どっちがいい?ID・パスワード方式とマイナンバーカード方式

更新日: 2020/09/17
どっちがいい?ID・パスワード方式とマイナンバーカード方式

電子申告を行うには複数の方法がありますが、オススメは税務署で「ID・パスワード方式」の手続きを行うパターンです。ただし、すでにマイナンバーカードを持っているのなら「マイナンバーカード方式」でも手間が少なく済みます。

INDEX

目次

    電子申告を始める方法

    所得税の電子申告をするためには、まずe-Taxの利用開始手続きを行わなくてはなりません。e-Taxのシステムは、「利用開始届」を提出するか、あるいは「マイナンバーカード方式」の手順を踏むことで利用できるようになります。

    ただし、開始届で利用を始めた場合は、追加の手続きを済ませないと電子申告を行えません。その際に行う手続きのひとつが「ID・パスワード方式」の利用申請です。

    電子申告利用開始までの手順

    税務署へ行けば、開始届の提出とID・パスワード方式の申請をまとめて行えます。そのため、この2つは同一の手続きだと誤解されがちです。その認識でも問題はありませんが、上図の構造を理解しておくとe-Taxの仕組みがグッと分かりやすくなります。

    おすすめのパターンは2つ

    所得税の電子申告を行うなら、下図の①か②の流れが手っ取り早いです。ざっくり区別すると「ひとまず電子申告にチャレンジしてみたい」という人には①、「本格的にe-Taxを活用していきたい」という人には②がおすすめです。

    「ID・パスワード方式」と「マイナンバーカード方式」がおすすめ 
    >> 「確定申告書等作成コーナー」や「e-Taxソフト」の機能について

    ① ID・パスワード方式の流れ – マイナンバーカードは不要

    「ID・パスワード方式」は、国税庁が公開するウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」における本人確認の方式のひとつです。

    税務署へ行けば、e-Taxの開始手続きとID・パスワード方式の利用申請をまとめて行えます。そのため、非常にシンプルな手順で電子申告を始めることができます。

    税務署での事前手続きだけで電子申告できる「IDパスワード方式」

    まず、免許証などの身分証を持って税務署へ行きましょう。手続きの所要時間は、早ければ5分程度です。手続きをすれば、その場で「利用者識別番号(ID)」と「暗証番号(パスワード)」が交付されます。これらを使えば「確定申告書等作成コーナー」から電子申告ができます。

    ちなみに、ID・パスワード方式は、マイナンバーカードが普及するまでの一時的な方法です。国税庁によると、2022年前後に制度の見直しが予定されています。とはいえ、カードの普及が進んでいない現状もあり、まだしばらくは利用できると考えてよいでしょう。

    ② マイナンバーカード方式の流れ – マイナンバーカードが必要

    「マイナンバーカード方式」とは、マイナンバーカードを使ったe-Taxの利用方法の名称です。マイナンバーカードに内蔵された「電子証明書」を用いて、ログイン時の利用者証明や、送信するデータの電子署名などを行います。

    ID・パスワード方式と比べるとステップが増えますが、こちらで面倒なのは、マイナンバーカードとICカードリーダーの用意だけです。あとは「確定申告書等作成コーナー」へアクセスすれば、指示に従って操作するだけで電子申告を始められます。

    マイナンバーカード方式で電子申告する流れ

    マイナンバーカードの発行には1〜2ヶ月程度かかります。オンラインでの発行申請も可能ですが、受け取りの際は必ず役所などへ行かなくてはなりません。なお、カードの読み取りに対応したスマホで代用できる場合もあります。
    >> スマホがICカードリーダーの代わりになる?

    用意ができたら「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして、指示通りにセットアップを行いましょう。あとはカードを読み取って、簡単な情報を入力するだけでOKです。なお、e-Taxの「受付システム」にアクセスしても、同様の手続きが可能です。

    使える機能の違い

    e-Taxには電子申告の他にも様々な機能がありますが、その多くはマイナンバーカードに内蔵されている「電子証明書」による本人確認を済ませないと使えません。どこまで手続きを済ませているかによって、使える機能は以下のように異なります。

    電子証明書とは、オンラインでの本人確認・改ざん防止に用いられる電子データ。マイナンバーカードには、電子申告に必要な電子証明書が内蔵されている。ID・パスワード方式なら電子証明書が無くても電子申告ができるが、これはあくまで特別な措置。

    e-Taxの多くはマイナンバーカード内蔵の電子証明書での本人確認が必要

    「確定申告書等作成コーナー」を使えば、基本的な電子申告は問題なく行えます。そのため、ID・パスワード方式を選んでいる利用者も多いのが実状です。

    ただし、作成コーナーでは会計ソフトのデータを直接取り込んで送信することはできません。申告内容を改めて入力するのが面倒なら、マイナンバーカードを取得して、e-Taxソフトなどから電子申告をしましょう。

    電子証明書がなくても使える機能(※) 電子証明書があると使える機能
    • 作成コーナーからの電子申告
    • 納付情報登録(電子納税の手続き)
    • 納税証明書の交付請求
    • 所得税徴収高計算書の作成
    • 作成コーナーからの電子申告
    • 納付情報登録(電子納税の手続き)
    • 納税証明書の交付請求
    • 所得税徴収高計算書の作成
    • e-Taxソフト(WEB版)からの電子申告
    • e-Taxソフトからの電子申告
    • 国税に関わる申請、届出の提出

    ※ID・パスワード方式の手続きを済ませている場合

    マイナンバーカードをあとから取得したら【ID・パスワード方式】

    ひとまずID・パスワード方式で電子申告を始めて、あとからマイナンバーカードを取得してもOKです。その場合は、以下のいずれかの手順を踏むことで、e-Taxの全ての機能を使えるようになります。ただし、いずれの方法でもICカードリーダーが必要です。

    ID・パスワード方式でのe-Tax利用手順

    ひとつは、e-Taxソフト(WEB版)にログインして「電子証明書の登録」を行う方法です。メニューの「利用者情報の登録・確認・変更」から、指示に従ってカードの読み取りなどを行えば、必要な作業が完了します。

    もうひとつは、マイナンバーカードで「受付システム」にログインする方法です。ログインしようとすると、既存の利用者識別番号と電子証明書のひも付け作業が行えるので、指示に従って操作しましょう。

    まとめ – 手っ取り早いのはID・パスワード方式!

    電子申告をするなら、以下の①か②の流れで必要な準備を進めましょう。①の手続きだけでは使えない機能もありますが、所得税の電子申告をするぶんには全く問題ありません。なお「開始届の提出」と「ID・パスワード方式の利用申請」は税務署でまとめて行えます。

    「ID・パスワード方式」と「マイナンバーカード方式」がおすすめ 

    ①と②の具体的なステップは下図のとおりです。①の方法ならマイナンバーカードを使わずに、手っ取り早く電子申告を始められます。とはいえ、カードをすでに持っている、もしくは近々取得する予定があるという場合は②もさほど手間ではありません。

    ID・パスワード方式とマイナンバーカード方式の利用手順を比較

    ちなみに、①の流れで利用開始をした場合でも、後からマイナンバーカードを取得すれば、全ての機能が使えるようになります。ID・パスワード方式は、あくまでも一時的な手段ですが「ひとまず電子申告を始めてみたい」という人にはピッタリです。