帳簿の保存期間と保存方法まとめ【白色申告・青色申告】

更新日: 2020/08/24
帳簿の保存期間と保存方法まとめ【白色申告・青色申告】

確定申告が終わったあとも、帳簿やその他の書類などは一定の期間保存しておく義務があります。保存期間は7年間(一部は5年間)。帳簿の種類や申告方法ごとに定められています。

INDEX

目次

    帳簿の保存義務について

    事業主には、帳簿の作成が義務付けられています。帳簿は提出するわけではありませんが、領収書などとともに一定の期間保存しておくよう法律で定められています。帳簿が手元にない状態で税務調査が入ったら、必要以上に税金を取られてしまう可能性もあるので、申告内容の裏付けとして必ず保存しておきましょう。

    帳簿をもとに確定申告書を作成し、税務署に提出する

    保存期間は、帳簿等の種類に応じて7年間または5年間。帳簿やその他の書類は年度分ごとにまとめて、念のため7年間保存しておけば安心です。

    ちなみに2013年までは、事業所得などの合計が300万円以下であれば、帳簿の作成義務はありませんでした。しかし2014年からは、所得の低い申告者であっても帳簿の作成や保存が義務化されました。

    保存期間の数え方

    帳簿の保存期間は、確定申告期限日の翌日から数えます。

    帳簿類の保存期間【個人事業の証憑書類】

    たとえば、2019年分(2019年1月1日~12月31日)の仕訳帳は、2020年4月17日から数えて7年間保存しておくことになります。

    帳簿の保存期間 – 白色申告の場合

    白色申告で作成する帳簿は、単式簿記で記帳された「法定帳簿」のみ。収入や必要経費など、必要事項がきちんと記帳されていれば、記帳形式は自由です。

    帳簿・書類 具体例 保存期間
    法定帳簿 収入金額や必要経費を記載した帳簿 7年
    任意帳簿 売掛帳、買掛帳、固定資産台帳など 5年
    その他の書類 領収書、請求書、納品書など

    記帳が済んだ分の領収書や請求書なども5年間の保存義務があります。うっかり捨ててしまわないように注意しましょう。

    なお、法定帳簿は、収入や必要経費を記録した帳簿のことを指します。任意帳簿は、法定帳簿以外に必要に応じて任意で作成した帳簿のことをいいます。
    >> 白色申告の帳簿づけについて詳しく

    帳簿の保存期間 – 青色申告の場合

    青色申告で55万円・65万円控除を受けるには、複式簿記で記帳する必要があります。青色申告でも10万円の特別控除を受ける場合は、単式簿記でOK。10万円控除の場合は、仕訳帳や総勘定元帳などは作成しなくて構いません。
    >> 具体例で解説する簿記入門 – 青色申告で必要な複式簿記

    帳簿・書類 具体例 保存期間
    帳簿 仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、固定資産台帳、経費帳など 7年
    決算関係書類 貸借対照表、損益計算書、棚卸表など
    現金預金取引等の
    関係書類
    領収書、請求書、預金通帳など 7年(※)
    その他の書類 見積書、注文書、納品書など 5年

    ※前々年分の所得が300万円以下の場合は5年

    青色申告では、領収書なども7年間の保存が義務付けられています(前々年分の所得が300万円を超える場合)。なお、青色申告決算書や確定申告書の控えには保存義務がありませんが、これらについても保管しておくことをおすすめします。
    >> 青色申告の帳簿づけについて詳しく

    帳簿の保存方法について

    帳簿やその他の書類などは、紙による保存が原則です。パソコンなどで帳簿づけをしている場合はプリントアウトしておく必要があります。紙の状態であれば、保存形式に規定はありません。

    帳簿や領収書の保存方法

    領収書など

    領収書やレシートなどは、日付順にノートに貼り付けたり、月ごとに封筒にまとめたりなどして保存しておくのが一般的です。出金伝票なども一緒に保管しておきましょう。

    請求書や納品書、見積書など

    請求書や納品書、見積書などは、月ごとや取引先ごとに整理して保存しておきましょう。ファイルやバインダーなどで保存しておくと、後から探しやすくて便利です。

    会計ソフトで帳簿づけしても電子帳簿保存にならない

    事前に申請を済ませ、税務署から許可がおりれば、 帳簿類の電子データ保存も可能です。電子帳簿保存法 – 国税庁)ただ、電子帳簿保存法の要件は非常に複雑なので、現時点ではあまり普及していません。
    >> 電子帳簿保存がまだまだ個人事業主におすすめできない理由

    注意したいのは、会計ソフトで単に帳簿入力した状態では、電子帳簿保存として認められないということ(freeeなど一部ソフトの機能を除く)。会計ソフトで作成した帳簿類でもプリントアウトするなどして、紙の状態で保存しておくのが原則です。

    なお、2020年分の確定申告からは、青色申告65万円控除の要件に「電子帳簿保存」または「e-Taxによる電子申告を行っていること」という内容が追加されます。
    >> 青色申告特別控除の変更点(2021年に行う確定申告から)

    保存しなかった場合はどうなる?

    帳簿を保存していない場合、「所得税を算出した根拠を証明するものがない!」という扱いになってしまいます。

    そのため、もし帳簿が手元にない状態で税務調査が入ったら、税務署側に有利な解釈によって納税額を決められてしまう可能性も(推計課税)。青色申告者であれば、特別控除や赤字の繰り越しなどの、青色申告の優遇措置も取り消されてしまいます。

    帳簿類を保存していない場合は追徴課税の可能性も

    帳簿だけでなく領収書類なども、不用意に捨ててしまわないように注意しましょう。

    まとめ – 帳簿の保存期間と保存方法

    「帳簿やその他の書類などは、まとめて7年間保存すればOK」と覚えておけば問題ありません。帳簿やその他の書類(領収書など)の保存期間は、最長で7年間。一部のものは5年間です。保存期間は書類ごとに定められており、白色申告と青色申告でも異なります。

    帳簿の保存期間まとめ

    白色申告 青色申告 保存期間
    • 法定帳簿
      (収入金額や必要経費を記載した帳簿)
    • 帳簿
      (仕訳帳や総勘定元帳など)
    • 決算関係書類
      (貸借対照表や損益計算書など)
    • 現金預金取引等の関係書類※
      (領収書や預金通帳など)
    7年
    • 任意帳簿
      (任意で作った売掛帳など)
    • その他の書類
      (帳簿の作成に伴う領収書など)
    • その他の書類
      (見積書や納品書など)
    5年

    ※前々年分の所得が300万円以下の場合は5年

    保存期間は、確定申告の期限日の翌日から数えます。帳簿は確定申告の内容を裏付ける証拠となるので、大切に保管しておきましょう。