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個人事業税を納付した時の帳簿づけ – 租税公課の科目で経費計上

更新日: 2021/07/19
個人事業税を納付した時の帳簿づけ – 租税公課の科目で経費計上

INDEX

目次

    「租税公課」の勘定科目で記帳する

    個人事業税は、全額を必要経費に計上できます。実際に納付した日付で、「租税公課」の科目で経費計上しましょう。消費税区分は「不課税」です。

    個人事業税を経費計上するタイミング

    納付額は、自治体から届くお知らせに記載されています。納付が不要な個人事業主には、そもそもお知らせが届きません。

    代表的な納付方法(タップで仕訳例へジャンプします)

    本記事では、上記3つの納付方法を例に、納付時の仕訳例を紹介します。

    仕訳例① 現金納付

    個人事業税は、コンビニや役所の窓口で現金納付できます。以下は、8月分と11月分で、10万円ずつ納付した場合の仕訳例です。

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年8月26日 租税公課 100,000 現金 100,000 個人事業税 納付


    20XX年11月22日 租税公課 100,000 現金 100,000 個人事業税 納付

    このように、実際に納付した日付で経費計上します。なお、領収印つきの領収証書をもらったら、他の帳簿書類と同じように5年~7年保管しておきましょう。
    帳簿書類の保存期間について

    会計ソフトの記帳例

    個人事業税の記帳例 - 現金納付

    ※ 画面は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

    租税公課」は、確定申告で提出する収支内訳書青色申告決算書に、デフォルトで備わっている科目です。なので、どの会計ソフトでもデフォルトで選択できます。

    仕訳例② 口座振替

    事前に口座振替を申し込むと、8月末・11月末に個人事業税が自動的に引き落とされます。申し込みの手続きは、最初の1回だけでOKです。自治体によっては、ネットからも申し込めます。

    事業用口座から8月分・11月分が10万円ずつ引き落とされたとします。その場合は、実際に引き落とされた日付で、下記のように記帳します。

    事業用の口座から引き落とされた場合

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年8月31日 租税公課 100,000 普通預金 100,000 個人事業税 納付


    20XX年11月30日 租税公課 100,000 普通預金 100,000 個人事業税 納付

    「Pay-easy(ペイジー)」を利用してインターネットバンキングから納付した場合も、上記と同様に仕訳しましょう。

    プライベート用の口座から納付した場合

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年8月31日 租税公課 100,000 事業主借 100,000 個人事業税 納付


    20XX年11月30日 租税公課 100,000 事業主借 100,000 個人事業税 納付

    プライベート用口座から納付した場合は、上記のように仕訳します。「事業主借」は、簡単にいうと「プライベートのお金を事業に使いました」という意味の科目です。

    ちなみに「事業用」と「プライベート用」の口座を分けていない人も、このように「事業主借」の科目で仕訳すればOKです。
    事業主貸・事業主借とは?

    仕訳例③ クレジットカード納付

    地域によっては、クレジットカードでも個人事業税を納付できます。この場合は決済手数料を支払いますが、それも必要経費に計上できます。個人事業税の消費税区分は「不課税」で、手数料の部分のみ「課税」です。

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年8月15日 租税公課 100,000 普通預金 100,800 個人事業税 納付
    ○○カード
    支払手数料 800 クレジットカード納付
    決済手数料

    上記は、8月分の個人事業税10万円をクレジットカードで納付し、決済手数料として800円(税込)を負担した場合の仕訳例です。これは簡易的な仕訳ですが、税務上はこの処理で問題ありません。
    クレジットカード決済時の詳しい仕訳例はこちら

    ちなみに、カードの種類によってはポイントがたまる場合があります。基本的にはポイント使用時のみ仕訳すればよいので、ポイント獲得時はひとまず仕訳不要です。

    原則的な仕訳例

    日付 借方 貸方 摘要
    2021年11月28日 租税公課 100,000 未払金 100,800 個人事業税 納付
    
○○カード
    支払手数料 800 クレジットカード納付
    決済手数料


    2022年1月10日 未払金 100,800 普通預金 100,800 ○○カード
    引き落とし

    11月分に関しては、引き落とし日が翌年になるケースも多いです。その場合は、上記のように記帳しましょう。そうしないと、正しい「貸借対照表」が作成できません。

    「未払金」は、負債の勘定科目です。つまり、カードの引き落とし日までは、カード会社に対して借金していると考えるわけです。

    【補足】個人事業税を経費計上できる根拠は?

    個人事業税は、納付した全額を必要経費として計上できます。国税庁が個人事業主向けに公開している「申告の手引き」にも、次のように記載されています。

    引用

    事業税、固定資産税、自動車税、登録免許税、印紙税などの税金…(中略)…が必要経費になります…(後略)…

    青色申告の決算の手引き – 国税庁

    ※「白色申告者の決算の手引き」でも同様

    個人事業税は、そもそも事業に対して課税される税金ですから、全額を必要経費と考えてOKです。一方、所得税や住民税は経費計上できません。税金によって、経費にできるもの・できないものがあるので注意しましょう。
    経費にできる税金・できない税金について詳しく

    まとめ

    • 個人事業税は、全額を「租税公課」として経費計上する
    • 基本的に納付した日付で記帳すればOK
    • 個人事業税の納付月は、基本8月と11月の2回
    • 現金納付、口座振替、クレジットカード納付などの方法を選べる
    • カード納付して、引き落とし日が翌年になる場合、特別な仕訳が必要
    • 消費税区分は「不課税」(クレジットカード納付の決済手数料は「課税」)

    本記事では、個人事業税の基本的な仕訳方法について解説しました。普通に納付するだけなら、ここまでの知識で十分対応できます。延滞金が発生した場合や、随時課税などの特殊な仕訳については、こちらの記事を参考にしてください。