業種によっては、営業にあたって行政の「許認可」が必要な場合があります。許認可の種類によって、申請する窓口が異なります。申請の具体的な場所については、居住地ではなく、拠点となる営業所を基準に管轄が決まるので、事前に確認しておきましょう。
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目次
許認可が必要な業種【一覧表】
個人事業主・小規模企業向けに、営業の許認可が必要となる主な業種を一覧表にまとめました(実際、具体例は無数にありますので、参考程度にご覧ください)。
主な業種と許認可の窓口リスト
具体例 | 窓口 | |
---|---|---|
飲食店 | 食堂、レストラン、専門料理店、日本料理店、料亭、中華料理店、ラーメン店、焼肉店、そば・うどん店、すし店、酒場、バー、喫茶店、カフェ | 保健所 |
食料品製造業・販売業 | 八百屋、果物屋、肉屋、魚屋、弁当・惣菜屋、パン屋、ケーキ屋、アイスクリーム屋、菓子屋、お茶屋、コーヒー豆屋、米屋、コンビニ | 保健所 |
宿泊業 | 旅館、ホテル、カプセルホテル、ユースホテル、下宿、民宿 | 保健所 |
医療業 | 病院、一般診療所、歯科診療所、助産所、歯科技工所、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師 | 保健所 |
理容業 | 理容院、理髪店、バーバー、床屋、シェービングサロン | 保健所 |
美容業 | 美容院、美容室、ビューティサロン、まつげエクステサロン、ヘアサロン、ヘアカラー専門店 | 保健所 |
洗濯業 | クリーニング店、クリーニング工場、リネンサプライ | 保健所 |
接待飲食等営業 | キャバレー、ラウンジ、ホストクラブ、料亭、待合茶屋 | 警察署 |
遊技場営業 | 麻雀クラブ、パチンコホール、スロット店、ゲームセンター | 警察署 |
古物営業 | リサイクルショップ、リユースショップ、古本屋、古着屋、古美術商、金券ショップ、質屋、中古自動車の販売店 | 警察署 |
深夜酒類提供飲食店営業 | スナック、パブ、バー、酒場、居酒屋 ※深夜(午前0時から午前6時)に営業する場合 | 警察署 |
探偵業 | 探偵事務所、興信所 | 警察署 |
警備業 | 施設警備業者、雑踏警備業者、交通誘導警備業者、貴重品運搬警備業者 | 警察署 |
自動車運転代行業 | 運転代行サービス | 警察署 |
医薬品・化粧品等販売業 | 薬局、薬店、ドラッグストア | 都道府県庁 |
公衆浴場業 | 銭湯、温泉、サウナ、スーパー銭湯、健康ランド、岩盤浴、酵素風呂 | 都道府県庁 |
興行場営業 | 映画館、劇場、寄席、音楽堂、ライブハウス、演劇場、演芸場、サーカス、見世物小屋 | 都道府県庁 |
学校等 | 幼稚園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校 ※私立の場合 | 都道府県庁 |
児童福祉事業 | 保育所、託児所、ベビーシッター | 都道府県庁 |
訪問介護事業 | 訪問介護事業所、訪問入浴介護事業所、夜間対応型訪問介護事業所 | 都道府県庁 |
住宅宿泊事業 | 民泊(年間営業日数180日の上限あり) | 都道府県庁 |
動物取扱業 | ペットショップ、ペットサロン、ペットホテル、動物園、水族館、ねこカフェ | 都道府県庁 |
旅行業 | 旅行会社、旅行業者代理店、旅行サービス手配業者 | 都道府県庁 または観光庁 |
宅地建物取引業 | 不動産販売代理店、不動産仲介会社 | 都道府県庁 |
建設業 | 大工、左官屋、とび職人、解体工事業者、造園工事業者、ガーデナー | 都道府県庁 |
電気工事業 | 電気工事店、電気工事業者 | 都道府県庁 |
貸金業 | 消費者金融業者、貸付けを行うカード会社 | 都道府県庁 |
酒類製造・販売業 | 酒蔵、酒造場、醸造所、ワイナリー、酒屋、ワインショップ、リカーショップ | 税務署 |
職業紹介業 | 転職エージェント、人材バンク、人材派遣サービス | ハローワーク |
道路旅客運送業 | 乗合バス業者、タクシー業者、ハイヤー業者、福祉タクシー業者、貸切バス業者 | 運輸局 |
一般貨物自動車運送事業 | トラック運送業者、配送会社、運輸会社 | 運輸局 |
倉庫業 | タンク倉庫、危険品倉庫、冷蔵倉庫、トランクルーム | 運輸局 |
たばこ小売業 | たばこ専売店、たばこ販売店、シガーバー、シーシャバー | JT |
事業によっては、複数の許認可が必要というケースも往々にしてあります。たとえばコンビニの営業は、食品販売業登録(保健所)・一般酒類小売業免許(税務署)・たばこ小売販売業許可(JT)など、品揃えに応じてさまざまな許認可を得る必要があります。
また、2つ以上の都道府県に営業所や事務所を設ける場合、申請の窓口が上表とは異なる場合があります。たとえば、広域で展開する宅地建物取引業や建設業については、「都道府県庁」ではなく「運輸局」が窓口となっています。
許認可を受けずに営業したらどうなる?
特定業種の営業に許認可が必要であることは、法律や条例で定められています。許認可を受けなかったり、申請内容に不備があるのに営業したりすると、罰金や営業停止などの処分を受けることがあります。
たとえば、飲食店の無許可営業に対しては「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」が、罰則として定められています(食品衛生法52条1項)。
また、自治体によって許認可の取り扱いや基準が異なる場合があります。事務所や店舗の所在地となる自治体のルールを、必ず確認しておきましょう。