「ICカードリーダーがないとe-Taxを利用できない」と思っている方も多いでしょう。しかし、対応のパソコンとスマホがあれば、ICカードリーダーなしでも、マイナンバーカード方式で「確定申告書等作成コーナー」などを利用できます。
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2022年1月からは、対応スマホでQRコードを読み取ることで、より簡単にスマホとパソコンを接続できるようになりました(二次元バーコード認証)。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
e-TaxでICカードリーダーが不要に【2022年1月~】
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目次
スマホがICカードリーダーの代わりになる
本記事では、パソコンに「ICカードリーダー」を接続するのではなく「スマホ」をBluetooth接続して、マイナンバーカードを読み取る方法を紹介します。スマホがICカードリーダーの代替になるわけです。
この方法では、対応のWindowsパソコンとAndroidスマホが必要です。MacやiPhoneは、まだこの方法に対応していません。
詳細は後述しますが、対応のパソコンに「JPKI利用者クライアントソフト(JPKIソフト)」、対応のAndroidスマホに「JPKI利用者ソフト(JPKIアプリ)」をダウンロードして使います。
どうしてこの方法でiPhoneは使えないの?
iOS版のJPKIアプリも存在はしますが、Android版とiOS版とでは仕様がまったく異なります。iOS版のJPKIアプリにはパソコンと通信する機能がまだ備わってないので、iPhoneは使えないのです。
JPKIアプリ (Android版) |
JPKIアプリ (iOS版) |
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ちなみに、スマホだけでそのまま電子申告などを行うケースなら、iPhoneもマイナンバーカードの読み取りに使用できます。この場合は「マイナポータル」という別のアプリを使用します(このアプリもパソコンとの接続には対応していません)。
結局、マイナンバーカードを読み取る機能と、パソコンに接続する機能とを兼ね備えているアプリは、Android版のJPKIアプリだけなのです。iPhoneユーザーは、iOS版のJPKIアプリがアップデートされ、必要な機能が実装されるのを待つしかありません。
対応のパソコンとスマホを準備しよう
パソコンとスマホの両方について以下の準備が整えば、スマホをICカードリーダーの代わりに使えます。
① パソコンの準備 | ② スマホの準備 |
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まず、使用するソフトの都合上、パソコンのOSがWindowsであることが条件です。次に、スマホも対応機種で、なおかつ、Androidスマホでなくてはいけません。これを満たした上で、パソコンとスマホに、ソフトやアプリをインストールすれば大体OKです。
ただし、パソコンにはBluetoothが内蔵されているか、外付けのBluetoothアダプターが取り付けられている必要があります。
① パソコンの準備
パソコンについては、下記4点が動作保証の要件です。「公的個人認証サービス ポータルサイト」では、サポートするOSバージョンとブラウザが下記のように示されていますが、これはあくまで動作検証がバッチリのものです。他のバージョンやブラウザが全てNGということではありません。
- Bluetooth対応のパソコンである(Bluetoothアダプターでも対応可)
- OSがWindows8.1 or 10である
- Internet Explorer 11が有効化されている
- JPKI利用者クライアントソフト(Windows版)がインストールされている
Windowsのサポート状況 – 公的個人認証サービス ポータルサイト
パソコンとスマホを接続してマイナンバーカードを読み取るには、Bluetoothで無線接続する必要があります。USBケーブルなどの有線接続には対応していません。なお、Bluetooth通信については、Bluetooth対応パソコンではなくても、外付けのBluetoothアダプターで対応できます。
Mac版のクライアントソフトもありますが、このソフトにはBluetooth接続をする機能が実装されていないため用をなしません。やはり、Windowsでなければならないということです。
② スマホの準備
スマホについては、以下の準備が必要です。対応機種については、公的個人認証ポータルサイトの対応機種リストにまとめられています。
- 読取対応のアンドロイド機種を用意する (iPhoneは対象外)
- JPKI利用者ソフト(JPKIアプリ)をダウンロードする
読取対応の機種でなければ、マイナンバーカードに格納されたICチップのデータを読み取れません。さらに、パソコンに接続して使うには、専用アプリ「JPKI利用者ソフト(Android版)」をスマホにダウンロードする必要があります。
スマホを借りて使っても大丈夫?
「自分は対応機種を持っていないが、家族や友人のスマホを使えばできそうだ」などの場合は、借りて使うことも可能です。読み取り端末として使うだけなので、セキュリティ面での心配もありません(国税庁の「e-Tax・作成コーナーヘルプデスク」に確認済み)。
パソコンとスマホを接続する流れ
パソコンとスマホを接続完了するまでの大まかな手順は、下図のとおりです。なおSTEP1では、Bluetoothでパソコンとスマホをペアリングしますが、この操作はJPKIソフト内からでなく、デスクトップ画面の隅にあるBluetoothアイコンなどから行います。
この手順で接続したら、いつでも個人認証ができます。あとは、個人認証が必要なタイミングで、マイナンバーカードの交付時に設定したパスワードを入力し、マイナンバーカードをスマホにかざして読み取るだけです。
読み取りには5~10秒ほど時間がかかる場合があるので、焦らずに待ちましょう。それでも読み取りにくいときは、カバーを外したり、位置をずらしたり、角度を変えたりすると改善することもあるようです。
まとめ – 使える端末と使えない端末
パソコンとスマホを接続した状態でマイナンバーカードを読み取るには、Bluetooth対応のWindowsパソコンと、読取りに対応した機種のAndroidスマホ、この両方が必要です。逆に、下記のような環境では今回の方法を達成できません。
- Macは接続先のパソコンとして機能しない
- iPhoneからはパソコンに接続できない(iOS版JPKIアプリの都合上)
- Windowsパソコンであっても、Bluetoothがないと使えない
- Androidスマホであっても、対応機種でなければ読取りができない
- USBケーブルなどによる有線接続はできない
一方、スマホで申告書を作成して、そのままスマホから電子申告をするようなケースでは、そもそもパソコンと接続する必要がありません。このようなケースでは、Androidスマホだけでなく、iPhoneも読取りに使用できます。
実際、どのスマホならパソコンに接続して使えるの?
非常に大雑把に言えば、Galaxy・Xperia・AQUOS・arrowsのいずれかで、ここ2、3年の間に発売されたスマホなら、大抵はパソコンと接続してマイナンバーカードを読み取れます。逆に、最新モデルでもHuaweiなどは非対応です(2020年5月現在)。