確定申告とは?個人事業主の確定申告を1から解説

更新日: 2020/08/28
確定申告とは?個人事業主の確定申告を1から解説

個人事業である程度の利益が出たら、それに応じて所得税がかかります。この所得税の金額は、納税者が自分で計算して申告することになっています。これが確定申告です。1年分の会計情報をまとめ、原則として翌年2月16日~3月15日の期間内に行います。

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目次

    確定申告とは

    確定申告とは、一年間の所得や所得税額を計算し、国に「申告」して税額を「確定」させる手続きです。所得税は、納税者が自ら税額を申告して納付します。とはいえ、もちろん自由に税額を決めてよいわけではなく、法律に則って正しく計算する必要があります。

    自ら申告して納めるべき所得税がなければ、確定申告をしなくても構いません。たとえば、所得が少ないために所得税を納める必要がない人や、給料から天引きされる形(源泉徴収)で所得税を納めている年収2000万円未満の会社員などがこれに当てはまります。
    >> 所得税の詳しい計算方法についてはこちら

    確定申告をする必要がある人

    • 個人事業主
    • 一部の会社員
    • その他、一定の所得がある人

    個人事業主の確定申告について

    個人事業によって得た売上などから、仕入れにかかったお金や必要経費を差し引いて、残ったものが「所得」です。この所得に、所得税がかかります。所得が多いほど、所得税も多くなるわけです。

    所得が多いほど所得税が増える

    個人事業主は、日々の売上や必要経費などを帳簿に記録しておく必要があります。そして1月1日~12月31日の期間で区切って集計(決算)し、これをもとに確定申告書類を作成します。そして、翌年2月中旬~3月中旬の定められた期間に確定申告書類を税務署へ提出すれば、確定申告は完了です。

    確定申告が済んだら、申告した税額を国に納付します。このとき、税務署や銀行の窓口で直接納める方法や、口座振替により納める方法などがあります。納付期限は、法令により原則3月15日と定められています。

    なお、住民税個人事業税は各自治体が税額を決定し、納税者に対して通知します。通知された通りの金額を納付すればよいので、こちらに関しては納税者が自分で税額を計算・申告する必要はありません。

    白色申告と青色申告のちがい

    確定申告の方式は、作成する帳簿の種類によって「白色申告」と「青色申告」の2種類に大別されます。白色申告のほうが帳簿や申告書類がシンプルで、事務的な負担が軽く済みます。青色申告は手間がかかるぶん、税金の負担が軽くなります。

    白色申告と青色申告の負担の違い

    >> 青色申告のメリット・デメリットについて

    青色申告特別控除

    青色で確定申告をすると「青色申告特別控除」という控除(こうじょ)を受けられます。下図のように、控除の金額が大きいほど税金が少なくなる仕組みです。青色申告のなかでも、複式簿記なら55万円(or 65万円)控除、それ以外は10万円控除と決まっています。

    控除金額が多いほど所得税が少なくなる

    なお、青色申告をするには事前申請が必要です。翌年の確定申告を青色で行うには、当年の3月15日までに申請しなければなりません。事前申請をしておけば、確定申告時に白色か青色か選択できます。事前申請をしなかった場合は、白色申告しか選択できません。
    >> 青色申告の申請期限について詳しく

    確定申告期間について

    個人事業の場合、当年1月1日~12月31日の所得に対してかかる所得税の確定申告は、原則として翌年2月16日~3月15日の期間に行います(期限日が土日祝日にあたる場合翌平日が期限日)。所得税の納付期限も、申告期限と同じく基本的には3月15日までと決まっています。なお、口座振替の場合、振替日は4月下旬です。

    2020年(令和2年)の確定申告期間

    >> 2020年(令和2年)の確定申告期限が延長

    確定申告の義務があるのに、それを怠った場合は、延滞税や無申告加算税などのペナルティを課されることがあるので注意してください。青色申告特別控除55万円も適用できなくなり、控除額が10万円に減額されてしまいます。
    >> 気づいたら確定申告期間が終わってた!というアナタへ

