副業で稼いでいる会社員向けに、アプリを使った帳簿の付け方をわかりやすく解説します。帳簿を作成していないと税金面で不利な扱いを受ける恐れがあるので、副業であっても帳簿は付けるものと思っておきましょう。
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目次
帳簿付けのツール – 無料の会計ソフトがおすすめ
帳簿付けは「クラウド会計ソフト」で行うのが一般的です。近年は、スマホアプリで手軽に記帳できる会計ソフトも増えています。会計ソフトを使えば、専門知識がなくてもミスが起きづらく、短い時間でラクに記帳できます。
会計ソフトと表計算ソフトの比較
会計ソフト | 表計算ソフト (エクセルなど) |
|
---|---|---|
帳簿付け | 簿記の知識不要 | 簿記の知識が必要 |
確定申告書類 の作成 |
帳簿データから 自動集計・転記できる |
基本、手入力 |
帳簿書類の保存 | 保存要件を ラクに満たせる |
自分で保存要件を 確認する必要あり |
メーカーによる サポート |
記帳方法などを メーカーに質問できる |
記帳に関する サポートなし |
費用 | 無料プランあり | プリインストール |
代表的なソフト | ・やよいの白色申告 オンライン ・やよいの青色申告 オンライン ・freee会計 ・マネーフォワード クラウド |
・Microsoft Excel ・Google スプレッドシート ・Numbers ・LibreOffice |
副業の場合は、永年無料で使える「やよいの白色申告 オンライン」という会計ソフトがおすすめです。直感的に操作できるので、初心者でも使いやすいです。専用のスマホアプリも無償提供されており、パソコンとスマホのどちらでも記帳できます。
副業サラリーマンのおすすめ会計ソフト【無料の帳簿付けアプリも】
ここからは「やよいの白色申告 オンライン」を例に、スマホアプリを使った帳簿の付け方を具体的に解説します。ほかの会計ソフトを使う場合でも、入力項目などはだいたい同じです。
① 売上や報酬の記帳
副業で売上や報酬が発生したら、スマホアプリで次のように記帳すればOKです。商品を引き渡した日付や、サービスを提供した日付で記帳するのが一般的です。
記帳方法 – 売上・報酬が生じたとき
科目選択 | 摘要の入力 | 金額の入力 |
---|---|---|
「やよいの白色申告 オンライン」のスマホアプリを使用
人によっては「売掛金」や「源泉徴収税」の処理も必要ですが、会計ソフトなら以下のようにタップするだけで簡単に処理できます。初心者でも操作に迷うことはないでしょう。
記帳方法 – 売掛金・源泉徴収税の入力
売掛金 | 源泉徴収税 | 確認画面 |
---|---|---|
「やよいの白色申告 オンライン」のスマホアプリを使用
源泉徴収税額の計算は地味に面倒なので、これを毎回自動で計算してくれるのは嬉しいポイントです(手動での金額変更も可能)。
② 必要経費の記帳
副業で経費が生じたら、そのレシートを専用アプリで撮影します。日々の作業はたったこれだけです。文字認識(OCR)により、日付や金額が自動的に読み取られます。
記帳方法 – 必要経費が生じたとき
カメラを起動 | レシート撮影 | 確認 |
---|---|---|
「やよいの白色申告 オンライン」のスマホアプリを使用
スマホで読み取ったデータは、パソコンを使って帳簿に反映させます(スマート取引取込)。複数のレシートを連続してパパッと処理できるので、パソコンでの作業は年に数回程度で済みます。
スマート取引取込 – 自動で取得したデータを帳簿に反映させる
「やよいの白色申告 オンライン」の操作画面
「スマート取引取込」では、レシートのデータに加え、銀行口座・クレジットカード・電子マネーなどの入出金データも自動取得できます。たとえば、モバイルSuicaで払った電車代の日付・金額・利用区間も自動で取り込めます。
③ 確定申告書類の作成
副業の確定申告では、主に「決算書」と「確定申告書」を作成します。会計ソフトで記帳していれば、それらの大部分を自動作成できます。
会計ソフト(アプリ)で確定申告書類を自動作成
「やよいの白色申告 オンライン」では、わかりやすいガイド文を見ながら確定申告書類を作成できます。手順をはっきり示してくれるので、初めての確定申告でも最短ルートで必要書類を作れます。
確定申告書類の作成
事業所得の確認 | 給与所得の入力 | プレビュー画面 |
---|---|---|
「やよいの白色申告 オンライン」の操作画面
ここでいう「事業所得」とは、副業の「収入 - 必要経費」のことです。大まかな収支は帳簿データから自動計算されるため、ここでは細かな最終調整のみ行います。
本業の「給与所得」については、会社から毎年配布される「源泉徴収票」を見ながら転記するだけです。転記する場所も丁寧に図解されているので、作業時間は5分もかからないでしょう。
青色申告への切り替えもスムーズ
「やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」は、弥生株式会社が提供する姉妹サービスです。使い方はまったく同じなので、青色申告への切り替えもスムーズに行えます。
- そもそも「青色申告」って何?
