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支払手数料とは – 具体例・仕訳方法・消費税区分など

更新日: 2024/08/01
支払手数料とは – 具体例・仕訳方法・消費税区分など

個人事業主向けに「支払手数料」の勘定科目について解説します。よくある具体例を用いて、わかりやすい仕訳例などを紹介しています。

INDEX

目次

    支払手数料とは

    任意で追加する勘定科目の例 - 収支内訳書・青色申告決算書にない科目

    >> 決算書に載っていない勘定科目の使い方

    「支払手数料」は、任意で追加する勘定科目のひとつです。収支内訳書や青色申告決算書には記載されていませんが、下記のような費用を経費計上する際に使えます。

    具体例 消費税区分
    • 銀行など金融機関の振込手数料
    • コンビニ決済手数料
    • 代引き手数料
    • 決済代行会社に支払うシステム利用料
    • フランチャイズ加盟手数料
    • ネットショップの出店費用
    • 事務所を借りる際に不動産会社へ支払う仲介手数料
    • 税理士・弁護士・社労士などに支払う報酬や相談料
    課税
    • 収入印紙や証明書の発行手数料(国や自治体に支払うもの)
    • 信販会社に支払うクレジットカード売上手数料
    非課税
    • 海外送金手数料
    不課税

    事業で生じる手数料の消費税区分は「課税」であることが多いです。ただ、一部は「非課税」や「不課税」の場合もあるので注意しましょう。(消費税の納付義務がない「免税事業者」は気にしなくてよい)

    なお、収入印紙や証明書の発行手数料は「租税公課」で記帳するのが一般的です。また、利子や利息などの金利手数料は「利子割引料」の勘定科目で記帳します。

    仕訳例① 銀行の振込手数料

    • 商品を3万円で仕入れた
    • 代金は事業用口座から振り込んだ
    • その際、振込手数料として110円かかった

    銀行振込の手数料を「支払手数料」で記帳すると、以下のようになります。

    複式簿記の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月10日 仕入 30,000 普通預金 30,110 商品Aの仕入れ
    支払手数料 110 銀行振込手数料

    複式簿記」で帳簿づけするのは、55万円・65万円の青色申告特別控除をねらう場合です。それ以外は「単式簿記」による帳簿づけで構いません。

    会計ソフトでの記帳例

    「仕入」の記帳 「支払手数料」の記帳
    仕入の記帳例(やよいの白色申告オンライン) 支払手数料の記帳例(やよいの白色申告オンライン)

    やよいの白色申告 オンライン

    こちらはクラウド会計ソフト「やよいの白色申告 オンライン」による入力例です。会計初心者でも簡単に帳簿づけができます。

    仕訳例② 税理士への支払報酬

    • 顧問税理士に5月分の報酬13,000円を支払った
    • 報酬は事業用口座から自動引き落としで支払った

    顧問税理士に支払う報酬を「支払手数料」の科目で必要経費に計上します。

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年6月15日 支払手数料 13,000 普通預金 13,000 税理士報酬(5月分)

    源泉徴収をする場合の仕訳例

    源泉徴収をする場合、源泉徴収分の金額は「預り金」の科目で記帳します。税理士への報酬が100万円以下なら、税率は10.21%です。(下記の例では「13,000円 × 10.21% = 1,327円」)

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年6月15日 支払手数料 13,000 普通預金 11,673 税理士報酬(5月分)
    預り金 1,327 源泉所得税

    >> 源泉徴収税額の計算シミュレーションはこちら

    なお、従業員を雇っていなければ、税理士の報酬について源泉徴収をする必要はありません。
    個人事業主の源泉徴収義務について

    仕訳例③ カード売上の手数料

    • 5月30日、4万円の商品をクレジットカード決済で店頭販売した
    • 売上金は、6月15日に入金された
    • カード売上の手数料は5%(4万円 × 5% = 2,000円)

    まず、クレジットカードによる売上を借方に「売掛金」の勘定科目で記帳します。実際にお金を受け取っていなくても、商品を引き渡した段階で貸方は「売上」に計上します(実現主義)。

    売上時の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月30日 売掛金 40,000 売上 40,000 商品Aの売上
    (カード売上)

    そして、信販会社から売上の入金があった日付で、以下のように振り替えます(上記のほかに売上はなかったものとする)。カードの手数料として差し引かれた分は「支払手数料」で記帳します。

    売上入金時の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年6月15日 普通預金 38,000 売掛金 40,000 カード売上の入金
    (5月分)
    支払手数料 2,000 カード売上の手数料

    まとめ – 支払手数料のポイント

    支払手数料のポイントまとめ

    • 事業を営む上で支払った手数料は「支払手数料」で経費計上できる
    • 消費税区分は基本的に「課税」
    • 税理士などに支払う報酬も「支払手数料」でOK
    • 収入印紙や証明書の発行手数料は「支払手数料」「租税公課」どちらでもOK
    • 利子や利息などの金利手数料は「利子割引料

    「支払手数料」は、確定申告の決算書には記載がない勘定科目です。ただ、何かと手数料を支払う機会が多い事業者は、新たに設けておくとよいでしょう。なお、大手の会計ソフトにはデフォルトで備わっています。

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