFでダウンロードして印刷できます。これは、確定申告書等作成コーナーでも会計ソフトでも基本的に同じです。
- スマホで確定申告したら、納税はどうすればいい?
- スマホ申告を行った場合も、所得税の納付方法は通常と変わりません。振替納税やクレジットカード納付など、好きな方法を選んで納付できます。ちなみに、今年から「PayPay」などのスマホ決済アプリでも所得税を納付できるようになりました。