本記事では、マイナンバーカードと関わりのあるスマホアプリについて、現時点の情報を整理しています。アプリ単体での機能は限定的なものですが、スマホから「マイナンバーカード方式」で電子申告するにはインストールが必須です。
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この記事では、2020年中に行う電子申告について説明したものです。2021年1月からは、iOS・Androidともに1種類のアプリ(マイナポータル)だけで、スマホから電子申告ができるようになりました。
>> 最新情報はこちら – 電子申告で使うスマホアプリ【2021】
一般的な会社員は、スマホから電子申告することができるようになりました。しかし、個人事業主は「確定申告書等作成コーナー」を使ってスマホから電子申告することはまだできません(同サイトで、スマホからは決算書の作成ができないからです)。
INDEX
目次
マイナンバー関連のアプリって?
スマホから電子申告をしたり、ウェブ上の「マイナポータル」を利用するときは、マイナンバーカードを読み取って本人確認を行います。その際、用途に応じて下記のアプリをインストールしておく必要があります。
マイナンバー関連のスマホアプリ
マイナポータルAP | e-Taxアプリ | JPKI利用者ソフト |
---|---|---|
マイナポータルAPのアイコンはiOSのもの
一応、マイナンバーカードを読み取る以外の用途でも使えますが、現時点で個々の機能はそれほど充実していません。ひとまず「マイナンバーカードを読み取るためのアプリ」だと考えておきましょう。
スマホから「マイナンバーカード方式」で電子申告をする際には、下記の両方をインストールしておく必要があります。なお、この記事全体で「マイナンバーカード方式」を前提にしていますが、「ID・パスワード方式」の場合、アプリは不要です。
>> マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の違い
スマホから電子申告するときに必要なアプリ
パソコンから電子申告をする場合には、「JPKI利用者ソフト」をインストールしたAndroidスマホをICカードリーダーとして使うことができます(iOSでは不可)。ただ、利用に関しては細かな制約があります。詳しくは下記のページをご覧ください。
>> スマホをカードリーダーの代わりに使う方法
「マイナポータルAP」
「マイナポータルAP」は、ウェブサイト「マイナポータル」へのログインをサポートするためのアプリです。iPhoneで電子申告をする際は、後述の「e-Taxアプリ」と合わせてインストールしておく必要があります。
※ 2021年現在、「マイナポータルAP」は「マイナポータル」へ名称変更されています
インターフェイスと主な機能
iOS | Android |
---|---|
・「e-Taxアプリ」との併用でスマホからの電子申告が可能に ・スマホからの「マイナポータル」ログインで利用する ・パソコンからの「マイナポータル」ログインで利用する(2次元バーコード認証) |
・スマホからの「マイナポータル」ログインで利用する ・パソコンからの「マイナポータル」ログインで利用する(2次元バーコード認証) |
「マイナポータル」とは、国が運営するオンラインサービスです。公的なサービスの電子申請を行えたり、行政機関からのお知らせを確認できたりします。スマホのブラウザからサイトにアクセスして利用します。
「マイナポータル」へのログイン方法は、マイナンバーカードを読み取るか、2次元バーコード認証のどちらかです。スマホからログインする場合は、マイナンバーカードを読み取る方法だけが有効です。
「e-Taxアプリ」
iOSでもAndroidでも、スマホから「マイナンバーカード方式」で電子申告をする際には「e-Taxアプリ」のインストールが必要です。それ以外にも細かな機能がありますが、基本的には「電子申告用のアプリ」と考えてよいでしょう。
インターフェイスと主な機能
iOS | Android |
---|---|
・「マイナポータルAP」との併用でスマホからの電子申告が可能に ・申告書の送信履歴の確認 ・納付情報の確認(コンビニ納付用QRコードを読み取る) |
・「JPKI利用者ソフト」との併用でスマホからの電子申告が可能に ・申告書の送信履歴の確認(e-Taxソフト(SP版)のメールボックス表示) ・還付金の処理状況確認 |
iOSの場合、マイナンバーカードを読み取るためには、先述の「マイナポータルAP」とセットで使用します。ただ、「マイナポータルAP」がインストールされていなくても上表で挙げたような「e-Taxアプリ」内の機能を使うことはできます。
Androidの場合、次で説明する「JPKI利用者ソフト」とセットで使用します。「JPKI利用者ソフト」がインストールされていないと「e-Taxアプリ」のホーム画面を表示できず、アプリ内の機能を使うことすらできません。
