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諸口とは?複数の勘定科目をまとめて記帳するときに使う文言

更新日: 2021/06/10
諸口とは?複数の勘定科目をまとめて記帳するときに使う文言

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目次

    諸口(しょくち)とは

    • 「複数の勘定科目をまとめています」という事を表す便宜的な文言
    • 白色申告者は使わない
    • 青色申告者は「総勘定元帳」を作成する際などに使うことがある

    青色申告の簿記で「諸口」が使用されます。主な用途は下記のとおりです。

    「諸口」の主な用途

    仕訳帳 総勘定元帳
    諸口の使用例 - 仕訳帳 諸口の使用例 - 総勘定元帳
    1つの取引について、借方・貸方いずれかの勘定科目が複数になる際に使うことがある 仕訳帳に記入した複合仕訳について、勘定科目をまとめて表す際に使う

    ここからは「仕訳帳」と「総勘定元帳」に分けて、諸口の使い方を順番に説明していきます。

    諸口が使われる場面① 仕訳帳

    • 借方、貸方いずれかの勘定科目が複数になる場合は使うこともある
    • 帳簿の仕様上、複合仕訳ができない場合などにしか使わない
    • クラウド会計ソフトなら仕訳時に「諸口」を使う必要はない

    たとえば、売上から手数料を差し引いて入金された場合は、以下のように記帳するのが一般的です。このような仕訳を「複合仕訳」といいます。

    複合仕訳の記帳例 -「諸口」を使わない

    日付 借方 貸方 摘要
    20XX年9月20日 普通預金 194,000 売掛金 200,000 8月分 カード
    売上
    支払手数料 6,000 8月分 カード
    手数料

    ただ、ごく稀に、帳簿の仕様上「複合仕訳」ができないこともあります。そのような場合は、下記のように「単一仕訳」で帳簿づけを行います。

    単一仕訳の記帳例

    「諸口」を使う場合 「諸口」を使わない場合
    単一仕訳の記帳例 -「諸口」を使う場合 単一仕訳の記帳例 -「諸口」を使わない場合

    「単一仕訳」の場合、1行ずつ借方・貸方の金額を対応させなくてはなりません。このとき、勘定科目の空欄部分を埋める目的で「諸口」を用いて記帳することがあるわけです。つまり「諸口」自体は、積極的な意味をもちません。

    諸口が使われる場面② 総勘定元帳

    • 複合仕訳で記帳した取引を、まとめて転記したいときに「諸口」を使う
    • これによって、総勘定元帳の記載がスッキリする
    • クラウド会計ソフトだと、複合仕訳の取引は自動的に「諸口」と表記される

    仕訳帳に「複合仕訳」で記入した取引を、総勘定元帳へ転記する際に「諸口」を使います。下記のように相手科目は不明になってしまうのですが、これで構いません。取引が一行にまとまるので、総勘定元帳の記載自体はスッキリします。

    諸口の使用例 - 総勘定元帳

    クラウド会計ソフトを利用している人なら、入力した取引内容は、自動的に総勘定元帳へ反映されます。この際、勘定科目が複数になった取引については、上記のようにソフトが「諸口」として総勘定元帳へ転記します。

    この例の諸口は「いろいろまとめました」ということを表す役割です。

    会計ソフトを利用する場合

    会計ソフトの場合、勘定科目が複数になる取引を入力する際は、基本的に「複合仕訳」の形式で登録することになります。下記は、携帯料金を家事按分し、通信費と事業主貸に計上した場合の入力例です。

    ① 取引入力画面

    取引入力画面 - やよいの青色申告 オンライン

    画像は「やよいの青色申告 オンライン」の操作画面

    上記のように登録した取引情報は、自動的に総勘定元帳へと反映されます。

    ② 総勘定元帳の確認画面

    総勘定元帳の確認画面 - やよいの青色申告 オンライン

    画像は「やよいの青色申告 オンライン」の操作画面

    このように、総勘定元帳で確認してみると、仕訳時に入力した「通信費」と「事業主貸」が、「諸口」にまとめられていることがわかります。

    まとめ

    諸口は「仕訳帳」や「総勘定元帳」で使われる文言です。実務上、仕訳帳で「諸口」を使う機会はほとんどありませんが、総勘定元帳では使ったほうがラクな場合も多いです。

    「諸口」の主な用途

    仕訳帳 帳簿の仕様上、複合仕訳ができない場合に使う
    一般的な帳簿なら「諸口」を使う機会はほとんどない
    総勘定元帳 仕訳帳へ複合仕訳で記帳した取引を転記するときに使う
    総勘定元帳を自作する場合は「諸口」を使ったほうがスッキリする

    手書きやExcelで帳簿づけをしている人は、複合仕訳の取引を総勘定元帳へ転記する際に「諸口」を使うとよいでしょう。とはいえ、無理に使わなくても問題はありません。

    クラウド会計ソフトを使っていると、自動作成された総勘定元帳に「諸口」と記載されていることがあります。これは「2つ以上の勘定科目をまとめました」ということを表すにすぎません。