消耗品費とは?具体例・仕訳例・雑費との区別など

更新日: 2020/09/30
消耗品費とは?具体例・仕訳例・雑費との区別など

「消耗品費」について、他の勘定科目との使い分けや、記帳の仕方をまとめました。主に、事務用品や備品の購入費用など、身の回りの細かな費用が「消耗品費」に該当します。ただし、購入費用が10万円以上の場合は、原則として「減価償却」が必要です。

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目次

    消耗品費とは?

    10万円未満の事務用品や備品、電子機器などを購入する場合、その費用は「消耗品費」として仕訳をします。消費税区分は「課税」です。文房具や日用品、パソコン周辺機器に加え、ソフトウェアの使用料やコピー代金など、様々なものが該当します。

    ただし「取得価額」が10万円以上の場合は「減価償却」が必要になり、単純には経費計上できません。「取得価額」とは、ざっくり言うと「本体価格+購入にかかる費用」のことです。(詳細は後述)

    消耗品費の具体例

    事務用品 器具・備品 日用品 その他
    ・筆記用具
    ・ノート
    ・ファイル
    ・コピー用紙
    ・インクやトナー
    ・領収書や請求書
    ・封筒
    ・印鑑
    ・名刺
    ・パソコン
    ・キーボード
    ・マウス
    ・USBメモリ
    ・LANケーブル
    ・機械部品
    ・デスク
    ・椅子
    ・ロッカー
    ・蛍光灯や電球
    ・電池
    ・お茶やコーヒー
    ・食器
    ・洗剤
    ・ゴミ袋
    ・ティッシュ
    ・タオル
    ・植物
    ・ソフトウェア
    ・ライセンス料
    ・クラウド会計ソフトの利用料
    ・コピー代金
    ・ガソリン代

    例を挙げればキリがありませんが、上記のようなものを購入する費用は「消耗品費」として経費に計上できます。ただし、一部は他の勘定科目でも仕訳できます。

    混同しやすい勘定科目 – 雑費・事務用品費など

    「消耗品費」に該当する費用の多くは、他の勘定科目でも仕訳できます。「これは消耗品費?」と判断に迷う場合も、帳簿の付け方に一貫性があれば、基本的にはどの勘定科目を使っても問題ありません。

    費用(購入費用) 使える勘定科目
    • 筆記用具
    • ノート
    • ファイル
    事務用品費
    • 封筒
    通信費
    • 蛍光灯や電球
    • 機械部品
    修繕費
    • ガソリン代
    旅費交通費

    一貫性のある帳簿づけとは、つまり「いちど消耗品費で仕訳した費用は、その後もずっと消耗品費で仕訳する」ということ。年をまたいでも、この一貫性を保ちましょう。こうしたルールが守れていれば、上記のような費用にはどちらの勘定科目を使ってもOKです。

    「事務用品費」はわざわざ使わなくてOK

    「事務用品費」の勘定科目は、決算書に記載がありませんが、文房具などの購入費用を仕訳する際にしばしば使われます。しかし、一般的な個人事業の場合、事務用品の購入費用はそこまで大きくならないため、わざわざ「消耗品費」と区別する必要はありません。

    「雑費」はできるだけ使わない

    雑費」の勘定科目は、どの勘定科目にも当てはまらない場合に使います。該当するのはクリーニング代やゴミの処理費用など、少額かつ利用頻度の低いもの。「雑費」を多用すると会計の内容が不明瞭になるため、使用はできるだけ避けましょう。

    仕訳例① 消耗品費の基本的な記帳例

    たとえば、書類を整理するためのファイル(2,000円分)を現金で購入した場合、複式簿記では以下のように仕訳します。

    複式簿記の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月18日 消耗品費 2,000 現金 2,000 ファイル

    なお、複式簿記は65万円・55万円の「青色申告特別控除」を受けるために必要な記帳方法です。単式簿記の場合は以下のように記帳すればOKです。

    単式簿記の記帳例

    日付 消耗品費 摘要
    20XX年5月18日 2,000 ファイル

    経費にできるのは使った分だけ – 年末のまとめ買いは要注意!

    原則として、その年の経費にできるのは「その年に使った分」の購入費用だけ。年末にまとめ買いした場合などは「貯蔵品」の勘定科目を使い、「使わなかった分」が翌年以降の経費になるよう処理しましょう。

    消耗品費と貯蔵品の分け方

    ただし、以下2点の両方にあてはまる消耗品は、購入した日付で全額を「消耗品費」として経費計上して問題ありません。

    • 毎年、おおよそ一定の量を購入するもの
    • 毎年、継続的に消費するもの

    上記に当てはまらないものは注意が必要です。例えば、年末の特別セールで備品をまとめ買いした場合。この場合、税金を減らすための所得操作だと思われないよう、原則に従って「年内に使った分」だけを経費に計上しましょう。

    仕訳例② 年末にまとめ買いをした場合の記帳例

    年末などに備品のまとめ買いをして、年内に使い切らなそうな場合は、購入時にその費用を「貯蔵品」として資産に計上しておきます。そして、使ったタイミングでひとつずつ「消耗品費」に振り替えていけばOK。これで、使った分だけをその年の経費にできます。

