- 2022年分から「確定申告書A」と「確定申告書B」が統合される
- これ以降は、会社員も個人事業主も同じ申告書を使う
- 統合後の新しい申告書は、従来の確定申告書Bに近い様式
INDEX
目次
申告書様式の統合 – 確定申告書Aがなくなる!
これまでの確定申告では、所得の種類などに応じて「確定申告書A」と「確定申告書B」を使い分けていました。しかし、2022年分(令和4年分)の確定申告からは「確定申告書A」が廃止され、ひとつの様式に統合されます。
確定申告書が統合されても、書類の見た目や書き方が大きく変わることはありません。ひとまず「2022年分からはA・Bの区別がなくなる」ということを理解しておけばOKです。
なお、統合後の新しい申告書を使うのは「2022年分」の確定申告からです。それより過去分の申告(2021年分までの還付申告など)をする際には、従来の申告書A・Bを使います。
確定申告書A・Bの違いをおさらい【2021年分まで】
新しい確定申告書の様式
統合後の新しい申告書は、従来の「確定申告書B」に近い様式です。2022年分(令和4年分)の確定申告からは、会社員も個人事業主もこの申告書を使います。
新しい確定申告書の様式【2022年分から】
申告書 第一表 | 申告書 第二表 |
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2022年分|確定申告書の書き方【個人事業主・会社員】記入例つき
これまで「確定申告書A」を使っていた人にとっては、ちょっと小難しい欄が増えます。しかし、必ずしも記入箇所が増えるわけではありません。主に「事業所得」や「不動産所得」に関わる項目が加わるだけなので、一般的な会社員はあまり気にしなくてよいです。
これまで「確定申告書B」を使っていた人からすると、大きな変更点はほとんどありません。昨年分の申告書Bと比較するといくつか異なる箇所もありますが、影響がある人は少数です。
第三表~第五表はどうなる?
2022年分以降も、申告書の「第三表(分離課税用)」と「第四表(損失申告用)」は、従来とほとんど同じ様式のままです。一方、「第五表(修正申告用)」は2022年分から廃止されます。
申告書のバリエーション
令和3年分まで | 令和4年分から | |
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メインの 申告書 |
・申告書A(第一表・第二表) ・申告書B(第一表・第二表) |
・申告書(第一表・第二表) |
特殊な 申告書 |
・申告書 第三表 ・申告書 第四表 ・申告書 第五表 |
・申告書 第三表 ・申告書 第四表 |
第五表は、確定申告期間が終わってから「納税額を少なく申告しちゃってました」と修正する際に使うものでした(修正申告)。しかし、2022年分からは第一表に修正申告用の欄が設けられ、第五表を使わずに修正申告ができるようになります。
確定申告した人は要チェック!第五表の廃止で修正申告のやり方が変わった
確定申告書の廃止・統合に関するギモン【Q&A】
- 申告書Aが廃止されたら、会社員はもう確定申告しなくていいの?
- 申告書Aがなくなるといっても、会社員の確定申告が不要になるわけではありません。たとえば「医療費控除を受けたい」「一定の副業収入がある」などという会社員は、これまで通り確定申告をします。単に、従来とは申告書の様式が変わるだけです。
- 電子申告には影響ある?
- 電子申告派の人は気にしなくてOKです。たとえば、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」では、申告内容に応じた適切なフォーマットを自動で選択してくれます。画面の指示にしたがって入力していけば問題ありません。
- 会計ソフトでも新しい申告書様式に対応できる?
- 大手メーカーの会計ソフト(弥生・freee・マネーフォワードなど)なら、新しい申告書の作成にも問題なく対応できます。ちょっとマイナーな会計ソフトを使っている場合は、あらかじめ新様式への対応状況を確認しておきましょう。
- 修正申告の提出書類はどう変わる?
- 2022年分からは、これまで修正申告で使っていた「第五表」が廃止されます。2022年分以降の修正申告では「第一表」「第二表」を使用します。
- 個人事業主の決算書に変更はある?
- 白色申告で提出する「収支内訳書」は、1ページ目の様式が微妙に変わりました(雑所得の申告でも収支内訳書を提出するケースができた影響)。一方、青色申告で提出する「青色申告決算書」については変更ありません。
- 過去分の申告をするときはどうする?
- 2021年分以前の申告をする際は、これまで通り申告書A・Bを使い分けます。たとえば、2020年分の還付申告をする場合は「令和2年分以降用」と書かれた申告書Aか申告書Bを使いましょう。