個人事業主向けに「パソコン関連費」の勘定科目について解説します。パソコン本体やソフトなども、10万円未満のものはパソコン関連費として経費計上できます。具体例を示しながら、仕訳方法などをわかりやすく説明します。
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目次
パソコン関連費とは
「パソコン関連費」は、一般的によく使われている必要経費の勘定科目です。決算書には記載されていませんが、任意で追加して使用できます。
「パソコン関連費」の具体例
- パソコン
- プリンター
- スキャナ
- USBメモリ
- その他の周辺機器
- パソコンや周辺機器の修理代
- インターネット料金
- レンタルサーバーの料金
- ソフトウェアの購入代金
- クラウドソフトの利用料金
なお、パソコン関連費の消費税区分は、ほとんどの場合で「課税」です。(消費税の納付義務がない免税事業者は気にしなくてOK)
どんな場合に追加する?
パソコン関連の出費は、下記のように既存の勘定科目でも処理できます。従って、新たに「パソコン関連費」の科目を追加しなくても、特に問題はありません。
パソコンに関わる出費の例 | 該当する勘定科目の例 |
---|---|
|
消耗品費 |
|
通信費 |
|
修繕費 |
「パソコン関連費」は、以下のような場合に追加するのがよいでしょう。
- パソコン関連の出費で「消耗品費」や「通信費」が膨らみすぎてしまう
- パソコン関連の様々な出費をパッと把握できるようにしたい
パソコン関連の出費がそれほど多くない人は、わざわざ「パソコン関連費」を使うメリットが少ないです。勘定科目が増え過ぎると、かえって管理が面倒になるので、先々を見据えて追加を検討しましょう。
>> 任意で追加する勘定科目の活用方法
基本的な記帳方法
「パソコン関連費」の勘定科目を追加した場合、例えば7万円のノートパソコンを購入したら、以下のように記帳します。
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
20XX年3月15日 | パソコン関連費 70,000 |
普通預金 70,000 |
ノートパソコン |
会計ソフトの記帳例
画面は「やよいの白色申告 オンライン」のもの
【補足】パソコンを買ったら減価償却が必要?
10万円以上のパソコンを買ったら、原則として「減価償却」という処理が必要です。この場合は、購入時に「パソコン関連費」として経費計上しません。
本体価格ではなく「取得価額」で判断する
デスクトップパソコンは通常、本体だけでは機能しません。ですから、セットで購入したディスプレイなども、取得価額に含めます。ただし下表のように、取得価額に含めずに「パソコン関連費」などで経費計上してよいものもあります。
取得価額に含める | 取得価額に含めない* |
---|---|
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* ただし、本体と一体化して分離できないものは取得価額に含める
パソコンを購入すると、大抵は1年程度のメーカー保証が標準でついています。さらにオプション料金を支払うと、保証期間を延長できる場合があります。このオプション料金(延長保証料)については、取得価額に含めなくてOKです。
まとめ
- 「パソコン関連費」は、必要に応じて自分で追加する勘定科目
- 消費税区分は、ほとんどの場合で「課税」となる
- 事業で必要なパソコンなどの、購入代や修理費用などが当てはまる
- 特定科目が膨らむ場合や、PC関係の出費をまとめたければ追加する
- 10万円以上のものを購入したときは原則「減価償却」する
- 「減価償却」をする場合、数年にわたって経費計上することになる
「パソコン関連費」は決算書に記載されていませんが、必要に応じて追加できます。ただし、決算書に追加できる科目数には限りがあるので、パソコン関連の支出が少ないのであれば、他の科目で記帳しておくのがベターです。