会計ソフトを使った電子申告の方法まとめ

更新日: 2020/07/28 投稿日: 2020/03/05
会計ソフトを使った電子申告の方法まとめ

会計ソフトを利用している個人事業主に向けて、所得税の電子申告の方法を説明します。会計ソフトで作成した確定申告のデータは、いくつかの方法で電子申告に活用できます。ただ、ソフトの対応状況によっては制限もあるので注意しましょう。

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目次

    会計ソフトを使った電子申告の方法

    会計ソフトで作った電子申告のデータは、以下のプロセスで国税庁へ送信します。一概に「これがいちばんラク!」とは言えませんが、どの方法で電子申告を行っても青色申告65万円控除の新要件はクリアできます。

    会計ソフトを使った電子申告の方法【e-Tax】

    ①と③は、言ってみれば、取り込んだデータをそのまま送信するだけの媒体です。一方、②ではデータの編集が行えます。これに応じて「控除証明書の提出を省略できるかどうか」が異なるので注意しましょう。提出を省略できない場合、控除証明書だけは郵送などで別途提出する必要があります。

    ① e-Taxソフト
    (WEB版)
    ② e-Taxソフト ③ 会計ソフトの
    電子申告ツール
    対応OS ・Windows
    ・Mac
    ・Windows 個々で異なる
    操作のしやすさ
    データの編集
    控除証明書の郵送 ほぼ必須 不要(※) ほぼ必須
    電子申告の方式 マイナンバーカード方式のみ
    対応している
    会計ソフトの例
    ・やよいのオンラインシリーズ
    ・会計freee
    ・会計freee
    ・マネーフォワード クラウド確定申告
    ・やよいのオンラインシリーズ
    ・会計freee

    ※割印が必要なごく一部の書類などは郵送が必要

    よく分からなかったら「確定申告書等作成コーナー」へ!

    ウェブ上の「確定申告書等作成コーナー」を利用すれば、どんな場合でもひとまず不足のない電子申告が可能です。マイナンバーカードが無くても利用できるうえ、控除証明書の提出省略にも対応しています。

    ただ、会計ソフトで出力したデータを取り込むことはできません。会計ソフトを参照しながら、改めてデータを手入力していく形になります。とはいえ、その手間さえ許容できるなら、初心者にもおすすめの方法です(詳細は後述)。

    なぜ①と③では控除証明書の郵送が必要になる?

    電子申告では「一部の控除証明書(第三者作成書類)の提示・提出を省略できる」という制度があります。対象となるのは以下のような書類です。

    • 社会保険料控除の証明書
    • 生命保険料控除の証明書
    • 医療費控除の明細書
    • セルフメディケーション税制の明細書
    • 地震保険料控除の証明書
    • 寄附金控除の証明書   など

    しかし、これらの省略が認められるのは、国税庁が定める形式で証明書の記載内容を送信する際だけです。条件を満たす形で記載内容のデータを送信できない場合は、紙の証明書を郵送などで別途提出するしかありません。

    現時点では、主要な個人事業主向け会計ソフトでも、すべての控除について適正な入力フォームを備えているわけではありません。①と③を使う場合、あとから証明書の情報を追加することもできないため、郵送の手間がほぼ必須となるのです。

    控除証明書の提出を省略するには

    インストール型の「e-Taxソフト」なら、取り込んだ申告データに控除証明書の情報を追加して送信できます。そのため、割印が必要なごく一部の書類などを除いて、別途提出の手間はかかりません。ちなみに「確定申告書等作成コーナー」も証明書の省略に対応しています。

    電子申告での控除証明書(第三者作成書類)の提出方法

    >> e-Taxで必要な添付書類ってある?

    ① e-Taxソフト(WEB版)

    対応OS 対応する会計ソフトの例 電子申告の方式
    ・Windows
    ・Mac
    ・やよいのオンラインシリーズ
    ・会計freee
    ・マイナンバーカード方式
    操作のしやすさ データの編集 控除証明書の郵送
    ほぼ必須

    e-Taxソフト(WEB版)は、会計ソフトから取り込んだ申告データをそのまま送信する媒体だと言えます。送信までの操作は比較的カンタンですが、データの編集はできません。社会保険料控除生命保険料控除を受ける場合は、控除証明書の別途提出が必要です。

    郵送が面倒でなければアリ

    e-Taxソフト(WEB版)なら、申告データの送信が比較的カンタンに行えます。そのため、「ちょっとくらい郵送の手間がかかってもいいよ」という人にはおすすめです。

    ただし、申告書や決算書のデータについても編集・追加はできません。「第三表・第四表の提出が必要なのに、使っている会計ソフトで作れない!」という場合は、別の方法で電子申告を行いましょう。

