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クラウド会計ソフトのe-Tax対応を比較【2022年版】

更新日: 2023/01/27 投稿日: 2022/01/27
クラウド会計ソフトのe-Tax対応を比較【2022年版】

大手会計ソフトメーカーの「弥生・freee・マネーフォワード」が提供するクラウド会計ソフトについて、e-Taxへの対応状況を比べてみました。3社ともスムーズな電子申告に対応していますが、細かな使い勝手にはまだバラつきがあります。

INDEX

目次

    電子申告への対応状況【e-Tax】

    従来、会計ソフトから電子申告をするには、国税庁の「e-Taxソフト」などに媒介してもらう必要がありました。しかし現在は、大手3社の会計ソフトなら、国税庁のソフトにノータッチでも電子申告ができます。

    電子申告への対応状況【e-Tax対応】

    弥生 freee マネーフォワード
    パソコンからの電子申告
    e-Taxソフト使用
    スマホからの電子申告 ×
    未対応
    必要な
    もの
    マイナンバーカード 必要 必要 必要
    ICカードリーダー スマホ*で代用可 スマホで代用可 スマホで代用可

    * 弥生は、Windows版のみiPhone不可

    クラウド会計ソフトは、パソコンのウェブブラウザで操作するのが基本ですが、上記の3社はスマホアプリ版も無料で提供しています。freeeとマネーフォワードは、このスマホアプリから電子申告をすることもできます(詳細は後述)。

    【前提】会計ソフトの電子申告にはマイナンバーカードが必須!

    会計ソフトから電子申告をする際は、ICカードリーダーやスマホでマイナンバーカードを読み取って個人認証を行います。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」ならマイナンバーカードなしでも電子申告ができますが、税務署での事前手続きが必要なうえ、会計ソフトのデータをそのまま送れないので面倒です。

    本記事では、会計ソフトで作成した確定申告書類のデータをそのまま出力して送信(電子申告)できるものを紹介しています。

    弥生

    • パソコンからならスムーズに電子申告ができる
    • 従来はMacからの電子申告に非対応だったが、2022年から対応
    • スマホからの電子申告には未対応

    電子申告の対応状況【e-Tax対応】

    パソコンからできること スマホからできること
    申告書類の作成 ×
    電子申告 ×

    やよいの白色申告 オンライン」と「やよいの青色申告 オンライン」では、弥生独自の電子申告用ソフト(無料)を使って電子申告します。あらかじめ、所定のソフトをパソコンにインストールしておけば、申告書類の作成画面からシームレスに電子申告できます。

    電子申告の流れ(弥生のクラウド会計ソフト)

    電子申告の流れ(弥生のクラウド会計ソフト)

    弥生の電子申告用ソフトには、Windows用の「確定申告e-Taxモジュール」と、Mac用の「確定申告e-Taxオンライン」があります。どちらも操作の流れは同様ですが、個人認証の方法のみ少し異なります。

    2023年以降、WindowsとMacのどちらも「確定申告e-Taxオンライン」を使うことになりました。以後、「確定申告e-Taxモジュール」は使用できません。

    実際の操作画面 -「やよいの青色申告 オンライン」の場合

    確定申告書類の作成 電子申告用ソフトの起動 個人認証・データ送信
    確定申告書類の作成(やよいの青色申告オンライン) 電子申告用ソフトの起動(やよいの青色申告オンライン) 個人認証・データ送信(やよいの青色申告オンライン)

    Windows版の個人認証では、ICカードリーダーを使用するのが基本です。マイナンバーカードの読み取りに対応したAndroidスマホでも代用可能です(iPhoneは非対応)。この場合、パソコンとスマホをBluetoothでペアリングします。

    Mac版の個人認証では、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホを用意する必要があります(こちらはiPhoneでもOK)。ICカードリーダーは使用できません。

    >> やよいの白色申告 オンライン(公式)
    >> やよいの青色申告 オンライン(公式)

    freee

    • パソコンでもスマホでもスムーズに電子申告ができる
    • 確定申告書類の作成も、パソコン or スマホの好きな方でできる
    • 現状、大手3社の中では電子申告への対応が最も進んでいる

    電子申告の対応状況【e-Tax対応】

    パソコンからできること スマホからできること
    申告書類の作成
    電子申告 ○*

    * マイナンバーカード読取の対応機種であることが前提

    freee会計」では、無料の「freee電子申告アプリ」というソフトを使って電子申告をします。「freee電子申告アプリ」には、パソコン用ソフトとスマホアプリの両方があるので、PC・スマホの好きな方から電子申告ができます。

    電子申告の流れ(freee会計)

    電子申告の流れ(freee会計)

    パソコンで作った申告書類を、スマホ版の「freee電子申告アプリ」から送信することも可能です。逆に、スマホで作った申告書類を、パソコンから送信することもできます。こうした柔軟性の高さは、e-Tax対応が進んでいる「freee会計」ならではの特徴です。