    「還付申告」は5年以内ならOK

    源泉徴収や予定納税などで、本来の所得税額より多く納税してしまうことがあります。この場合に、払いすぎた税金を返してもらうための確定申告を、とくに「還付申告」と呼びます。還付申告は、対象となる年の翌年1月1日から、5年後の12月31日まで行えます。

    2019年分の還付申告期限は2024年末まで

    確定申告の提出書類について

    提出書類は大まかに言うと「事業の決算書・確定申告書・添付書類台紙」の3つです。

    事業の決算書

    個人事業で得た所得を「事業所得」といいます。事業所得を明らかにするための書類が、この決算書です。なお、決算書は2種類あり、白色申告と青色申告とで用紙が異なります。白色申告者は「収支内訳書」、青色申告者は「青色申告決算書」を作成します。

    申告形式によって異なる個人事業の決算書

    確定申告書

    個人事業主は、必ず「確定申告書B」を使用しましょう。一方、会社員などが簡単に確定申告を済ませる際には「確定申告書A」を用います。いずれも正規の書類ですが、確定申告書Bが正式版で、確定申告書Aは略式版と考えてください。それぞれ、第一表と第二表の計2ページから成ります。

    確定申告書はA・Bの2種類ある

    添付書類台紙

    確定申告書には、その内容を証明するための書類を、必要に応じて添付しなければなりません。よくある例として、本人確認書類のコピーを添付する場合が挙げられます。これらの添付書類は、のりやホチキスなどで「添付書類台紙」に貼りつけ、確定申告書と一緒に提出します。
    >> 個人事業主が確定申告で提出する書類について

    確定申告をしなくてよい個人事業主

    年間所得48万円以下の場合は所得税がかからないので、確定申告を行う義務がありません。帳簿に基づいて所得税額を計算し、その結果として所得税がかからなければ、申告の義務が生じないということです。いずれにせよ、帳簿は作成する必要があります。

    確定申告の義務がない事業主の所得要件

    個人事業が専業の場合 個人事業が副業の場合
    合計所得が48万円以下 副業による所得が20万円以下

    年間のトータルで見たときに、控除額よりも所得のほうが低ければ、所得税がかかりません。基礎控除48万円がすべての人に適用されると考えてよいので、少なくとも合計所得が48万円以下であれば、確定申告の義務は発生しないということです(所得税法 120条1項)。

    なお、1つの会社に勤めながら副業として個人事業を営む会社員は、給与と副業による合計所得が控除額を上回っていても、副業による所得さえ年間20万円を超えなければ確定申告は不要です(所得税法 121条1項)。

    しかし特段の事情がない限り、たとえ確定申告の義務がなくても、きちんと申告することを推奨します。確定申告をしないことで、別途「住民税の申告」などの手続きが必要になったり、還付金が受け取れなくなったりと、デメリットが生じるからです。

    まとめ – 個人事業主が行う確定申告のポイント

    個人事業主は、1月1日~12月31日に事業で得た所得などについて計算し、原則的にその翌年2月16日~3月15日の期間に確定申告を行います。期間内に申告しなかった場合、延滞税などのペナルティを受けることもあるので、余裕をもって申告しましょう。

    確定申告の重要ポイント

    • 確定申告をすることによって所得税額を確定させる
    • 所得税は、経費などを差し引いた所得に対してかかる (売上にかかるのではない)
    • 申告義務の有無にかかわらず、個人事業主は必ず帳簿を用意する
    • 個人事業主の確定申告には、白色申告と青色申告の2種類がある
    • 白色申告は事務負担が軽減され、青色申告は税金負担が軽減される
    • 提出書類は「事業の決算書・確定申告書・添付書類台紙」の3つ

    所得税額がゼロの年については、確定申告の義務が発生しません。とはいえ、確定申告をしないと、還付金が受け取れない、国保の保険料が高くなるなどのリスクを負うことになります。また、新たに「住民税の申告」を行う義務が生じる場合もあります。

    そのため、個人事業主はよほどの事情がない限り、確定申告をしたほうがよいです。実際に確定申告を行うときの流れについては、以下の記事を参考にしてください。