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キャッシュレス決済の仕訳入門 – チャージ・後払い・即時払い

更新日: 2024/08/05
キャッシュレス決済の仕訳入門 – チャージ・後払い・即時払い

キャッシュレスで経費を支払ったときの記帳方法を、個人事業主向けにわかりやすく解説します。SuicaやPayPay、クレジットカードなどの様々な支払い方法について、基本的な考え方や仕訳例をまとめています。

INDEX

目次

    キャッシュレス決済の3パターン

    本記事では、キャッシュレス決済を下記の3種類に分けて、それぞれの原則的な記帳方法を説明していきます。

    チャージ式 まずお金をチャージし、その残高から支払っていく方法
    例:Suica、楽天Edy、PayPayの「残高払い」
    後払い式 商品やサービスを購入した後に代金が引き落とされる方法
    例:クレジットカード、口座振替、PayPayの「クレジットカード払い」
    即時払い式 支払いと同時に口座から代金が引き落とされる方法
    例:デビットカード、預金口座からの振込

    同じキャッシュレス決済でも、使い方によって決済方法が異なるので注意しましょう。たとえば「PayPay」では、チャージ式の「残高払い」と、後払い式の「クレジットカード払い」を選択でき、これらは記帳方法が異なります。

    ① チャージ式の記帳例

    代表例
    • Suica、PASMO
    • 楽天Edy
    • PayPayの「PayPay残高払い」
    • 楽天ペイの「楽天キャッシュ残高払い」
    • iD、QUICPay (プリペイドカードと連携させた場合)

    まず電子マネーやアプリにチャージし、その残高から支払っていく決済方法では、以下のように記帳するのが基本です。

    取引時

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月10日 前払金 20,000 現金 20,000 Suica チャージ

    支払い時

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月11日 旅費交通費 550 前払金 550 A社打ち合わせ


    20XX年5月12日 消耗品費 1,000 前払金 1,000 コピー用紙


    • 原則としては「チャージ時」と「支払い時」の両方で記帳する
    • チャージ時には、チャージした金額を「前払金」の科目で資産に計上する
    • 支払い時には、前払金を経費へ振り替える

    なお、簿記を理解している人向けの、簡略化した記帳方法もあります。詳しくは下記の記事を参考にしてください。

    チャージ式決済の記帳方法を詳しく

    ② 後払い式の記帳例

    代表例
    • クレジットカード
    • 口座振替
    • PayPayの「クレジットカード払い」
    • d払いの「電話料金合算払い」、au PAYの「auかんたん決済」
    • iD、QUICPay (クレジットカードと連携させた場合)

    「後払い式」の場合、商品を購入した時点ではお金が動きません。代金は後日、銀行口座から引き落とされます。

    取引時

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月13日 広告宣伝費 10,000 未払金 10,000 チラシ代


    20XX年5月14日 接待交際費 3,300 未払金 3,300 Bさんと打ち合わせ


    引き落とし時

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年6月27日 未払金 13,300 普通預金 13,300 △△カード払い分
    4/21~5/20分
    • 原則として「取引時」と「引き落とし時」の両方で記帳する
    • 取引時には、商品やサービスの金額を「未払金」の科目で負債に計上する
    • 引き落とし時には、未払金の消し込みをする

    ただ、「取引時」に何も記帳しなかったとしても、税務上は問題ありません。期中であれば、代金の「引き落とし時」にまとめて経費計上すればOKです。以下の記事では、その簡易的な方法を紹介しています。

    後払い式決済の記帳方法を詳しく

    ③ 即時払い式の記帳例

    代表例
    • デビットカード
    • 預金口座からの振込
    • 楽天ペイの「楽天銀行口座払い」
    • ゆうちょPay
    • iD、QUICPay (デビットカードと連携させた場合)

    これらの決済方法では、支払い時に以下のように記帳するだけでOKです。

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月10日 消耗品費 1,000 普通預金 1,000 コピー用紙

    即時払い式の決済方法では、支払いと同時に、利用額が口座から引き落とされます。ですから、面倒な記帳は必要ありません。現金決済と同じ要領で帳簿づけしてOKです。

    まとめ

    キャッシュレス決済(電子マネー・QR決済アプリ・クレジットカードなど)は、以下の3パターンに分類できます。本記事では、それぞれの原則的な記帳方法を紹介してきました。

    記帳のタイミング 主な例
    チャージ式 チャージ時 & 支払い時
    (片方だけの簡易的な方法もある)
    • Suica、PASMO
    • 楽天Edy
    • PayPayの「PayPay残高払い」
    • 楽天ペイの「楽天キャッシュ残高払い」
    後払い式 取引時 & 引き落とし時
    (期中なら引き落とし時だけでもOK)
    • クレジットカード
    • 口座振替
    • PayPayの「クレジットカード払い」
    • d払いの「電話料金合算払い」
    即時払い式 支払い時のみ
    • デビットカード
    • 預金口座からの振込
    • 楽天ペイの「楽天銀行口座払い」
    • ゆうちょPay

    チャージ式・後払い式の帳簿づけについて、2回記帳するのが面倒な方は、下記の記事で簡易的な記帳方法をご参照ください。

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