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2021年の確定申告 – 確定申告書Bを書くときの注意点

更新日: 2021/06/23 投稿日: 2021/03/01
2021年の確定申告 – 確定申告書Bを書くときの注意点

今回の確定申告では、基礎控除の10万円アップを始めとして、各種控除に大幅な変更があります。また、新型コロナの影響を受けて、いつもとは異なる申告が必要な人も多いでしょう。本記事では、個人事業主のために注意点をざっくりまとめました。

INDEX

目次

    まずココに注意!2021年に行う確定申告

    2020年分の確定申告期間は、2021年2月16日~4月15日です。緊急事態宣言が再発令された影響で、本来は3月15日が締め切りのところ、期限が1ヶ月延長されています。

    2021年(令和3年)の確定申告期間

    【2021年版】ここに気をつけよう!

    1. 各種控除が大きく改正されている
    2. 申告書の様式がかなり変更されている
    3. 一時支援金の申請には、2020年分の申告書控えが必要

    ① 各種控除の改正

    基礎控除青色申告特別控除を筆頭に、各種控除の金額や要件が大幅に改正されています。なので、昨年の申告書をそのまま書き写すと、思わぬ失敗をする恐れがあります。以下の記事で、改正点をわかりやすくまとめているので、参考にしてみてください。
    >> 2021年(令和3年)に行う確定申告から適用される改正

    基礎控除の改正 青色申告特別控除の改正
    基礎控除は2020年分から38万円から48万円へ変更 2020年分から青色申告特別控除額が「10・55・65万円」の3段階になる

    ② 確定申告書Bの様式変更

    申告書Bの様式が今年も新しくなっています。とくに第二表は去年までと全然ちがうので、戸惑う人も多いでしょう。国税庁の手引きにも書き方は載っていますが、説明が長すぎて読みづらいです。以下の記事では、カンタンに噛み砕いて説明しています。
    >> 確定申告書Bの変更点【令和2年分以降用】

    ③ 一時支援金の申請

    申告期限は当初の予定より1ヶ月延長され、2021年5月31日まで新規申請が可能でした(現在は受付終了)。なかでも緊急事態宣言にともなう「一時支援金」の申請には、2020年分の申告書控えが必要でした。

    以上、2021年の確定申告について、個人事業主がまず頭に入れておくべき注意点をまとめました。ここからは、もう少し個別のケースに踏み込んで、「こういう人はこれに気をつけよう!」という話をします。

    家族を養っている人

    配偶者控除扶養控除の所得要件が、10万円ずつ緩和されています。たとえば、従来は配偶者の合計所得が「38万円」以下でないと、配偶者控除は受けられませんでした。しかし今回からは「48万円」以下に緩和されています。

    配偶者控除や扶養控除の所得要件緩和

    配偶者控除と扶養控除の所得要件緩和 - 2020年分から

    なお、上記は「合計所得金額」による判定基準です。もし収入源が給与だけなら、勤務先からの「支払金額」だけを用いてカンタンに判定できます。年間の支払金額の合計が「103万円」のとき、合計所得金額は「48万円」になります。
    >> 給与所得とは?給与収入から所得をもとめる方法

    申告書Bの「親族」欄が大幅に変更

    申告書B(第二表) - 親族欄

    配偶者や扶養親族の情報を、上記のようにぎゅっと一箇所にまとめて記入することになりました。一定の親族には右側に○をつけるようになっていますが、そのルールが非常にわかりにくいので要注意です。詳しくは以下の記事をごらんください。
    >> 確定申告書B(第二表)の書き方

    給与所得がある人

    給与所得での注意点は、以下の2つです。

    • 給与所得控除が10万円ダウン
    • 所得金額調整控除の新設

    といっても、給与による年収が850万円を超えない限り、基本的にこれらの影響は受けませんし、申告書に記入することもありません。個人事業の片手間でアルバイトをしている程度なら、気にする必要はないということです。
    >> 給与所得控除の変更点と所得金額調整控除について

    雑所得がある人

    雑所得のなかに、新しく「業務」という区分が追加されました。しっかり他と区別して記入しないと、2022年分からの確定申告で支障が出る恐れがあります。
    >> 雑所得の改正 – 2022年分の確定申告から

