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電子申告の方法は何がある?会社員・個人事業主向け一覧表

更新日: 2023/01/27 投稿日: 2020/12/29
電子申告の方法は何がある?会社員・個人事業主向け一覧表

会社員と個人事業主向けに、電子申告の選択肢を一覧表にまとめました。パソコン・スマホでそれぞれどのように行えるか、わかりやすく整理しています。

INDEX

目次

    電子申告の主な方法

    電子申告の手順は、申告データの「作成」と「送信」の2ステップに大別できます。(ここで言う「申告データ」とは、申告内容を打ち込んだデータのこと)

    会社員の場合(給与所得や雑所得しか得ていない人)

    パソコン スマートフォン
    作成 送信 作成 送信
    確定申告書等作成コーナー
    市販の会計ソフト 使用するメリットがほとんどない
    e-Taxソフト
    (WEB版)
    e-Taxソフト
    (インストール版)

    会社員は「確定申告書等作成コーナー」のスマホ用ページを使って、手軽に電子申告できます。それ以外のツールを利用するメリットは基本的にありません。

    個人事業主の場合

    パソコン スマートフォン
    作成 送信 作成 送信
    確定申告書等作成コーナー × ×
    市販の会計ソフト
    e-Taxソフト
    (WEB版)
    × × ×
    e-Taxソフト
    (インストール版)
    × ×

    ※「△」はソフトの対応状況によって異なる部分(会計ソフトのe-Tax対応を比較!

    個人事業主向けの会計ソフトを使わず、Excel等で帳簿づけをしている個人事業主は、「確定申告書等作成コーナー」で作成~送信まで済ませましょう。一方、会計ソフトで帳簿づけをしている人は、会計ソフト上で作成~送信まで行うのがラクです。(詳細は後述)

    一応、選択肢としてはインストール版の「e-Taxソフト」を使う方法もあるが、使い勝手が悪く、わざわざ利用するメリットはほとんどない。基本的に、個人の電子申告で使うことはないと考えてよい。

    ここからは、おすすめの申告方法について、それぞれの流れを説明していきます。

    会社員向け – スマホから「作成コーナー」を使う場合

    「確定申告書等作成コーナー」のスマホ用ページは、会社員などが使いやすいように、入力フォームが簡易化されています。なので、給与所得や雑所得しか得ていない会社員なら、限られた項目を入力していくだけで簡単に電子申告ができます。

    確定申告書等作成コーナー(スマホ用)で電子申告をする流れ

    トップページ 方式の選択 申告内容の入力
    スマホ用確定申告書等作成コーナー(トップページ) スマホ用確定申告書等作成コーナー(方式の選択) スマホ用確定申告書等作成コーナー(入力画面)

    「確定申告書等作成コーナー」から電子申告をする際は、「マイナンバーカード方式」か「ID・パスワード方式」のどちらかで個人認証を行います。マイナンバーカードがなくても、税務署で手続きをしておけば「ID・パスワード方式」で電子申告ができます。

    マイナンバーカード方式 カードに内蔵された「電子証明書」を読み取って認証する
    マイナンバーカードと対応機種のスマホが必要
    ID・パスワード方式 事前に発行したIDとパスワードを入力して認証する
    税務署での簡単な事前手続きが必要

    ちなみに、従来はスマホから電子申告をする際に、複数のアプリを用意する必要がありました。しかし、2021年1月からは「マイナポータル」だけでOKです。「確定申告書等作成コーナー」の指示に従って操作していけば、自動的にダウンロード画面が表示されます。

    個人事業主向け – PCから「作成コーナー」を使う場合

    国税庁の「確定申告書等作成コーナー」というウェブサイトでは、申告データの作成から送信までを一気に行います。画面の指示どおりに入力操作をしていけばよいので、初心者でも間違いのない方法だと言えます。

    確定申告書等作成コーナー(PC用)で電子申告をする流れ

    方式の選択 書類の選択 申告内容の入力
    提出方法の選択 - 確定申告書等作成コーナー 作成する書類の選択画面(確定申告書等作成コーナー) 収入・所得の入力画面(確定申告書等作成コーナー)

    はじめに選択する「方式」とは、オンラインで行う個人認証の方法のことです。国税の電子手続きでは「マイナンバーカード方式」による認証がキホンですが、ここではマイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式」も選択できます。

    マイナンバーカード方式 カードに内蔵された「電子証明書」を読み取って認証する
    マイナンバーカードとICカードリーダー等が必要
    ID・パスワード方式 事前に発行したIDとパスワードを入力して認証する
    税務署での簡単な事前手続きが必要

    どっちがいい?マイナンバーカード方式とID・パスワード方式

    方式と書類を選択したら、あとは表示された項目を入力していきましょう。申告内容の入力が済んだら、そのままの流れでデータを送信できます。

    パソコンとスマホの使い分け【確定申告書等作成コーナー】

    「確定申告書等作成コーナー」には、スマートフォンからアクセスすることもできます。しかし、スマホからは「収支内訳書」や「青色申告決算書」が作れません。したがって、個人事業主の電子申告はパソコンから行いましょう。

