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ポイント払いの会計処理 – 記帳方法の区別や仕訳例など

更新日: 2021/08/04
ポイント払いの会計処理 – 記帳方法の区別や仕訳例など

個人事業主向けに、事業用の支払いにポイントを使った場合の記帳方法をまとめました。本記事で紹介する方法は、電子マネーやクレカ等のポイントのほか、お店が独自に発行しているポイントでも使えます。

INDEX

目次

    ポイントの記帳について

    • 「ポイントが付与された時」はなにも記帳しなくてよい
    • 「事業用の支払いにポイントを使った時」に記帳する
    • ポイントを使った時の記帳方法は「値引処理」と「両建処理」の2つ
    • たいていの個人事業主は「値引処理」でOK

    ポイントを得ても、所得税の計算上、その時点では収入としてカウントされません。使用した時点で、初めて収入と見なされます。消費税の免税事業者なら、以下の「値引処理」だけで基本OKです。

    ポイント払いの記帳方法 - 値引処理と両建処理

    課税事業者は、国税庁のガイドラインを踏まえて「値引処理 or 両建処理」のふさわしい方で記帳しましょう(後述)。一方、免税事業者に対しては特に見解が示されておらず、国税局に確認したところ「すべて値引処理で問題ない」との回答でした。

    【おさらい】消費税の免税事業者・課税事業者とは
    顧客から預かった消費税の納付を免除されている者を「免税事業者」、納付の義務がある者を「課税事業者」という。個人事業主の場合、基本的には前々年の売上高が1,000万円以下なら免税事業者に該当する。
    免税事業者と課税事業者の違い

    記帳例①「値引処理」の場合

    たとえば、55,000円のパソコンを買うときに1,000円分のポイントを使ったら、「値引処理」では以下のように記帳します。

    複式簿記の例

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月10日 消耗品費 54,000 現金 54,000 ノートパソコン

    「値引処理」の場合、ポイント利用分の金額を差し引いて経費計上するだけでOKです。「〇〇円分のポイントを使った」ということを記録しておく必要はありません。

    ちなみに、単式簿記では以下のように記帳します。

    単式簿記の例

    日付 消耗品費 摘要
    20XX年5月10日 54,000 ノートパソコン

    記帳例②「両建処理」の場合

    「値引処理」と「両建処理」の使い分け方は、後ほど解説します。ここではひとまず「両建処理」の記帳例のみ紹介します。先程と同じく、55,000円のパソコンを買う際に1,000円分のポイントを使った、という例で説明します。

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月10日 消耗品費 55,000 現金 54,000 ノートパソコン
    雑収入 1,000

    両建処理では、ポイントで支払った1,000円分を「雑収入」にカウントします。この雑収入の消費税区分は「不課税」です。

    もし「税抜経理方式」の場合には、下記のように帳簿づけしましょう。

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年5月10日 消耗品費 55,000 現金 54,000 ノートパソコン
    仮払消費税等 5,000 雑収入 1,000

    【課税事業者】値引処理と両建処理の使い分け

    課税事業者のポイント払いについては、国税庁が会計処理のガイドラインを示しています。課税事業者は、消費税の「仕入税額控除」を正確に計算するため、このガイドラインに沿って記帳方法を使い分けましょう。

    なお、簡易課税制度の適用を受けている課税事業者は、免税事業者と同様の処理で構いません。

    記帳方法の使い分け

    ポイント利用分が
    対価の値引き」に該当する場合
    ポイント利用分が
    「対価の値引き」に該当しない場合
    「値引処理」で記帳 「両建処理」で記帳

    といっても、この基準は非常に分かりづらいです。国税庁は「レシートの表記から判断してもいいよ」として、以下のような例を示しています。

    課税事業者のポイント記帳 - レシート参考に使い分け

    タックスアンサー No.6480 – 国税庁」より一部改変

    もちろん、レシートの表記がこの通りでない場合もあります。判断に迷う場合は、税務署などに相談しましょう。

    まとめ

    事業関連の支払いにポイントを使ったとき、その記帳方法には「値引処理」と「両建処理」の2種類があります。値引処理では、ポイント利用分を差し引きます。両建処理では、ポイント利用分を雑収入として扱います。

    消費税の免税事業者は「値引処理」で統一しておけばOKです。対して課税事業者は、ポイントの扱いによって記帳方法を使い分けます(簡易課税制度の適用者を除く)。

    免税事業者 課税事業者
    値引処理 全てこの方法でOK ポイント利用分が
    「対価の値引き」の場合に使う
    両建処理 使わない ポイント利用分が
    「対価の値引き」でない場合に使う