- 事業所得の確定申告は「白色申告」か「青色申告」の方式を選んで行う。青色申告を選ぶと、複式簿記による厳格な記帳や貸借対照表の提出などを求められる代わりに、様々な優遇措置を受けられる。青色申告対応の会計ソフトを使えば、複式簿記の帳簿や貸借対照表を簡単に作成できる。
青色申告の主なメリット・優遇される点
青色申告特別控除 | 最大65万円を所得から差し引ける |
---|---|
少額減価償却資産の特例 | 30万円未満の固定資産を単年で経費にできる |
専従者給与 | 家族への給与を全額経費にできる |
上記のなかでも、特筆すべきは「青色申告特別控除」です。この制度を利用するだけで、かなりの節税が見込めます。たとえば「給与所得300万円・事業所得100万円」ぐらいの規模感であれば、だいたい次のような計算になります。
「65万円の青色申告特別控除」でどのくらい節税できる?
白色申告の場合 | 青色申告の場合 | |
---|---|---|
事業所得 | 100万円 | 100万円 - 65万円 = 35万円 |
税率 (所得税+住民税) |
20% | 20% |
事業所得にかかる税金 | 100万円 × 20% = 20万円 |
35万円 × 20% = 7万円 |
※ わかりやすくするため、計算を単純化しています
詳しい計算は割愛していますが、単純計算で「13万円」もの節税となっています。本業・副業の稼ぎによってはもっと税率が高い人もいるでしょうが、その場合はさらに節税額が増えます。
「やよいの青色申告 オンライン」は基本有料ですが、年間1万円程度で利用できます。節税が見込める人は、ぜひ青色申告も検討してみましょう。
まとめ – 副業におすすめの会計ソフト
副業の帳簿付けには、弥生のクラウド会計ソフトがオススメです。経理や簿記の知識がなくても、家計簿のような感覚で手軽に記帳できます。スマホアプリも無料で使えます。
「やよいの白色申告/青色申告 オンライン」- 料金プラン
やよいの白色申告 オンライン | やよいの青色申告 オンライン | ||
---|---|---|---|
料金 (税込) |
基本機能 | フリープラン 永年無料 |
セルフプラン 11,330円/年 初年度は無料 |
基本機能 + サポート |
ベーシックプラン 12,650円/年 初年度は無料 |
ベーシックプラン 18,975円/年 初年度は無料 |
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基本機能 + サポート + 業務相談 |
トータルプラン 23,100円/年 初年度は半額 |
トータルプラン 33,000円/年 初年度は半額 |
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基本機能 | 帳簿作成・確定申告書類の作成など (全プラン共通) |
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サポート | 操作方法など、製品に関する質問 (ベーシックプラン・トータルプランのみ) |
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業務相談 初心者におすすめ! |
帳簿付け・確定申告・経理・労務などの業務相談 (トータルプランのみ) |
副業を始めたばかりの初心者は、業務相談つきの「トータルプラン」を選んでおけば間違いありません。初年度は半額で利用できるので、この半額期間を賢く利用し、帳簿の付け方と確定申告をマスターしておきましょう。
2年目以降、帳簿付けに慣れてきたら「フリープラン」や「セルフプラン」に切り替えてもよいでしょう。もし副業が軌道に乗り、専業の個人事業主として独立開業することになっても、プラン変更等は不要でそのまま同じソフトを使い続けられます。