令和2年分(2020年分)の確定申告は、2021年2月16日~4月15日の期間に行います。今回から青色申告決算書の様式が、ほんの少しだけ変更されますので、わかりやすくご紹介します。
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目次
青色申告決算書の変更点
令和2年分(2020年分)から、青色申告決算書の様式が新しくなりました。といっても、変更点はほとんどありません。基本的には、青色申告特別控除の改正(控除額が10万円・55万円・65万円の3段階に)が反映されただけです。
青色申告決算書は下記のページからダウンロードできます。
>> 確定申告書、青色申告決算書、収支内訳書等 – 国税庁
変更点にマーカーをつけると、以下のようになります。マーカーがついていない部分は、まったく変更されていません。
1ページ目
【旧】令和元年分 | 【新】令和2年分~ |
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2ページ目
【旧】令和元年分 | 【新】令和2年分~ |
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3ページ目
【旧】令和元年分 | 【新】令和2年分~ |
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4ページ目
【旧】令和元年分 | 【新】令和2年分~ |
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2ページ目だけ、金額の計算が従来と異なるので、この部分の記入方法については後ほど解説します。他の3枚の書き方は、従来とまったく同じです。なお「今回初めて決算書を作成するよ」という人は、以下の記事で書き方を確認していただけます。
>> 青色申告決算書の書き方
整理番号とは?
整理番号は空欄のまま提出して構いません。税務署から送付される「確定申告のお知らせ」のハガキなどを見れば、整理番号を確認できます。ただし、開業届を提出しておらず、かつ初めて申告をする人の場合は、整理番号はありません。
なお、青色申告決算書には個人番号(マイナンバー)の記入欄はありませんので、誤って記入しないようにしましょう。
変更された記入欄・記入方法
令和2年分(2020年分)の確定申告から、青色申告特別控除の金額が「10万円・55万円・65万円」の3段階になります。その影響で、以前は「65万円」用の記入欄だった部分が、以下のように「65万円または55万円」の記入欄へと変更されました。
ご覧のように、2つの控除額が混在してわかりにくいので、ここからは「55万円控除」だけを前提に説明します。また、不動産所得も同時に得ているパターンについては、ここでは考えないこととします。
55万円の要件のみを満たしている人(不動産所得なし)
⑥ | 0円 |
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⑦ | 青色申告決算書1ページ目の㊸を転記する |
⑧ | 0円 |
⑨ | 「55万円」と「⑦」を比べ、少ない方の金額を書く |
後述のとおり、青色申告で65万円控除を受けるには「電子帳簿保存 or 電子申告」の新要件が加わります。電子申告によって65万円控除を受ける人は、そもそもこのように手書きで決算書を作成しません。画面の案内にしたがって入力するだけなので、より簡単です。
青色申告特別控除の新要件
2020年分の確定申告から青色申告特別控除が改正され、要件も以下のように変更されました。65万円控除の要件を満たすには、従来の要件(複式簿記など)に加え、電子申告 or 電子帳簿保存が必須となっています。
青色申告特別控除の主な要件
【旧】~2019年分 | 【新】2020年分~ | |
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10万円 |
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|
55万円 New!! |
– |
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65万円 |
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※青色申告決算書の4ページ目「貸借対照表」を必ず作成して提出すること
ほかに、青色申告でも現金主義の場合は10万円控除しか受けられないというルールもあります。詳しくは以下の記事で説明しています。
>> 青色申告特別控除の新要件や節税額の違いを詳しく
>> 2021年(令和3年)の確定申告期限が延長!期限は4月15日に
令和2年分の主な税制改正
2020年分の確定申告は、例年に比べて改正点が多めです。とくに、控除関連の改正が目立ちます。それに伴い、確定申告書Bの様式も大幅に変更されています。なので、重要なものから順に、改正点を軽くおさらいしておきます。
青色申告者が必ず知っておくべき改正点
- 青色申告特別控除の改正
- 基礎控除の改正
基礎控除は、控除額が38万円から48万円に引き上げられました。その代わりに所得制限がつきます。といっても大した制限ではなく、合計所得金額が2,400万円以下なら、誰でも一律で48万円の控除を受けられます。
>> 基礎控除の改正について詳しく
その他の重要な改正点
- 配偶者(特別)控除や扶養控除の要件緩和
- 給与所得控除の改正
- ひとり親控除の新設、および寡婦(夫)控除の改正
個人事業主にとって重要なものは、だいたい上記の通りです。その他にも細かな改正点はありますが、ほとんどの個人事業主には関係ないので気にする必要はありません。