2020年分(令和2年分)の確定申告期間は、2021年2月16日~4月15日でした。この期間、新型コロナ対策の一環で、入場整理券による確定申告会場への入場規制が行われました。
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入場整理券がないと確定申告会場で相談できない
2021年2月には、各地で「確定申告会場」が設置されました。税務相談や申告書の作成・提出は、例年通り受け付けられました。ただし、新型コロナ対策として、すべての会場で「入場整理券」が配布されました。会場内で申告の相談ができたのは、この整理券で指定された時間帯のみでした。
入場整理券を手に入れる方法は、「当日の現地配布」と「事前のLINE申し込み」の2パターン用意されました。1日あたりの配布数には上限があり、その具体的な数字は各会場ごとに異なります。
- 提出するだけなら整理券不要
- 相談の必要が一切なく、作成済みの申告書を提出するだけなら、整理券は必要ない。この場合、職員に内容をチェックしてもらうことはできないので、その意味では郵送するのと大差ない。
確定申告会場でできること
- 申告書作成に関する一般的な税務相談ができる(電話予約不要)
- パソコンを借りて申告書を作成し、そのまま提出できる※
- 持参した紙の申告書を提出できる
※ただし青色申告決算書は作成できないので、65万円の控除は受けられない
「そもそも申告が必要かどうかわからない」「申告したいのに計算方法がさっぱりわからない」という方は、確定申告会場で相談してみるのもよいでしょう。もちろん無料で利用できます。
ちなみに、税理士会や自治体などが開設する無料の税務相談会場などもありますが、上記で紹介した確定申告会場とは別モノです。したがって、こちらでも整理券を取る必要があるかどうかは、各主催者の判断によります。
整理券の発行 – 会場 or LINE
結論から言うと、多少面倒でもLINEを使って事前申し込みをするのが賢明です。というのも、整理券の枚数には上限があるので、せっかく会場に足を運んでも「今日の分はなくなったので、また明日以降来てね」と言われる恐れがあるからです。
会場で当日の整理券を受け取る | LINEで事前申し込みする ←オススメ! |
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・事前手続き不要 ・必要以上に長く待たされるかも ・配布状況次第で入場を断られるかも |
・事前手続きが必要 ・入場可能な時間帯が事前にわかる ・ほぼ確実に整理券を入手できる |
仮に、会場配布の整理券が当日手に入っても、整理券に記載された時間帯にしか入場できません。つまり、どのくらい待たされるかは、行ってみないとわからないわけです。一方、LINEで事前発行してもらえば、入場可能な時間帯をあらかじめ知ることができます。
LINE申し込みの流れ
LINEによる申し込みは、すべての会場について利用可能だそうです(国税局に確認済)。以下のように国税庁のLINEアカウントをお友達登録して、そのトーク画面から「相談を申し込む」をタップしましょう。来場希望日の10日前から申し込み可能です。
ちなみに「チャットボットに聞く」は、LINEのトーク画面でそのままやり取りできるわけではありません。国税庁サイトへ飛ばされるだけです。同様に「申告書を作る」「動画で見る」「電話で聞く」も単なるリンクで、わざわざLINEを介して利用するメリットはありません。
会場では電子申告できない?
確定申告会場で申告手続きを行う場合は、備え付けのパソコンからe-Taxのシステムに接続し、申告書の作成・提出を行います。ただし、会場に設置されるパソコンは特殊な仕様であり、自宅等の端末から行う電子申告とは性質が異なる点に注意しましょう。
通常、自宅等のパソコンを使って電子申告をする場合には、以下のような添付書類は提出を省略できます。しかし、確定申告会場においては、会場に設置されているパソコンで申告を行っても、この省略が認められません。
- 雑損控除の証明書
- 医療費控除の明細書
- 社会保険料控除の証明書
- 小規模企業共済等掛金控除の証明書
- 生命保険料控除の証明書
- 地震保険料控除の証明書
- 寄附金控除の証明書
【個人事業主】65万円の青色申告特別控除が受けられない?
青色申告者が65万円の特別控除を受けるには、電子申告か電子帳簿保存が必須です。ただし、確定申告会場のパソコンで申告書を作成・提出しても、ここでいう「電子申告」には該当しません。自宅等のパソコンから電子申告をするようにしましょう。
>> 65万円控除の要件・節税額の目安
会場を利用するメリット・デメリット
確定申告会場を利用するメリット・デメリットを簡単にまとめておきます。最大のメリットは、税務署の職員と直接会って、書類を見ながら記入方法などをレクチャーしてもらえる点です。
メリット | デメリット |
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※ 個別具体的な判断が必要となる相談については要事前予約
こんな人におすすめ!
- 会場に行く時間を確保できる(大前提)
- そもそもどんな書類を提出したらいいかわからないし、調べたくない
- いろいろ調べても、税金の計算方法などがさっぱりわからない
- イレギュラーな収入や支出があって、例年とは違う申告が必要になりそう
当メディア自営百科では、まったくの初心者でも無事に確定申告できるよう、帳簿づけの方法から確定申告書類の作成・提出方法にいたるまで、イラスト付きで丁寧に解説しています。会場へ行かずに済ませたい方は、以下の記事なども参考にしてみてください。
>> 確定申告書の提出方法まとめ
>> 帳簿づけから確定申告までの流れ
【個人事業主】相談だけなら65万円控除には影響なし
65万円の青色申告特別控除を狙う場合であっても、相談目的で会場を利用するだけなら何の問題もありません。相談した内容を持ち帰って、最終的に自宅等のパソコンから電子申告をすればよいのです。