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未払金とは – 仕訳例や未払費用・買掛金との違いについて

更新日: 2024/07/25
未払金とは – 仕訳例や未払費用・買掛金との違いについて

個人事業主向けに「未払金(みはらいきん)」の勘定科目について解説します。未払金で記帳すべき場面や仕訳方法を、具体例を用いてわかりやすくまとめました。記事後半では、未払費用や買掛金との違いも説明します。

INDEX

目次

    未払金とは?

    • 商品やサービスの代金を後払いする際に使う勘定科目
    • 青色申告決算書の貸借対照表では「負債」に含まれる
    • 消費税区分は「不課税」

    「未払金」は、カンタンに言うと「後払いする金額をいったん記帳しておく際の勘定科目」です。たとえば下記のような場面で使います。

    「未払金」で記帳する場面(一例)

    • 事業の備品をクレジットカードで購入した
    • 事業用車両をローンを組んで購入した
    • ウェブ広告を依頼して、掲載後に代金を支払った
    • 固定資産税を分割で納付した

    原則的には、「取引の発生日」より「実際の支払日」が後になる場合に、ひとまず「未払金」を使って帳簿づけします。とはいえ、期中現金主義で記帳をしていれば、「未払金」を使うのは年をまたぐ取引くらいです。

    仕訳例① 事務用品をカードで購入した

    たとえば、12月にクレジットカードで事務用品を購入し、その代金が翌年1月に引き落とされるとします。この場合、まず下記のように帳簿づけをしましょう。

    1. 決済日の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    2021年12月27日 消耗品費 3,000 未払金 3,000 プリンターインク
    〇〇カード

    まずはカードを切った日付で、上記のように経費計上します。ただ、まだ実際にお金が動いたわけではないので、貸方は「未払金」としておきます。

    続いて、引き落としのタイミングで次のように記帳します。

    2. 引き落とし日の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    2022年1月20日 未払金 3,000 普通預金 3,000 〇〇カード引落
    (12月利用分)

    引き落とされた金額を「普通預金」から差し引きます。この仕訳によって「未払金」という負債が解消されます。

    なお、カードの引き落としが年をまたがない場合は「未払金」を使わず、引き落とし日にまとめて記帳しても問題ありません(期中現金主義)。

    クレジットカード払いの仕訳方法について詳しく

    仕訳例② 広告費用を掲載後に支払った

    たとえば、12月にネット広告を掲載し、12月分の掲載費用を翌年1月に口座振替で支払うとします。この場合は、以下のような流れで記帳をします。

    1. 掲載日の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    2021年12月1日 広告宣伝費 40,000 未払金 40,000 インターネット広告
    (12月分)

    広告の掲載がスタートしたら、その費用を「広告宣伝費」として経費計上します。ただし、まだ代金は支払っていないので、貸方は「未払金」です。

    そして、実際に代金を支払ったら、次のように記帳します。

    2. 支払日の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    2022年1月10日 未払金 40,000 普通預金 40,000 インターネット広告
    (12月分 支払)

    なお、前述の仕訳例①と同様に、こちらも年をまたがない場合は「未払金」を使わず、支払日にまとめて記帳しても問題ありません。

    広告宣伝費の仕訳方法について詳しく

    混同しやすい勘定科目 – 未払費用・買掛金

    「未払金」と混同しやすい勘定科目として、よく「未払費用」と「買掛金」が挙げられます。結論から言うと、個人事業ならこれらを厳密に使い分ける必要はありません。

    参考までに、主に法人企業が参照する「企業会計原則」では、それぞれ下記のように定義されています。

    企業会計原則における定義

    未払費用 「継続的なサービス」に対して、まだ支払っていない代金
    事務所の家賃・水道代など
    買掛金 売上に直接つながる費用のうち、まだ支払っていない代金
    商品の仕入にかかった費用など

    未払金と未払費用

    年をまたいで提供を受ける「継続的なサービス」を、貸借対照表では「未払費用」として扱います。とはいえ「未払金」と「未払費用」は、どちらを使っても税額に影響はないので、個人事業では厳密に区別しなくてもよいです。

    未払金と買掛金

    たとえば、商品や原材料の仕入代金を後払いする際は「未払金」でなく「買掛金」の科目で記帳するのが一般的です。とはいえこちらも、どちらを使っても税額に影響はありません。

    まとめ

    • 「未払金」は、商品やサービスの代金を後払いする際に使う勘定科目
    • 貸借対照表では「負債」に含まれる
    • 消費税区分は「不課税」
    • 年をまたがない取引では「未払金」を使わなくてもOK(期中現金主義

    「取引の発生日」より「実際の支払日」が後になる場合、まず発生日の日付で「未払金」という負債を計上します。そして、実際にお金が動いたタイミングで、この「未払金」を消し込みます。

    ただし「取引の発生日」から「実際の支払日」までの間に年をまたがない場合、「未払金」を使った処理は省略できます(期中現金主義)。この場合、実際にお金が動いたタイミングで経費を計上すればOKです。

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