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確定申告とは?全くわからない人向けにわかりやすく!

更新日: 2024/08/28
確定申告とは?全くわからない人向けにわかりやすく!

確定申告とは、わかりやすくいうと「この1年間で〇〇円儲かったので、△△円の所得税を納めます」と国に申告する手続きです。おもに、個人事業主・フリーランスなどの自営業者や、副業で年間20万円以上の儲けがある会社員などに義務付けられています。

INDEX

目次

    確定申告とは?

    確定申告とは、所得税を精算するための手続きです。例年、2月16日~3月15日にかけて行われます。確定申告の目的は、おもに「税金を納付する」か「還付金を受け取る」の2パターンに分かれます。

    確定申告とは?目的は所得税を納めるor還付金をもらう

    どちらに該当するにせよ、提出する書類は同じです。確定申告書を作成して「納めるべき税額」を計算しないといけません。所得(≒ 儲け)が多い人ほど、基本的には所得税も高くなります。

    近年は自動計算ツールも充実してきています。個人事業主向けの会計ソフトや、国税庁が運営する確定申告書等作成コーナーを使えば、「確定申告なんて全くわからない!」という人でも比較的カンタンに所得税の計算ができます。

    会社員は確定申告しなくてOK?
    会社員やアルバイトは確定申告をしなくて済むことが多い。なぜなら、給与から所得税が天引きされ、過不足のないよう勤務先がうまく調整してくれるため(年末調整)。ただし、勤務先が複数ある場合など、年末調整で対処できないときは確定申告が必要となる。

    所得税の計算方法

    所得税を計算する際は、「収入」と「所得」を区別する必要があります(収入 - 必要経費 = 所得)。たとえば、100円で仕入れた商品を300円で売ったら、「収入300円 - 必要経費100円 = 所得200円」のように考えます。

    所得税算出の流れ(確定申告の計算方法)

    ひとまず「収入からいろいろ差し引いたあとで税率をかける」とだけ理解しておけばOKです。あまり詳しく知らなくても、確定申告の必要書類を順序よく作成すれば、おのずと正しい所得税額が算出される仕組みになっています(詳細は後述)。

    (参考)所得税の税率表

    課税所得の金額 所得税率
    195万円以下の部分 5%
    195万円超 330万円以下の部分 10%
    330万円超 695万円以下の部分 20%
    695万円超 900万円以下の部分 23%
    900万円超 1,800万円以下の部分 33%
    1,800万円超 4,000万円以下の部分 40%
    4,000万円超の部分 45%

    ※ 上記は国税庁サイトの税率表を簡略化したもの

    計算方法を熟知することで、所得控除などを活用した「節税(= 税金を安く抑える方法)」への理解も深まります。以下の記事でわかりやすく解説しているので、もし興味があれば勉強してみても損はないでしょう。

    個人事業主の所得税 – 計算方法を具体例で詳しく解説!

    白色申告と青色申告の違い

    白色申告と青色申告の違いを比較(個人事業主の確定申告)

    個人事業主は「白色申告」と「青色申告」のどちらかを選んで確定申告を行います。「青色申告」を選ぶには、期日までに事前申請が必要です。青色申告を選ばなければ自動的に「白色申告」となります。

    白色申告と青色申告の大まかな違い

    白色申告 青色申告
    帳簿付け 簡単 ちょっと面倒
    確定申告書類 少なめ 多め
    節税の特典 なし あり

    青色申告のほうが多少面倒ではありますが、個人事業主向けの会計ソフトを活用すれば白色申告と同程度にまで事務負担を減らせます。節税に成功すれば、会計ソフトの利用料金も充分にペイできます。

    「青色申告って難しそう……」と尻込みしてしまうかもしれませんが、青色申告の節税効果は非常に高いです。たとえば、最大65万円を収入から差し引ける特典(青色申告特別控除)などが有名です。やってみれば意外と簡単なので、ぜひ挑戦してみましょう。

    青色申告とは?白色申告との違いをまるっと解説!