    実際の操作画面(freee会計)

    確定申告書類の作成 電子申告アプリの起動 個人認証・データ送信
    確定申告書類の作成(freee会計) 電子申告アプリの起動(freee会計) 個人認証・データ送信(freee会計)

    ※ 申告書類の作成から電子申告までパソコンで行う場合の例

    スマホの「freee電子申告アプリ」から電子申告をする場合は、スマホを使ってマイナンバーカードを読み取れます(一部、対応機種でないスマホもある)。したがって、わざわざ外付けのICカードリーダーを用意する必要はありません。

    freee会計(公式)

    マネーフォワード

    • パソコン単体ではシームレスに電子申告ができない
    • スマホアプリからならスムーズに電子申告ができる
    • パソコンで申告書類を作って、電子申告だけスマホアプリで行うことも可能

    電子申告の対応状況【e-Tax対応】

    パソコンからできること スマホからできること
    申告書類の作成
    電子申告
    e-Taxソフト(WEB版)を使う
    ○*

    * マイナンバーカード読取の対応機種であることが前提

    マネーフォワード クラウド確定申告」は、スマホアプリ版にのみ電子申告の機能が付いています。確定申告書類はパソコンでも作成できますが、最終的にはスマホアプリから電子申告をするのが基本です。

    電子申告の流れ(マネーフォワード クラウド確定申告)

    電子申告の流れ(マネーフォワード クラウド確定申告)

    弥生・freeeと違って、電子申告専用のソフトやアプリはありません。会計ソフトの「スマホアプリ版」に、記帳機能や書類作成機能に加えて、はじめから電子申告の機能が備わっています。

    実際の操作画面(マネーフォワード クラウド確定申告)

    確定申告書類の作成 スマホアプリの起動 個人認証・データ送信
    マネーフォワード 確定申告書Bの作成画面 スマホアプリの起動(マネーフォワードクラウド確定申告) 個人認証・データ送信(マネーフォワードクラウド確定申告)

    手持ちのスマホがマイナンバーカード読取の対応機種でない場合、スマホからの電子申告はできません。その場合は「e-Taxソフト(WEB版)」を使って、パソコンから電子申告をしましょう。「e-Taxソフト(WEB版)」では、パソコン用の外付けICカードリーダーを利用できます。

    マネーフォワード クラウド確定申告(公式)

    まとめ – 大手3社の比較一覧表

    大手3社のクラウド会計ソフトを使えば、初心者でもカンタンに電子申告ができます。ただ、3社の対応状況にはまだ少しバラつきがあるので、電子申告関連の機能を重視する個人事業主はチェックしておきましょう。

    電子申告への対応状況まとめ【e-Tax対応】

    弥生 freee マネーフォワード
    パソコンからの電子申告
    e-Taxソフト使用
    スマホからの電子申告 ×
    未対応
    必要な
    もの
    マイナンバーカード 必要 必要 必要
    ICカードリーダー スマホ*で代用可 スマホで代用可 スマホで代用可

    * 弥生は、Windows版のみiPhone不可

    個人事業主向けのクラウド会計ソフトで、e-Tax対応が最も進んでいるのは「freee」です。パソコンとスマホの両方から電子申告ができるうえ、「書類作成はPCで済ませて、電子申告はスマホでやる」などの使い分けも柔軟にできます。

    とはいえ「弥生」と「マネーフォワード」でも、ソフトからそのまま電子申告できないわけではありません。freeeと比べると「パソコンでしかできないこと」や「スマホでしかできないこと」が増えますが、ほとんどの個人事業主は問題なく電子申告ができるでしょう。

    大手3社の基本情報 – 電子申告以外の要素も比較しよう!

    弥生 freee マネーフォワード
    操作画面 やよいの青色申告 オンライン 取引入力画面 操作画面(取引入力)- freee 「マネーフォワード クラウド確定申告」取引入力画面
    料金
    (税込)
    【白色申告】
    フリープラン
    0円/年
    ベーシックプラン
    10,120円/年
    トータルプラン
    18,480円/年
    スターター
    12,936円/年

    スタンダード
    26,136円/年

    プレミアム
    43,780円/年
    パーソナルミニ
    10,560円/年

    パーソナル
    12,936円/年

    パーソナルプラス
    39,336円/年
    【青色申告】
    セルフプラン
    9,680円/年
    ベーシックプラン
    15,180円/年
    トータルプラン
    26,400円/年
    申告対応 白色申告
    青色申告
    白色申告
    青色申告
    白色申告
    青色申告
    帳簿づけ
    自動仕訳
    請求書の作成
    月6枚以上は追加料金
    スマホアプリ
    記帳機能のみ
    弥生 freee マネーフォワード
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