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水道光熱費 – 按分例・仕訳方法・記帳タイミングなど

更新日: 2021/07/08
水道光熱費 – 按分例・仕訳方法・記帳タイミングなど

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目次

    水道光熱費とは?

    事業にかかる水道代・電気代・ガス代・暖房灯油代などは、「水道光熱費」という勘定科目で経費に計上できます。ただし、自宅とオフィスを兼ねている場合は、そのすべてを経費計上できるわけではありません。

    個人事業主の水道光熱費

    自宅とは別に事務所がある場合 自宅兼事務所(SOHO*)の場合
    事務所で発生する費用をすべて経費計上できる 費用のうち、事業分だけを経費計上できる

    *自宅兼事務所のことを「SOHO(ソーホー)」とも呼ぶ。Small Office Home Officeの略

    水道代や電気代は「請求」と「支払い」のタイミングがずれることが多いので、記帳の日付に迷うこともあるでしょう。結論から言うと、毎月の水道光熱費は基本的に「支払った日付」で記帳すればOKです。(詳細は後述)

    自宅兼事務所の水道光熱費 -「家事按分」が必要!

    事業とプライベートの両方にまたがる支出について、「事業で使った分」と「プライベートで使った分」に分ける処理を家事按分といいます。家事按分は、適切な「按分比率」にもとづいて行わなくてはなりません。

    たとえば、下図のような自宅兼事務所では、電気代の30%を経費計上するのが妥当です。(この場合、按分比率は「30%」ということ)

    按分比率の例 – 床面積100㎡の自宅兼事務所の場合

    使用面積で按分比率を設定する(地代家賃)

    なお、按分比率は必ずしも床面積に基づいて決定するわけではありません。合理的な根拠として示せるなら「時間」や「電源の数」などを基準にしてもOKです。

    按分比率の考え方(代表的な例)

    水道代・電気代・ガス代の3つについて、按分比率の一般的な考え方を紹介します。

    水道代の按分比率

    一般的な自宅兼事務所なら、事業用だとハッキリ言える水道代は来客用のお手洗いぐらいです。したがって、按分比率は低め(数%~20%程度)におさえるべきです。ただ、飲食店のように、50%を超えても不自然でないケースもあります。

    業種別 水道代の按分比率の例【水道光熱費】

    電気代の按分比率

    電気代の按分比率は、業務時間や床面積などで考えるのが一般的です。たとえば、電気を使う時間が一日あたり合計12時間だとして、そのうち6時間を事業に費やしている場合、按分比率は50%となります。

    時間の占める割合で按分する電気代の例【水道光熱費】

    ガス代の按分比率

    一般的なフリーランスの仕事では、事業用途でガス代を使うことはそうないでしょう。ただ、ストーブや床暖房などのガス代について「冬季だけ家事按分をする」という選択肢もあります。

    季節ごとのガス代の按分比率の例

    水道光熱費の仕訳例

    事業用の銀行口座から、事務所の水道代が引き落とされたときの記帳例を紹介します。まずは「複式簿記」の仕訳例です。

    複式簿記の記帳例

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月16日 水道光熱費 3,000 普通預金 3,000 事務所の水道代

    55万円・65万円の青色申告特別控除を受けるには、複式簿記で帳簿づけする必要があります。白色申告や、青色申告10万円控除の事業者は「単式簿記」で構いません。

    単式簿記の記帳例

    日付 水道光熱費 摘要
    20XX年5月16日 3,000 事務所の水道代

    複式簿記と単式簿記の違いについて詳しく

    【詳説】帳簿づけの日付について

    水道代や電気代の記帳方法は、下記の2パターンに大別できます。記帳方法が統一されていれば、基本的にはどちらの方法を選んでもOKです。

    1. 「支払日」にだけ記帳する方法 ←実務的にはコチラがおすすめ
    2. 「検針日」と「支払日」の両方で記帳する方法 ←原則的な方法

    先ほど説明した仕訳例は、上記①の方法です。毎月の水道光熱費が大きく増減しない限り、こちらの方法で問題ありません。

    もし②の方法を選択するなら、以下のように記帳しましょう。

    【仕訳例】原則的な記帳方法を選択する場合

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月20日 水道光熱費 90,000 未払金 90,000 〇〇ガス ガス代
    (請求)
    20XX年6月15日 未払金 90,000 普通預金 90,000 〇〇ガス ガス代
    (引落し)

    この場合、まず検針日の日付で「水道光熱費」を計上します。このとき、貸方は「未払金」という負債の勘定科目にしておきます。そして、引落日に「未払金」を消し込むという流れです。

    まとめ

    100%事業用途で利用する水道代や電気代については、全額を「水道光熱費」として経費計上できます。SOHOの個人事業主など、「プライベートで使った分」と「事業で使った分」が混ざっている場合は、家事按分によって部分的に経費計上しましょう。

    水道光熱費の重要ポイント

    • 水道代や電気代などは「水道光熱費」の勘定科目で経費計上する
    • 店舗など、事業用なら全額経費にしてよい
    • 自宅兼事業所でも「事業で使った分」を区別できれば家事按分する
    • 電気代は按分できるケースが比較的多い
    • 水道代とガス代は按分できても比率が低くなりがち
    • 仕訳の日付は基本的に支払日でOK(毎月の支払額があまり変わらない場合)

    自宅兼事務所で、水道代や電気代を家事按分する際は、「事業で使った分」を合理的に算出できるかどうかがキモになります。万一税務調査が入った場合にも対応できるよう、明確な根拠を用意しておきましょう。