領収書やレシートがもらえない場合はどうする?

更新日: 2020/08/28 税理士監修
領収書やレシートがもらえない場合はどうする?

領収書やレシートがもらえない場合でも、事業に必要な支出であれば経費にすることができます。このような場合は「出金伝票」を作成しておきましょう。本記事では、出金伝票の書き方について具体例をもとに紹介します。

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目次

    出金伝票ってどんなもの?

    経費を計上するときは、領収書やレシートを保管しておくのが一番です。ただ、電車賃を支払った際など、領収書がもらえない取引もあります。そんなときは「出金伝票」をつくっておきましょう。

    出金伝票 - 個人事業の帳簿づけ

    下記のようなケースでは、そもそも領収書が発行されません。このような支出を経費計上する場合、出金伝票に必要な情報を記入しておきます。

    領収書が発行されない主な費用

    • 電車賃やバス代などの交通費
    • 取引先へのご祝儀やお香典
    • 接待で割り勘したときの食事代
    • フリマで購入した商品の代金

    また、領収書をもらい忘れたり紛失した際も、出金伝票を活用して構いません。ただし、あくまでも領収書の代用です。多用は避けましょう(詳しくは後述)。

    基本的な記入方法

    出金伝票に定められた形式はありません。必ず記録すべき情報は、ざっくり以下の4項目です。

    • 日付…………取引のあった年月日
    • 支払先………取引相手の名前
    • 取引内容……勘定科目や摘要
    • 金額…………取引の金額

    作成方法は自由ですが、市販の出金伝票に手書きで記入するのが一般的です。たとえば、電車賃を出金伝票に記入する際は、以下のように書いておきましょう。

    出金伝票の記入方法

    出金伝票の記入方法

    ① 日付・支払先を記入する

    取引のあった年月日と、支払先の名前を記入します。支払先は、個人相手なら相手の氏名を記入します。企業が相手なら、会社名などを記入しておきましょう。今回のように電車賃なら、そうだと分かる名称を書いておけばOKです。

    ② 勘定科目を記入する

    取引の勘定科目を記入します。今回の場合は電車賃なので「旅費交通費」と記入しておきます。

    ③ 摘要を記入する

    摘要の欄には、取引の情報を記入します。たとえば、取引先の訪問でかかった交通費なら「〇〇社 △△の件 打合せ」などと、具体的に記入しておくと満点です。

    ④ 取引金額を記入する

    それぞれの取引について、かかった金額を記入します。数字の末尾には「-」の印を書き加えておくとよいです。こうすれば、後から数字を書き足せません。

    ⑤ 合計金額を記入する

    取引の合計金額を記入します。数字の先頭には「¥」マークを、末尾には「-」マークを付けておきましょう。上と同様に、これも書き足しを防止する目的です。取引がひとつしかない場合は、④と同じ金額を記入すればOKです。

    出金伝票の記入方法は、上述の通りです。ここからは、記入で迷いやすい主なケース3つを取り上げて、それぞれ説明していきます。

    記入例① 複数路線を利用した際の電車賃

    取引先の訪問でかかった電車賃やバス代などは「旅費交通費」として経費にできます。たとえば、JRから地下鉄に乗り継いだ際の電車賃は、次のように出金伝票へ記録しておきましょう。ここまで書けば、とても丁寧です。

    出金伝票の記入例 - 複数路線を利用した際の電車賃

    Suicaなどの交通系ICカードで支払う場合も、同じように記録しましょう。この場合、利用履歴の印字を一緒に保存しておくと、なお良いです。駅の券売機で、直近の利用履歴を紙に印字できます。

    交通費はまとめて記録してもよい

    交通機関の利用頻度が高い人は、エクセルなどでまとめる方法がオススメです。週や月の単位でまとめておけば、いちいち出金伝票を作成しなくて済みます。

    交通費精算書の記入例 - 旅費交通費

    この方法にも、特に様式の定めはありません。上図のような項目が分かるよう記録しておきましょう。

    記入例② 結婚式のご祝儀

    取引先の冠婚葬祭に参加した際の費用は「接待交際費」として経費に計上できます。たとえば、取引相手の結婚式でご祝儀を渡した場合、出金伝票は次のように記入します。

    出金伝票の記入例 - ご祝儀

    結婚式やお葬式などにかかわる費用の出金伝票を作成する際は、領収書の代わりとして、招待状や会葬礼状などのコピーを一緒に保存しておきましょう。事実を証明する有効な材料になります。

    記入例③ 割り勘の食事代

    レストランや居酒屋などの飲食代は、接待目的の利用であれば割り勘の場合でも「接待交際費」として経費にできます。「割り勘で、領収書をお客さんにあげてしまった」なんて時には、以下のように出金伝票を記入しておきましょう。

    出金伝票の記入例 - 割り勘の食事代

    飲食代は、お店が発行する領収書やレシートをもらうのが基本です。後から見てもわかるように、摘要欄には割り勘で支払ったことをメモしておきましょう。

    領収書との取り扱いの違い

    領収書と出金伝票は「証憑(しょうひょう)書類」としての信頼性に差があります。証憑書類とは、取引成立などを証明するための書類のことです。

    たとえば以下のような書類が、必要経費の証憑として扱えます。一般的に、証憑としての優先順位が高いものから列挙しています。

    • 領収書、レシート
    • 請求書
    • 納品書
    • 出金伝票

    領収書やレシートは、お金を受け取る側である“第三者”が発行します。このような書類は、証憑書類のなかでも信頼性の高いものとして扱われます。

    一方で出金伝票は、あくまでも自ら発行したものなので、証憑としての有効性は低いです。これを多用するのはおすすめできません。どうしても領収書がない場合のみ利用するようにしましょう。

    まとめ

    領収書の発行されない出費があった際は、出金伝票を発行しましょう。必ず記載しておきたい情報は「日付」「支払先」「取引内容」「金額」の4項目です。

    出金伝票に記入する4つの項目

    出金伝票は、100~200円前後で販売されています。何かと利用する機会があるので、事業を始めたら一つは備え付けておきましょう。

    なお、作成した出金伝票は、一定の間保存しておく義務があります。たとえば青色申告者であれば、領収書やレシートと同様に原則7年間の保存が義務付けられています。

    監修

    田中税務会計事務所
    公認会計士・税理士・行政書士
    田中 雅明
    約30年の経験の中で、公認会計士、税理士はもちろん、弁護士、銀行系シンクタンク、保険会社、保険代理店、大手不動産会社等の強力なネットワークも持ち、皆様をトータル的にサポートする態勢が整った当事務所をご活用ください。