本記事では「医療費控除を受けるために還付申告をする」という会社員向けに、還付金を受け取るまでの流れを説明します。
医療費控除の基本 – 5分で分かる確定申告の医療費控除
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目次
還付申告の流れ
医療費控除を受けるには、税務署に所定の書類を提出します。これを有効期間中に行うことで、税金の還付を受けられます(還付申告)。還付金は、申告してから1ヶ月~1ヶ月半ほどで振り込まれます。
【確認】そもそも還付申告とは?
還付を受けるために行う申告を「還付申告」と呼びます。手続き自体は納付のために行う「確定申告」と同じですが、目的が異なります。
確定申告と還付申告の違い
確定申告 | 還付申告 | |
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目的 | 納付 | 還付 |
期限 | 原則、翌年3月15日まで | なし(ただし5年で権利を失う) |
提出書類 | 確定申告書など | |
提出方法 | 税務署へ直接提出 or 郵送 or e-Tax いずれかの方法で申告する |
① 書類の作成
医療費控除を受けたければ「医療費控除の明細書」と「確定申告書」を自ら作成します。「確定申告書」には「医療費控除の明細書」から転記する項目があるので、先に「医療費控除の明細書」から作成しましょう。
医療費控除の明細書
「医療費控除の明細書」は、下記のような書類を参照しながら作成します。なお、一定の要件を満たした「医療費のお知らせ」がある場合は、明細書への記入を簡易的に済ませられます。
- 医療費のお知らせ(医療費通知)
- 医療費の領収書
- 交通費の詳細がわかるもの
- 医療費を補填する金額がわかるもの
確定申告書
第一表 | 第二表 |
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「確定申告書」を作成する際は、勤務先から配布される「源泉徴収票」を用意しておきましょう。ちなみに、2021年分以前にさかのぼって還付申告をする場合は「確定申告書A」という様式を使います。
② 確定申告する
作成した書類は、税務署に提出します。医療費控除によって税金を還付してもらうための申告は、対象期間の翌年1月1日から5年間は有効です。
還付申告の有効期間
申告の方法は、大きく下記の3種類に分けられます。事前準備は必要ですが、国税庁が運営する「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、簡単に電子申告できます。
- 税務署の窓口に直接提出する
- 税務署に書類を郵送する
- e-Taxを利用してオンラインで申告する(電子申告)
③ 還付金の受け取り
還付金は、申告してから1ヶ月~1ヶ月半後に振り込まれます。電子申告なら還付がスムーズになり、2~3週間程度で振り込んでもらえます。
還付金受け取りのポイント
- 還付金の受け取り方法は、口座振込が基本
- 預貯金口座の名義は、申告者本人である必要がある
- 一部のネット銀行は指定できないので注意
振込先は、確定申告書の右下にある「還付される税金の受取場所」に記入した口座です。
まとめ
申告から還付まで – 会社員の医療費控除
① 書類の作成 |
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② 確定申告する |
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③ 還付金の受け取り |
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医療費控除のほかにも、年末調整では適用できない下記のような控除があれば、還付申告をすることができます。
申請できるケースの一例 | |
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寄附金控除 | ふるさと納税をした |
雑損控除 | 災害や盗難による損害を受けた |
住宅ローン控除 | マイホームの取得をして、住宅ローンがある |
このほか「生命保険料控除」や「配偶者控除」などを年末調整で適用し忘れていた場合、これについても還付申告で申請できます。