    申告書B(第一表)の雑所得 - 令和2年分以降用での変更点

    日々の稼ぎを雑所得として申告する場合は、基本的に「業務」に該当すると考えてよいでしょう。以下はほんの一例です。状況によってこの通りにならない場合もありますが、大体の雰囲気はつかんでもらえるかと思います。

    雑所得の新しい区分

    公的年金等 業務 その他
    • 国民年金
    • 厚生年金
    • iDeCo
    • アフィリエイト
    • 食品デリバリー
    • ハンドメイド販売
    • 暗号資産(仮想通貨)
    • 還付加算金
    • 動産の貸し付け

    >> 雑所得とは?基本をおさらいしておこう

    事業で赤字が出た人

    事業所得の計算で損失(赤字)が生じたら、以下のように、他の所得と通算できます(損益通算)。これは白色申告と青色申告で共通です。

    事業所得と給与所得の損益通算

    赤字の繰り越しについて

    青色申告なら、損益通算でも赤字が引ききれなかった場合、それを翌年以降の最長3年間にわたって繰り越せます。たとえば、当年に10万円の赤字が残ったら、それを翌年に繰り越して、翌年の所得からこの10万円を差し引けます。

    青色申告 白色申告
    損失の全額を繰り越せる 繰り越せる損失は「災害による損失等」と「変動所得の損失」に限られる

    白色申告では、繰り越せる損失が「災害による損失等」と「変動所得の損失」に限られます。2020年分は新型コロナの影響で、以下のような支出による赤字が想定されます。損益通算でもこのような赤字を吸収しきれなかった場合は、上表の「災害による損失等」に該当します。

    • 休業等に伴って廃棄した商品や原材料の廃棄損
    • 感染者が確認されたことにより廃棄処分した備品等の除却損
    • お店や備品などを消毒するために支出した費用
    • 感染防止のために配備するマスク、消毒液、空気洗浄機等の購入費用

    >> 白色申告でも繰越控除ができる?申告書の書き方など【新型コロナ】

    確定申告会場で相談をしたい人

    確定申告会場で相談しながら申告書を作成したい人は、入場整理券が必要です。入場整理券は、確定申告会場での当日配布か、LINEアプリでの事前発行で手に入ります。ただし、当日配布に関しては枚数に上限があります。

    確定申告会場の整理券をもらう方法 - 当日の会場 or LINEで事前予約

    相談が一切不要で、申告書を提出するだけなら、入場整理券がなくても受け付けてもらえます。ただ、提出だけで済むような人は、郵送のほうがラクかもしれません。
    >> 国税庁のLINE公式アカウント – 確定申告会場への入場整理券を予約しよう

    まとめ

    個人事業主は、以下のポイントを頭に入れておきましょう。③の一時支援金については、給付の要件を満たせない人にとっては、直接的には関係ありません。

    1. 各種控除が大きく改正されている
    2. 申告書の様式がかなり変更されている
    3. 「一時支援金」の申請には、2020年分の申告書控えが必要

    確定申告書の控えは、意外と重要な書類です。昨年の「持続化給付金」の申請でも必要書類に含まれていましたし、ローンなどを組む際に使うこともあります。何かと必要になる書類ですから、早めに手元に置いておくに越したことはないでしょう。

    その他の注意点

    配偶者、扶養控除
    • 所得要件が10万円緩和された
    • 申告書Bの親族欄の書き方が変わった
    給与所得
    • 給与年収が850万円を超えなければ、基本的に影響はない
    雑所得
    • 新たに「業務」欄が申告書に追加された
    事業の赤字
    • 白色と青色のどちらでも損益通算はできる
    • 青色申告なら赤字を翌年以降に繰り越せる
    • 白色申告でも「災害による損失等」なら翌年以降に繰り越せる
    確定申告会場
    • 入場整理券がないと相談はできない
    • 提出だけなら整理券がなくてもOK

    なお、昨年中に新型コロナ関連で給付を受けた人は、受け取ったお金が課税対象かどうかを把握した上で、帳簿を整理しておきましょう。たとえば、最大100万円の「持続化給付金」は課税対象ですが、10万円の「特別定額給付金」は課税対象ではありません。