    たとえば、年末のセールでプリンター用のインクカートリッジ30個(3万円)をまとめ買いした場合。年内で使い切れなそうなので、購入時点では以下のように記帳します。

    【購入時】購入費用を「貯蔵品」に計上する

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年12月20日 貯蔵品 30,000 現金 30,000 インクカートリッジ

    その後、実際に使ったタイミングで、使った分だけ「貯蔵品」から「消耗品費」へ振り替えます。なお、以下は購入の翌日にひとつだけ(単価1,000円)使用した場合の記帳例です。

    【使用時】「貯蔵品」から「消耗品費」に振り替える

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年12月21日 消耗品費 1,000 貯蔵品 1,000 インクカートリッジ

    翌年以降も、使ったタイミングで上記のように繰り返し記帳していきましょう。

    上記が正しい記帳方法です。ただ、少額でよく使うものを消費するたびに帳簿づけするのは面倒ですよね。そのような場合、その年に使った分をカウントしておいて、年末にまとめて振替仕訳をする方法でも大丈夫です。その場合は、以下のように仕訳します。

    【まとめて振替】その年に使った分を年末に振り替える

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年12月31日 消耗品費 3,000 貯蔵品 3,000 インクカートリッジ

    本例は、一年のうちに3つのインクカートリッジを使った場合です。要するに、その年に使用した分だけを、正しく経費に計上できていれば問題ありません。

    減価償却が必要になる基準 – 10万円以上のものを買ったら

    事業用の備品などを購入した際、その「取得価額」が10万円以上なら「減価償却」が必要です。「取得価額」とは、ざっくり言うと「本体価格+購入にかかる費用」のこと。10万円以上の場合、購入時に「消耗品費」の勘定科目で経費計上するのはNGです。

    • 取得価額が10万円未満……購入時に全額を経費計上する
    • 取得価額が10万円以上……購入時は資産に計上して、あとで「減価償却」をする

    ちなみに、取得価額が10万円以上でも「使用可能な期間」が1年未満なら「消耗品費」として経費に計上できます。摩耗の激しい高価な機械部品などがこれに当たります。とはいえ、該当するものは非常に少ないため、こちらの条件はあまり気にしなくてOKです。

    取得価額とは?

    「取得価額」とは、単純に購入した「値段」のことではありません。本体価格だけでなく、購入にかかった送料や手数料などを含めた合計金額を指します。購入にかかった費用の合計が10万円以上なら「減価償却」が必要になるということです。

    取得価額はセットで考える

    「応接セット」や「パソコン本体とディスプレイやキーボード」など、セットで使うものを購入した場合は、それらの購入費用の合計を取得価額とみなします。つまり、5万円の椅子でも7万円のテーブルとセットなら「消耗品費」には計上できません。
    >> 消耗品費と減価償却費の違い

    まとめ – 消耗品費の重要ポイントと具体例

    「取得価額」が10万円未満の事務用品や備品などを買ったら、その費用は「消耗品費」として経費計上します。「取得価額」とは、ざっくり言うと「本体価格+送料や手数料など」のこと。セットで使うものを買う場合は、購入費用の合計を「取得価額」とします。

    消耗品費の重要ポイント

    • 「取得価額」が10万円未満なら「消耗品費」として経費計上できる
    • 「取得価額」が10万円以上なら「減価償却」が必要
    • 「減価償却」が必要な場合は、購入時に経費計上できない
    • 「消耗品費」に該当しそうなら、できるだけ「雑費」の勘定科目は使わない
    • 大抵の場合「事務用品費」と「消耗品費」の勘定科目を区別する必要は無い
    • 原則として、経費に計上できるのは「その年に使った分」だけ
    • 年内で使い切らない数をまとめ買いをしたら、一旦「貯蔵品」として資産に計上する
    • その後、使った個数分だけ「貯蔵品」から「消耗品費」へ振り替えていく

    年内に使い切らない場合でも、毎年「おおよそ一定の量を購入するもの」で「継続的に消費するもの」であれば、購入した日付で「消耗品費」に計上してOK。例年にないまとめ買いなどをした場合のみ、「貯蔵品」の勘定科目を使って処理しましょう。

    消耗品費の具体例

    事務用品 器具・備品 日用品 その他
    • 筆記用具
    • ノート
    • ファイル
    • コピー用紙
    • インク、トナー
    • 領収書、請求書
    • 封筒
    • 印鑑
    • 名刺
    • パソコン
    • キーボード
    • マウス
    • USBメモリ
    • LANケーブル
    • 機械部品
    • デスク
    • 椅子
    • ロッカー
    • 蛍光灯、電球
    • 電池
    • お茶、コーヒー
    • 食器
    • 洗剤
    • ゴミ袋
    • ティッシュ
    • タオル
    • 植物
    • ソフトウェア
    • ライセンス料
    • クラウド会計ソフトの利用料
    • コピー代金
    • ガソリン代

    上記に該当するものでも「取得価額」が10万円以上なら「減価償却」が必要になります。その場合、「消耗品費」としての経費計上はできません。ルールに従って、毎年少しずつ経費に計上していきます。