    確定申告の必要書類 – 個人事業主の場合

    個人事業主の確定申告では、主に以下の書類を作成して提出します。青色申告と白色申告で、提出書類が一部異なります。ちなみに、帳簿やレシート類は提出せず、最長7年にわたり自宅等で保存します。

    確定申告の必要書類(個人事業主の提出書類)

    提出書類には、それぞれ下表のような役割があります。「①決算書→②確定申告書→③添付書類台紙」の順で作成するのが一般的です。確定申告書を作成した段階で、所得税の「納付額」または「還付額」が判明します。

    確定申告の必要書類 – 各書類の役割を整理

    ① 決算書 事業による「所得」を計算する
    収入 - 必要経費 = 所得
    ② 確定申告書 「課税所得」や「所得税」を計算する
    所得 - 所得控除 = 課税所得
    課税所得 × 税率 = 所得税
    ③ 添付書類台紙 「所得控除」などの裏付けとなる書類を添付する
    例)生命保険料控除証明書など

    ※ わかりやすくするため計算式は単純化しています

    確定申告書類の提出方法は、大きく分けて以下の3通りです。基本的にはどの方法を選んでも構いません。ただし、青色申告で65万円の特別控除を受けたい人に限り、e-Taxでの送信が必要となる場合があるので注意しましょう。

    確定申告書類の提出方法

    • 持参……所轄の税務署や確定申告会場へ持参して提出する
    • 郵送……所轄の税務署か業務センター宛に郵送する
    • e-Tax …オンラインで送信する(電子申告)

    e-Taxで電子申告する場合は、大抵の添付書類は省略してよいことになっています。その代わり、提出しなかった書類は自宅等で5年保存する必要があります。

    確定申告書類の提出期限 – 納付目的の場合

    当年分の確定申告は、原則として翌年2月16日~3月15日の期間に行います。所得税の納付期限も、基本的には申告期限と同じく3月15日までです(口座振替の場合、振替日は原則4月下旬)。土日と重なるため、2025年の申告期間は「2月17日〜3月17日」です。

    2025年(令和7年)の確定申告期間

    所得税の納付が必要なケースでは、確定申告の「義務」が生じます。その義務を怠り、期日までに確定申告・納付をしなかった場合は、無申告加算税や延滞税などのペナルティがあるので注意しましょう。

    所得税の主な納付方法と納付期日

    窓口・コンビニ(現金) 金融機関や税務署の窓口、コンビニで現金決済
    翌年の3/15まで(土日祝の場合は翌平日)
    振替納税(口座振替) 事前に登録した預金口座などから自動引き落とし
    翌年の4月下旬ごろ(毎年、日付は多少前後する)
    キャッシュレス決済 スマホアプリ決済やクレジットカード決済
    翌年の3/15まで(土日祝の場合は翌平日)

    「キャッシュレス決済」の場合、決済手続きが3月15日までに完了すればOKです。クレカをうまく活用することで、実際の支払い日を遅らせることもできます。お手持ちのカードによっては分割払いも可能です。

    確定申告書類の提出期限 – 還付目的の場合

    所得税の還付金を受け取れる場合は、5年以内に確定申告をしましょう。還付目的の確定申告を「還付申告」ともいいます。還付金の受け取りは、国税庁の説明によれば概ね1ヶ月~1か月半後となります。

    2025年分の還付申告期限は2028年末まで

    還付申告は義務ではないので、申告しないまま5年を過ぎても罰則等はありません。ただ、還付金は受け取れなくなるので、そのぶん損することになります。以下のようなケースに当てはまる人は、申告を忘れないよう注意しましょう。

    還付申告となるケース(主な例)

    • 年の途中で退職して、年内に再就職しなかった
    • ふるさと納税をした際、ワンストップ特例を選ばなかった(寄附金控除
    • 自分や家族のために多額の医療費がかかった(医療費控除
    • マイホームの住宅ローンがある(住宅ローン控除)
    • 災害や盗難により資産に損害をうけた(雑損控除

    還付申告できる給与所得者 – 国税庁 タックスアンサー No.2030

    個人事業主やフリーランスでも「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」や「予定納税」の対象になっていれば、還付申告できる場合が多々あります。

    【補足】源泉徴収・予定納税とは?

