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セルフメディケーション税制の改正
令和3年度の税制改正で「セルフメディケーション税制」の一部変更が決まりました。主な変更点は以下の2つです。2024年現在では、この改正が最新です。
セルフメディケーション税制の改正点
①手続きの簡素化 | 確定申告時の添付書類の一部が不要になる 2021年分(令和3年分)の確定申告から適用 |
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②対象医薬品の見直し | 対象医薬品の一部が除外され、新たな医薬品が追加される 2022年分(令和4年分)の確定申告から適用 |
また、もともとセルフメディケーション税制は「2021年分まで」という期限付きの制度でしたが、この期間も「2026年分まで」に延長されています。
改正点① 手続きの簡素化(2021年分~)
- 確定申告で「一定の取組」の証明書類が提出不要になる*
- 以降、添付書類は「セルフメディケーション税制の明細書」だけでOK
- 2021年分の確定申告(2022年以降に行う確定申告)から適用される
* 改正前も電子申告では省略可能だった
従来、セルフメディケーション税制を利用するには、確定申告時に「一定の取組」の証明書(健康診断の結果通知など)を提出する必要がありました。2021年分の確定申告からは、これが不要になります。
セルフメディケーション税制に関わる添付書類
改正前 (2020年分の確定申告まで) |
改正後 (2021年分の確定申告から) |
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セルフメディケーション税制の明細書 |
ただし「一定の取組」の証明書類は、手元で5年間保管しておかないといけません。「添付不要だから捨ててOK!」というわけではないので注意しましょう。
ちなみに「確定申告書等作成コーナー」などから電子申告をする場合は、改正前も証明書の提出省略が認められていました(ただし5年の保存が必要だった)。したがって、電子申告派の人にはあまり関係のない改正と言えます。
電子申告で省略できる添付書類まとめ
改正点② 対象医薬品の見直し(2022年分~)
- 現行の対象医薬品(スイッチOTC医薬品)の一部が対象外になる
- 一定の基準を満たす医薬品が、新しく対象に加わる
- 2022年分の確定申告(2023年以降に行う確定申告)から適用される
現在は、もっぱら「スイッチOTC医薬品」がセルフメディケーション税制の対象です。しかし、改正後は「スイッチOTC医薬品」の一部が対象から外れ、新たに「スイッチOTC医薬品以外の医薬品」の一部が対象に加わります。
セルフメディケーション税制の対象医薬品
改正前 (2021年分の確定申告まで) |
改正後 (2022年分の確定申告から) |
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スイッチOTC医薬品 | 対象 | 一部が対象から外れる* |
それ以外の医薬品 | 対象外 | 一部が対象に加わる |
*2025年分までは対象と認める経過措置の検討中
どの医薬品が除外・追加されるかについては、厚生労働省の「セルフメディケーション税制対象品目一覧」をご覧ください。
対象医薬品の除外に関する経過措置について
今回の改正によって除外された医薬品も「ひとまず2025年分までは対象と認めるよ」という経過措置が検討されています。ですから、除外された医薬品を使っていても、すぐに控除を利用できなくなるわけではなさそうです。
まとめ
令和3年度の税制改正で「セルフメディケーション税制」の一部変更が決定しました。まずは2021年分の確定申告(2022年2月16日~3月15日に行う確定申告)から、添付書類が簡素化されます。
セルフメディケーション税制の改正【重要ポイント】
- 適用の要件……変わらない
- 制度の期限……ひとまず「2026年分」まで延長
- 手続き…………「一定の取組」の証明書が添付不要に ←2021年分から
- 対象医薬品……一部の医薬品が対象に追加される ←2022年分から
改正後も、セルフメディケーション税制を利用するための要件は変わりません。引き続き、健康維持のために「一定の取組(健康診断など)」を行ったうえで、対象医薬品の購入額が年間「12,000円」を超える人が受けられます。
なお、改正によって対象から除外される医薬品もあります。ただ、2025年分の確定申告までは「特別に対象として認めるよ」という経過措置が検討されています。(セルフメディケーション税制の暫定的な期限である「2026年分まで」と期間を混同しないよう注意)