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士業の屋号はどうする?注意事項 & 3つのポイント

更新日: 2021/11/19
士業の屋号はどうする?注意事項 & 3つのポイント

INDEX

目次

    屋号とは? 事務所名との違い

    開業届・確定申告書に記入する「屋号」について説明します。まずは、事務所名との違いを整理しておきます。

    屋号 事務所名
    事業そのものにつける名称 事務所ごとにつける名称
    特別なルールはない 士業団体ごとにルールが異なる

    • 特定の文字列を含むこと
       ・弁護士は「法律事務所」
       ・税理士は「税理士事務所」
       ・行政書士は「行政書士」
    • 表札に掲げること など

    ※ いずれも、会社・法人と誤認しやすい名称や、権利侵害にあたる名称は不適当

    事務所名との使い分けが面倒なら「屋号 = 事務所名」とするのが手っ取り早いです。なお、正式な事務所名が長すぎる場合は、その略称などを屋号とする先生もおられます。

    士業の屋号と事務所名は一致させなくて構わない

    上図のように、事務所名とかけ離れた屋号を使用しても問題ありません。

    これだけは押さえておきたい!

    良い屋号の最低条件 - 使い続けられる名前であること

    大前提として、法的な問題が生じないよう、以下2点は守ったほうがよいです。士業に限らず、これはすべての個人事業に共通です。

    • 会社と誤認される恐れのある文字は使用しない
    • 他事業者の商号や商標を不正使用しない

    加えて、屋号を使い続けるために、以下の2点はクリアしておきたいです。「すごく時間をかけて考えたけど、結局使わなくなったな……」となっては、元も子もありません。

    • 人前で声に出してみて違和感がないか
    • 顧客から由来などを何度聞かれても苦痛でないか

    考案方法 – 3つの方向性

    利益につながる屋号とは? 3つの方向性 - 専門性・印象・実用性

    利益につながるような、プラスアルファの要素を取り入れるとなお良いです。本記事では、3つの方向性を提案します。

    1. 業務内容をわかりやすく伝える
    2. 良い印象を持ってもらう
    3. 呼びやすく、書きやすくする

    これらすべて兼ね備えた屋号を考案するのは、なかなか難しいです。①~③のうち、どれか一つを軸に考えるのがおすすめです。

    方向性① 業務内容をわかりやすく伝える

    士業の屋号ネーミング(専門性重視) - 税理士事務所の例

    • 専門性が感じられて、安心感がある
    • いちいち業務内容を説明せずに済む
    • 検索でたどり着いてもらえることもある

    屋号に業務内容を盛り込んでおくと、「〇〇の専門家」としてアピールできます。ただし、そこまで多くの文字数は割けません。そのため、キーワード選定が意外に大変です。

    各士業のキーワード例

    業務範囲を広く見せる 得意分野に絞る
    行政書士 経営、法務、コンサルティング 土地利用、道路工事、医療機器、化粧品、薬事、輸入
    社会保険労務士 人事、法務、労務 助成金、就業規則、年金相談、社会保険手続代行
    税理士 会計、税務、確定申告 記帳代行、不動産税務、遺産相続、国際税務
    中小企業診断士 経営、ビジネス、コンサルティング 小売業、流通業、サービス業、IT業、資金調達
    弁理士 特許、知的財産 商標、デザイン、国際知財、国際特許、IT、AI

    基本的には、業務範囲を広く見せたほうが無難です。得意分野のアピールは、名刺やWEBサイトでも充分に可能です。屋号にすべて盛り込む必要はありません。

    もし得意分野を盛り込むなら、分野の絞りすぎに注意しましょう。「〇〇の業務しか扱ってないのか」と誤解され、集客に悪影響を及ぼす恐れもあります。

    方向性② よい印象を持ってもらう

    士業の屋号ネーミング(印象重視) - 税理士事務所の例

    • 親しみやすく、問い合わせしやすい
    • 他事務所と差別化しやすい
    • ブランド化しやすい

    とっつきやすく雰囲気のよい屋号で、集客アップを狙います。また、先生自身のモチベーションアップも図れます。以下で、発想のヒントをいくつかご紹介します。

    周囲の環境 地名、古名、町並み、山・川などの名前
    テーマカラー 好きな色、ラッキーカラー、落ち着く色、伝統色
    グッズ 仕事道具、思い出の品、縁起物
    好きなもの 動物、花、天体、趣味に関係するもの
    その他 童話などの逸話、ニックネーム、大事にしたい考え方

    地名などを屋号に盛り込むと、検索でヒットしやすくする効果も見込めます。立地の良さをアピールすることも可能です。

    なお、以上のような方向性で考えるなら、名刺やホームページのデザインもひと工夫したほうがよいです。事務所の外観・内装・小物などの一体感も重要です。

    方向性③ 呼びやすく、書きやすく

    士業の屋号ネーミング(実用性重視) - 税理士事務所の例

    • 電話などのやりとりがスムーズになる
    • 領収書などを書いてもらう際に、もたつきにくい
    • 覚えてもらいやすい

    呼びやすい屋号のほうが、顧客に覚えてもらいやすいです。先生の事務負担の軽減にも寄与します。具体的には、以下のポイントを押さえて考えるとよいでしょう。

    発音しやすくする とくに「ゃ・ゅ・ょ・っ」の小文字の頻度に注意
    画数を少なくする ご自身の氏名より少ないほうがよい
    読みやすい字数にする 2~3単語の組み合わせを限度とする
    誰もがわかる言葉を選ぶ 外来語を使用する場合はとくに注意
    読み方が複数ある漢字を避ける 「崎」→「さき」or「ざき」

    実際に屋号を用いる場面を、細かく想像してみることが重要です。たとえば、領収書を書いてもらう場面では、「すべてカタカナで、〇〇でお願いします」のように伝えられるとスムーズです。

    ただ、「実際の場面を細かく想像する」といっても、事業が軌道に乗るまではなかなか難しいかもしれません。機会があれば、同業の先輩に「屋号って、どんなときに使いますか?」と、実体験を聞いてみるのもよいでしょう。
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    まとめ

    士業の先生であれば、大抵は「正式な事務所名」をお持ちです。これをそのまま「屋号」としても使用できます。もし別の名称を考案するなら、下図のように考えるとよいです。

    利益につながる屋号とは? 3つの方向性 - 専門性・印象・実用性

    本記事では、利益につながりやすい屋号の考え方として、3つの方向性を提案しました。あくまで参考例ですが、どれかを中心軸として考えるのがおすすめです。

    ① 業務内容がわかりやすい ② 良い印象を持ってもらう ③ 呼びやすい、書きやすい
    士業の屋号ネーミング(専門性重視) - 税理士事務所の例 士業の屋号ネーミング(印象重視) - 税理士事務所の例 士業の屋号ネーミング(実用性重視) - 税理士事務所の例
    • 安心感がある
    • 説明しなくてよい
    • 検索されやすい
    • 差別化しやすい
    • 親しみやすい
    • ブランド化しやすい
    • 電話がスムーズ
    • 書くのが億劫でない
    • 覚えてもらいやすい

    迷うようなら、3つとも試して気に入ったものを選べばよいでしょう。絞り込んでいく過程で、家族・友人の方、同業の先輩などに客観的な意見を求めるのもおすすめです。

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