個人事業主に最高30万円・法人に最高60万円が給付される「一時支援金」の記帳方法・記帳例をまとめました。「持続化給付金」などの給付金と同じで、「雑収入」の科目を用いて帳簿づけします。
INDEX
目次
一時支援金の記帳例
「一時支援金」や「月次支援金」が事業用の口座に振り込まれたら、「雑収入」で帳簿づけします。
複式簿記の仕訳例(青色申告55万円控除 or 65万円控除)
日付 | 借方 | 貸方 | 摘要 |
---|---|---|---|
2021年4月15日 | 普通預金 300,000 | 雑収入 300,000 | 一時支援金 |
単式簿記の記帳例(白色申告 or 青色申告10万円控除)
日付 | 雑収入 | 摘要 |
---|---|---|
2021年4月15日 | 300,000 | 一時支援金 |
「一時支援金」は所得税の課税対象になるので「雑収入」として記帳します。一方、消費税の税区分は「不課税」です。消費税の課税事業者は注意しましょう。
青色申告で55万円控除・65万円控除を受けるには「複式簿記」で帳簿づけする必要があります。白色申告か、青色申告でも10万円控除でよい場合は「単式簿記」で構いません。>> 単式簿記と複式簿記の違い
会計ソフトの入力例
会計ソフトで帳簿づけをしている人のために、「やよいの青色申告 オンライン」「freee」「マネーフォワード クラウド確定申告」の入力例を用意しました。なお、事業者設定は、すべて免税事業者(消費税を納付しない事業者)としています。
「やよいの青色申告 オンライン」での記帳例
上図は「やよいの青色申告 オンライン」の「かんたん取引入力」画面です。摘要欄に「一時支援金」と入力しておきましょう。
「freee」での記帳例
「freee」の入力画面には摘要の欄がないので、備考欄に「一時支援金」と入力しておきましょう。
freeeの場合、通常の入力画面では、自動的に「課税売上10%」の税区分が適用されてしまいます。特に課税事業者は、詳細登録の画面から「不課税」を選択して登録しましょう。
「マネーフォワード クラウド確定申告」での記帳例(簡単入力)
上の画面は「マネーフォワード クラウド確定申告」の「簡単入力」です。「振替伝票入力」では、下のように記入します。
「マネーフォワード クラウド確定申告」の場合(振替伝票入力)
帳簿づけのポイントまとめ
課税対象となる給付金を受け取ったら、必ず帳簿づけをします。記帳の際は、以下のような点に気をつけましょう。
- 所得区分は「事業所得」
- 入金されたら「雑収入」の科目で記帳
- 帳簿の日付は「入金された日付」でOK
- 消費税区分は「不課税」
確定申告で提出する書類には、下記の箇所に「雑収入」の記入欄が設けられています。「一時支援金」のほかにも、雑収入となる収入を得ていれば、その合計額をここに記入します。
白色申告 | 青色申告 |
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収支内訳書の1ページ目 | 青色申告決算書の2ページ目 |
給付金を受け取ったときの決算書の記入方法
新型コロナ感染症に関連する給付金の多くは、所得税の「課税」対象です。ただし、給付金の名がついていても、法律によって「非課税」とされているものもあります(例:特別定額給付金)。