    パソコンから スマホから
    個人事業主
    (事業所得や不動産所得がある)
    ×
    会社員
    (給与所得や雑所得のみ)

    近年では、会社員などの利用を想定して「確定申告書等作成コーナー」のスマホ専用画面が簡易化されています。ただ、事業所得不動産所得を得ている個人事業主は、これを利用することができません。
    >> スマホ申告の対象者や申告できる内容について

    個人事業主向け – 市販の会計ソフトを使う場合

    大手メーカーの会計ソフトでは、基本的に申告データの「作成」と「送信」を一連の流れで行えます。ただ、利用環境等によっては「作成」までしかできない場合もあるので、その際はデータを「e-Taxソフト」に取り込んで送信しましょう。(いずれの場合もマイナンバーカードが必須)

    電子申告の方法フローチャート(会計ソフトの場合)

    ※あくまでおすすめの方法を示すチャートです

    会計ソフトが申告データの送信に対応している場合は、作成~送信までソフト内で済ませるのが最も手軽です。この場合は、ソフトの指示に従って操作していけば、作成画面からそのままデータの送信ができます。

    会計ソフトからそのまま送信できない場合は、そのソフトが「e-Taxソフト(WEB版)」に対応しているか確認しましょう。「e-Taxソフト(WEB版)」は、国税庁が公開しているウェブサービスで、これを使えれば手間はさほどかかりません。

    e-Taxソフト(WEB版)を使う場合の流れ

    データの出力 データの取込 データの送信
    申告データの取込 - 会計ソフト データ送信 - 会計ソフト

    ※ データの出力画面は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

    もし、会計ソフトでそのまま送信ができず、「e-Taxソフト(WEB版)」にも未対応の場合は、はじめから「確定申告書等作成コーナー」を使うのがおすすめです。インストール版の「e-Taxソフト」を使う方法もありますが、使い勝手が悪く、手間がかかります。

    ちなみに、e-Taxソフトには「SP版」もありますが、これはスマホから通知の確認や電子納税の手続きを行うためのサービスです。電子申告には利用できません。

    【補足】会計ソフトの対応状況

    作成した申告データの送信方法については、会計ソフトごとに対応状況が異なります。現状、個人事業向けクラウド会計ソフトの大手3社は、以下のように対応しています。

    弥生 freee マネーフォワード
    そのまま送信 PC ×
    スマホ ×
    e-Taxソフト(WEB版)で送信
    非推奨
    ×
    e-Taxソフト(インストール版)で送信
    非推奨

    >> 会計ソフトのe-Tax対応を比較!電子申告への対応状況

    やよいの白色申告 オンライン」「やよいの青色申告 オンライン」のユーザーは、弥生が提供する「e-Tax確定申告オンライン」を利用できます。これを使えば、弥生のソフトからそのままデータ送信が可能です。

    freee会計」のユーザーは、freeeが提供する「freee電子申告アプリ」を利用できます。「freee電子申告アプリ」には、パソコン版(Windows・Mac)とスマホ版(Android・iOS)があり、パソコンでもスマホでも、書類の作成画面からシームレスにデータ送信ができるようになっています。

    マネーフォワード クラウド確定申告」のユーザーは、同名のスマホアプリから申告データの送信が可能です。もちろん、アプリは追加料金なしで利用できます。

    まとめ

    電子申告を行うには、まず「申告データの作成」に使うツールを決めましょう。それによって「申告データの送信」に使えるツールが異なります。主なパターンは下記のとおりです。

    電子申告の主なパターン

    • 「作成コーナー」でデータを作って、そのまま送信する←オススメ
    • 会計ソフトでデータを作って、そのまま送信する←オススメ
    • 会計ソフトでデータを作って、「e-Taxソフト(WEB版)」で送信する
    • 会計ソフトでデータを作って、インストール版「e-Taxソフト」で送信する
    • インストール版の「e-Taxソフト」でデータを作って、そのまま送信する

    一般的な会社員は、そもそも会計ソフトを使っていないはずですから、電子申告は「確定申告書等作成コーナー」で行うことになります。給与所得や雑所得しか得ていなければ、シンプルで分かりやすいスマホ用ページを使うことができます。

    手書きやExcel等で帳簿づけをしている個人事業主も、ウェブ上の「確定申告書等作成コーナー」を使って、データの作成~送信を行いましょう。なお、会計ソフトを使っていても、マイナンバーカードを持っていない場合はこの方法でしか電子申告ができません。

    会計ソフトで帳簿づけをしている個人事業主は、そのソフト内でデータの作成~送信を済ませるのが最も手軽です。ただ、ソフト内では「作成」までしかできないケースもあるので、そのような場合は「e-Taxソフト(WEB版)」などを利用しましょう。

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