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許認可とは?特定業種で営業するための手続きについて

更新日: 2020/12/18
許認可とは?特定業種で営業するための手続きについて

個人事業を始める際、開業届の提出だけでなく、特定の事業を営むには「許認可」を得る必要もあります。個人事業主でも法人でも、特定業種の営業には許認可が必要です。

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目次

    「許認可」について

    「許認可」とは、行政上の許可や認可のことです。民間の資格とは異なり、法的な強制力があります。そのため、特定の事業を行うには、必要な許認可を得てから営業を始めないと、営業停止命令や罰金などの処分を受けることがあります。

    代表的な許認可の大分類

    免許 特定の行為を行政が許すこと(基本的に資格などの取得が前提)
    例:宅地建物取引業免許、一般酒類小売業免許
    許可 一般に禁止されている行為を、特定の人に対して行政が禁止を解除すること
    例:食品営業許可、古物商許可、一般乗用旅客自動車運送事業の許可
    認可 特定の行為について、行政が認めて効力を与えること
    例:幼稚園設置認可、社会福祉法人の設立認可
    登録 一定の事項を公簿に記載すること
    例:旅行業登録、建築士事務所登録
    届出 行政に対して、一定の事項を通知すること
    例:美容所開設届、クリーニング所開設届

    これらをざっくりと難易度で並べるとすれば「免許>許可>認可>登録>届出」というイメージです。とはいえ、一概に順列をつけられるわけではありません。許認可を取得する難易度は、業種の別によるところが大きいです。

    事業の内容によって、許認可を受ける際の窓口が異なります。代表的な窓口は、以下の3つです。

    • 保健所
    • 警察署
    • 都道府県庁

    許認可が必要な業種と窓口のリスト【一覧表】

    場合によっては、複数の許認可が必要なこともあります。たとえば、レストランでお土産用のワインを販売する場合、少なくとも保健所による「食品営業許可」と、税務署による「一般酒類小売業免許」が必要です。

    保健所で受ける許認可

    飲食店や旅館を営業するには、公衆衛生における観点から保険所長による許認可を受けることになっています。手続きは、管轄の保健所で行います。

    保健所で許認可が受けられる主な業種

    業種 具体例 分類
    飲食店 食堂、レストラン、専門料理店、そば・うどん店、すし店、酒場、バー、喫茶店 許可
    食料品製造業 畜産食料品製造業、水産食料品製造業、パン・菓子製造業 許可
    食料品卸売業 八百屋、弁当屋 許可
    宿泊業 旅館、ホテル、カプセルホテル、下宿 許可
    医療業 病院、一般診療所、歯科診療所、助産所、看護業 許可
    理容業 理容院、理髪店、バーバー、床屋 届出
    美容業 美容院、美容室、ビューティサロン 届出
    洗濯業 クリーニング店 届出

    なお、酒類の製造・販売には、保健所ではなく税務署による「免許」が必要です。ただ、飲食店でメニューのひとつとしてアルコール類を提供する場合には、免許は必要ありません。

    警察署で受ける許認可

    風俗営業や古物営業を行う際は、都道府県公安委員会による許認可が必要です。申請は、管轄の警察署で行います。

    警察署で許認可が受けられる主な業種

    業種 具体例 分類
    接待飲食等営業 キャバレー、スナック、ホストクラブ 許可
    遊技場営業 麻雀クラブ、パチンコホール、ゲームセンター 許可
    古物営業 リサイクルショップ、古本屋、金券ショップ 許可
    深夜酒類提供飲食店営業 深夜(午前0時から午前6時)に営業するバーや酒場 届出
    警備業 警備会社、警備員 認定
    自動車運転代行業 運転代行サービス 認定

    自動車運転代行業の認定は「警察署」が窓口です。これと似たタクシー業は警察署ではなく、国土交通省の「運輸局」が許可を申請する窓口です。

    都道府県庁で受ける許認可

    以下のような事業を営む際は、所在地の都道府県知事に許認可を受ける必要があります。都道府県庁などの窓口に、必要な書類を提出しましょう。

    都道府県庁の窓口で許認可が受けられる主な業種

    業種 具体例 分類
    宅地建物取引業 不動産代理店 免許
    公衆浴場業 銭湯、温泉、サウナ、スーパー銭湯 許可
    興行場営業 映画館、劇場、寄席、音楽堂 許可
    学校等 幼稚園、小学校、中学校、高等学校
    (私立の場合)
    認可
    旅行業 旅行代理店 登録

    不動産業は「免許」が必要?

    すべての不動産業で免許が必要なわけではありません。宅地建物取引業を営む場合は「免許」を受ける必要がありますが、不動産の賃貸業であれば免許なしでも営業できます。

    すべての不動産業に免許が必要なわけではない

    そのほかの窓口で受ける許認可

    「保健所」「警察署」「都道府県庁」のほか、以下のような場所が許認可の窓口になっている業種もあります。

    業種 具体例 分類 窓口
    酒類製造業 酒蔵、酒造場、醸造所 免許 税務署
    酒類販売業 酒屋、ワインショップ 免許
    職業紹介業 転職エージェント、人材バンク 許可 ハローワーク
    道路旅客運送業 バス・タクシー事業 許可 運輸局
    たばこ小売業 たばこ専売店 許可 JT

    ここまで、個人事業で必要になりそうな許認可を中心に紹介しました。本記事で挙げたもの以外にも許認可が必要な業種はたくさんありますが、特に許認可が不要な業種も合わせて確認しておきましょう。

    許認可がいらない業種

    特に許認可が必要ない業種もあります。以下のような業種は、許認可を受けずに営業できます。いわゆるフリーランスとして働いている人が多い業種をイメージしてもらえれば、わかりやすいかと思います。

    許認可が不要な業種の例

    • 学習塾
    • 家庭教師
    • 通信販売業(ネットショップ)
    • コンサルティング業
    • ブロガー
    • Webデザイナー
    • システムエンジニア

    上記に該当しても、もちろん事業の内容によっては許認可が必要です。たとえば通信販売業であっても、食品を販売する場合は「食品営業許可」を得なくてはなりません。

    まとめ

    許認可の取得には、数週間かかることもあります。営業日までに間に合わない!なんてことのないよう、スケジュールに余裕をもって開業準備を進めましょう。

    会社を退職してから個人事業を開業する流れ

    会社を退職してから個人事業を開業する流れ

    ちなみに「開業届」は、一応は「届出」に分類されますが、提出期限(開業日から2ヶ月以内)を過ぎても特に罰則規定はありません。万が一、提出を忘れていた場合は、気づいたときに届け出れば大丈夫です。