    所得税を納める機会は、確定申告のほかに「源泉徴収」と「予定納税」があります。たとえば、副業ワーカーやフリーランスは「源泉徴収」により給与や報酬から所得税が天引きされることがあります。

    所得税を納める機会・タイミング

    タイミング 概要
    源泉徴収 給与等の支払い時 給与や報酬のなかから所得税が毎回天引きされる
    予定納税 当年7月、11月 直近の所得税額を参考に、その約3分の2を前払いする
    確定申告 翌年2/16~3/15 所得税額を自分で計算し、国に申告して精算する

    「源泉徴収」と「予定納税」は、いわば所得税の前払いです。最終的には「確定申告」により、その過不足を調整します。もし前払いした所得税が多すぎても、確定申告をすれば取り返せるわけです(還付申告)。

    ちなみに会社員の場合は、この調整を会社が代わりにやってくれます(年末調整)。そのため、基本的には確定申告は不要です。ただし、ダブルワークなどの特殊事情までは会社側も関知しないため、状況によっては会社員でも確定申告が必要となります。

    確定申告が必要な会社員とは?具体例でわかりやすく解説!

    まとめ – 確定申告に関するQ&A

    確定申告は、所得税の納付や還付のために行う手続きです。個人事業主やフリーランスは、白色申告か青色申告のどちらかを選択します。確定申告・納付の期限は、翌年3月15日です。

    確定申告したら何の税金を払うの?
    確定申告により納める税金は「所得税」です。また、確定申告書の内容は「住民税・個人事業税・社会保険料」にも影響します。所得税の確定申告書を提出すれば、住民税申告は不要となります。
    そもそも確定申告って、何をするの?
    確定申告では、確定申告書類を作成して提出します。個人事業主の場合、手順は次の通りです。①帳簿やレシートなどの書類をまとめる。②決算書や確定申告書を作成する。③確定申告書類を期日までに提出する。
    どんな人が確定申告をするの?
    確定申告をするのは、主に「所得税を納付する人」と「還付金を受け取る人」です。たとえば、事業で一定以上の利益が出た個人事業主やフリーランス、副業で年間20万円以上の所得が生じた会社員などは、確定申告により所得税を納める義務があります。
    確定申告しなくていいのはどんな人?
    確定申告の義務がないのは「そもそも所得がない人」や「ほかの方法で所得税の精算が済んでいる人」です。一般的な会社員であれば勤務先の年末調整により所得税の精算が完結するため、確定申告は不要とされています。
    確定申告しなくていいのは所得いくらまで?
    1年間の所得が48万円以下なら確定申告の義務はありません(収入 - 必要経費 = 所得)。所得が48万円を超えた場合でも、課税所得が0円であれば確定申告は不要です(所得 - 所得控除 = 課税所得)。所得控除の金額は人によって差が大きいので、一概にいくらまでと線引きするのは困難です。
    アルバイトでも確定申告しないとダメ?
    一般的なアルバイトなら年末調整だけで済むので、確定申告しなくても基本的には問題ありません。ただし、複数のバイト先を掛け持ちした年や、バイトを辞めて年末調整を受けなかった年は確定申告が必要です。
    確定申告をしないとどうなる?
    確定申告の義務があるのに申告を怠った場合は、無申告加算税や延滞金などのペナルティを受けることがあります。また、住民税・個人事業税・社会保険料は所得に連動して支払うべき金額が変わるため、これらを追加で徴収される場合があります。
    いつまでに確定申告すればいいの?
    確定申告は、原則として翌年3月15日までに行います。還付申告については、翌年1月1日から5年以内に行えばOKです。たとえば2023年分の確定申告であれば、納付については2024年3月15日までに、還付については2028年12月31日までに申告しましょう。
    確定申告に持っていくものは?
    確定申告書を自宅等で作成して窓口に持参する際は、本人確認書類も持っていきましょう。「マイナンバーカード」か「運転免許証&マイナンバーが記載された住民票」が一般的です。念のため、筆記用具などもあれば安心です。押印義務は廃止されているためハンコは不要です。
    スマホで確定申告ってどうやるの?
    個人事業主がスマホで確定申告をするには、e-Taxの利用登録などを済ませてから「スマホ申告に対応した会計ソフト」や「確定申告書等作成コーナー」を利用します。マイナンバーカードを対応機種のスマホにかざすだけで個人認証が完了し、確定申告データをインターネット経由で送信できます。
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