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勘定科目を追加してもOK?任意で科目作成するときの注意点など

更新日: 2024/07/25
勘定科目を追加してもOK?任意で科目作成するときの注意点など

個人事業主向けに、任意で科目を追加する際の注意点などを解説します。科目を追加したほうがよいケース・しないほうがよいケースの考え方を、具体例を用いてわかりやすく説明します。

INDEX

目次

    勘定科目を追加しても大丈夫?

    個人事業主が帳簿づけするとき、決算書にあらかじめ記載された科目を使うのが基本です。ただし、必要に応じて勘定科目を任意で追加しても問題ありません。

    自分で作成する勘定科目の一般例 - 決算書に記載のない科目

    >> 決算書に記載されている科目【一覧】

    そもそも、経費の帳簿づけに関して「〇〇にはこの科目を使わなきゃダメ!」というルールはありません。たとえば、車のガソリン代は「旅費交通費」で計上する場合が多いですが、電車賃などと区別するために「車両関連費」という科目を作っても構いません。

    なお、市販の会計ソフトには、もともと決算書に記載のない科目がデフォルトで備わっていることも多いです。会計ソフトでは、自分で科目を作成して追加することもできます。

    任意追加する勘定科目の例【一覧表】

    下記の勘定科目は、決算書には載っていませんが、一般的によく使われています。

    支払手数料 事業に関連して支払う手数料
    振込手数料、カード売上の手数料、税理士への報酬
    事務用品費 事務用品の購入費用
    文房具、コピー用紙、インク、USBメモリ、デスク
    新聞図書費 情報収集のために必要な新聞・書籍等の購入費用
    新聞代、書籍代、雑誌の定期購読料(電子版なども含む)
    取材費 取材にかかる費用
    取材にかかる交通費や宿泊代、インタビューの謝礼金
    パソコン関連費 パソコンや周辺機器の購入・メンテナンスにかかる費用
    パソコン本体、プリンター、ハードディスク、ソフトウェア
    車両関連費 車両に関わる費用
    ガソリン代、洗車代、タイヤ交換や修理の料金
    賃借料 備品や施設などを借りる際の費用
    工具や家具のレンタル料、レンタルオフィスの利用料
    リース料 事務用品や機械などの中長期的なレンタル費用
    コピー機、パソコン、ファックス、自動車などのリース代
    会議費 会議や打ち合わせにかかる費用
    会食代、会議に使った会場代、弁当代、お茶代
    諸会費 所属する団体の会費や、サービスの年会費などの費用
    商工会費、町内会費、カード年会費
    研修費 事業に必要なスキルを習得するための費用
    セミナー参加費、資格取得のためのテキスト代
    その他の科目例
    印刷製本費 衛生費 オフィス使用料 管理費 教育費 業務委託費 交際費 顧問料 雑給 賞与 諸謝金 資料費 税理士報酬 セミナー費 退職金 調査費 通勤費 燃料費 販売手数料 法定福利費 保管料 保険料

    もちろん、上記以外の勘定科目を自作して使っても構いません。ただ、決算書に記入できる科目の数は限られているので、むやみに増やすのは避けましょう(多くても5~6個が目安)

    ここからは、決算書に載っていない科目の上手な活用例について説明します。

    活用例① 経費の不均衡をならす

    既存の勘定科目だけで帳簿づけをしていると、特定の科目ばかり金額が膨らんでしまうことがあります。決算書を見た税務署職員に「やけに〇〇費が多いな」と怪しまれないよう、必要に応じて科目を追加し、経費の内訳を明瞭にしておきましょう。

    具体的な活用例

    • 事務用品の購入費用を「消耗品費」でなく「事務用品費」で記帳する
    • 振込手数料などを「雑費」でなく「支払手数料」で記帳する
    • レンタルスペースの使用料を「地代家賃」でなく「賃借料」で記帳する
    • 電車賃とガソリン代を「旅費交通費」と「車両関連費」で区別する
    • 電話料金とネット料金を「通信費」と「パソコン関連費」で区別する

    たとえば、ついつい「消耗品費」を多用しがちな事業主は、「事務用品費」や「新聞図書費」などの科目を設けておくのがおすすめです。これによって、消耗品費の金額が過剰に膨らむことを避け、経費の中身をより具体的に示せます。

    任意で追加する勘定科目(事務用品費や新聞図書費の使い方)

    消耗品費」や「雑費」などの勘定科目は、汎用性が高いぶん、金額が膨らみがちです。既存の勘定科目の中でキチンと使い分けをするのはもちろんですが、金額が大きい支出については、新しい科目を設けることも検討しましょう。

    活用例② コストを管理しやすくする

    会計業務を行う中で「〇〇に使った金額がパッと把握できるといいな」と感じたら、それを叶えるために勘定科目を追加しても構いません。既存の科目とは異なる切り口で、事業のコストを管理・分析したい人におすすめです。

    具体的な活用例

    • 取材にかかった交通費、宿泊費、交際費などを「取材費」でまとめる
    • 車のガソリン代、高速料金、修繕費などを「車両関連費」でまとめる
    • PC関連の消耗品費、通信費、修繕費などを「パソコン関連費」でまとめる
    • 外注する業務の内容に応じて「外注工賃」と「業務委託費」を使い分ける
    • 賃料の消費税区分に応じて「地代家賃」と「賃借料」を使い分ける

    たとえば「パソコンに関わる支出をまとめてチェックしたい」と思っても、既存の勘定科目では金額が消耗品費・通信費・修繕費などに分散してしまいます。そこで「パソコン関連費」の科目を設けると、それらの金額をまとめて把握できるようになります。

    任意で追加する勘定科目(パソコン関連費の使い方)

    任意で勘定科目を作るときの注意点

    勘定科目の増やし過ぎには注意が必要です。決算書に記入できる科目の数は限られているので、それ以上に増やすと経費の中身が分かりづらくなってしまいます。

    少しだけ科目を追加した場合 科目を追加しすぎた場合
    任意で追加する勘定科目(パソコン関連費の使い方) 任意で追加する勘定科目の記入欄(空欄が足りないとき)

    ※青色申告決算書の場合

    追加する勘定科目は「多くても5~6個まで」と考えておくのがよいでしょう。後先を考えずバンバン増やしていくのはおすすめしません。

    また、帳簿づけのルールは、毎年コロコロ変えていいものではありません(継続性の原則)。「去年はたくさん本を買ったから新聞図書費を追加したけど、今年はあまり買わなかったから消耗品費に合算しちゃおう」というのは、やめておきましょう。

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