ちなみに、iOS版とAndroid版では、アプリ単体の機能も微妙に異なります。ただ、そもそも「スマホからの電子申告」以外の用途で使うことはほとんどないので、単体での機能はあまり気にしなくてよいです。
「JPKI利用者ソフト」
「JPKI利用者ソフト」は、Androidスマホから電子申告をする際や、スマホをPCと接続してカードリーダーの代わりに使う際などに必要なアプリです。「電子証明書の内容確認」などの機能もありますが、そちらを使う機会はほとんどないでしょう(現状、iOS版はこの機能しかない)。
インターフェイスと主な機能
iOS | Android |
---|---|
・電子証明書の内容確認 ・電子証明書の有効期限や有効性の確認 |
・「e-Taxアプリ」との併用でスマホからの電子申告が可能に ・パソコンで電子申告する際、スマホをICカードリーダーとして使える ・電子証明書の内容確認 ・電子証明書の有効期限や有効性の確認 ・証明書の失効申請 |
「電子証明書」とは、マイナンバーカードのICチップに組み込まれた電子データのことです。「署名用電子証明書」と「利用者証明用電子証明書」の2種類があり、e-Tax利用時の本人確認などで利用します。
【おまけ】「マイナポイント」
「マイナポイント」というアプリに、マイナポイントの登録申し込みができる機能が備わっています。スマホから申し込む場合は、このアプリから行います。パソコンから申し込む場合、このアプリは使用しないのでインストールする必要はありません。
インターフェイスと主な機能
iOS | Android |
---|---|
・マイナポイントの申し込み |
「マイナポイント」の登録をしておけば、マイナンバーカードとひも付けた任意の決済サービス(電子マネーやクレジットカードなど)のポイントが、最大5,000円分もらえます。マイナンバーカードの普及を目的として、2020年9月にスタートした制度です。
まとめ – スマホによる申告で必要なアプリ
最後に、本記事で紹介した4つのアプリの主な機能を表にまとめました。本記事ではスマホアプリに関して説明してきましたが、同様のことはパソコンで行うこともできます。
アプリ別 主な機能
マイナポータルAP | e-Taxアプリ | JPKI利用者ソフト | マイナポイント |
---|---|---|---|
マイナポータルへのログイン | 申告書の送信履歴の確認 | 電子証明書に関する確認 | マイナポイントの申し込み |
マイナポータルAPのアイコンはiOSのもの
上記の機能は、あくまで個々のアプリ単体のものです。本記事で示してきたとおり、特に左の3つは、それぞれ組み合わせて使うことで重要な機能を果たします。その組み合わせに関することを、次の表にまとめています。
電子申告をする際に必要なスマホアプリ
国が運営するウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」から申告書類を作成してデータを送信する場合、必要なスマホアプリはそれぞれ以下のとおりです。なお、マイナンバーカードを使わない「ID・パスワード方式」を選択するなら、アプリのインストールは不要です。
iOS | Android | |
---|---|---|
スマホから行う | ・e-Taxアプリ ・マイナポータルAP |
・e-Taxアプリ ・JPKI利用者ソフト |
パソコンから行う | ― | ・JPKI利用者ソフト |
※2021年1月からは「マイナポータルAP」のみのインストールで可能になる予定
スマホから電子申告する
スマホから申告をする場合、「確定申告書等作成コーナー」のサイトでの操作が中心です。作成したデータを送信する際など、必要に応じてアプリの画面に切り替わります。
記事の冒頭で触れたとおり、一般的な会社員はスマホから「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして電子申告できます。ところが、まだ決算書の作成には対応していないので、個人事業主は同サイトからスマホ経由で電子申告できません。
パソコンから電子申告をする
パソコンから申告を行う際も、基本的な流れはスマホと同様です。マイナンバーカードを読み取る際は「ICカードリーダー」か「JPKI利用者ソフトをインストールしたAndroidのスマホ」のどちらかを使います。iOSのスマホは対象外です。
「確定申告書等作成コーナー」のサイトから申告をする場合、データの送信は「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2種類があります。本記事では「マイナンバーカード方式」を前提として説明してきました。そもそもマイナンバーカードを作成する予定がない人は「ID・パスワード方式」で行うことになるでしょう。