    ② e-Taxソフト

    対応OS 対応する会計ソフトの例 電子申告の方式
    ・Windows ・会計freee
    ・マネーフォワード クラウド確定申告
    ・マイナンバーカード方式
    操作のしやすさ データの編集 控除証明書の郵送
    不要(ごく一部を除く)

    インストール型のe-Taxソフトでは、取り込んだ申告データを送信前に編集できます。会計ソフトで作ったデータに、控除証明書の情報を追加することも可能です。そのため、社会保険料控除や生命保険料控除を受ける場合でも、郵送などの手間はかかりません。

    使いづらさが大きな欠点

    e-Taxソフトは、Windowsパソコンでしか利用できないうえ、決して操作しやすいとも言えません。一応「会計ソフトから第一表・第二表だけ取り込んで、第三表や第四表をe-Taxソフト上で作る」ということもできますが、慣れていないと時間がかかってしまいます。

    他の方法に対応できるなら、e-Taxソフトの利用はおすすめしません。会計ソフトがe-Taxソフトにしか対応していない場合は、使いづらさを覚悟してe-Taxソフトを使うか、始めから「確定申告書等作成コーナー」を使うかの2択になります。

    ③ 会計ソフトの電子申告ツール

    対応OS 対応する会計ソフトの例 電子申告の方式
    個々で異なる ・やよいのオンラインシリーズ
    ・会計freee
    ・マイナンバーカード方式
    操作のしやすさ データの編集 控除証明書の郵送
    ほぼ必須

    一部の個人事業主向け会計ソフトには、独自の電子申告ツールが用意されています。細かな機能は個々に異なりますが、現時点ではおおよそ「e-Taxソフト(WEB版)」と同様の流れでデータ送信を行うものだと考えましょう。

    大手の個人事業主向け会計ソフトメーカーでは、弥生が「確定申告e-Taxモジュール」、freeeが「電子申告アプリ」という名称で、独自のツールを提供しています。どちらも、それぞれが販売する会計ソフトとのみ連携が可能です。

    確定申告e-Taxモジュール 電子申告アプリ
    連携できる
    会計ソフト
    ・やよいの白色申告 オンライン
    ・やよいの青色申告 オンライン
    ・やよいの青色申告 20 など
    ・会計freee
    対応OS ・Windows ・Windows
    ・Mac
    データの編集

    どちらも「e-Taxソフト(WEB版)」と同様に、申告データの編集はできず、控除証明書のほとんどは別途で提出する必要があります。「e-Taxソフト(WEB版)」と独自ツールのどちらを使うか迷ったら、単純に操作しやすいほうを選べばOKです。

    困ったときは確定申告書等作成コーナー!

    「確定申告書等作成コーナー」とは、国税庁が公開するウェブサイトの名称です。本来は書類作成用のサイトですが、入力したデータでそのまま電子申告を行うこともできます。申告内容や会計ソフトの対応状況に関わらず、不足のない電子申告が可能です。

    ただし、会計ソフトで作った申告データの取り込みはできません。会計ソフトのデータを参照しながら、改めて申告データを作成することになります。とはいえ、大半は申告書類の記載事項を転記するだけなので、それほど面倒な作業ではありません。

    確定申告書等作成コーナーの電子申告の流れ

    確定申告書等作成コーナーでは、控除証明書の情報も入力できます。基本的に、郵送などの手間はかからないということです。また、第三表・第四表の作成も可能なので、どんな申告内容でも、この方法を選んでおけばひとまず間違いありません。

    「ID・パスワード方式」ならマイナンバーカードは不要

    確定申告書等作成コーナーを「ID・パスワード方式」で利用すれば、マイナンバーカードを持っていなくても電子申告を行えます。マイナンバーカードの読み取りに必要な機器やソフトを揃える必要もないので、他の方法と比べて事前準備も断然カンタンです。
    >> ID・パスワード方式とマイナンバーカード方式について

    【フローチャート】あなたに合った電子申告の方法は?

    電子申告の方法に迷ったら、以下のフローチャートを参考にしてください。あくまでオススメの方法なので、この通りにしなければならないわけではありません。

    電子申告の方法のフローチャート【e-Tax】

    「e-Taxソフト(WEB版)」に未対応の会計ソフトでも、インストール型の「e-Taxソフト」には対応しているケースが多いです。とはいえ「e-Taxソフト」は事前準備が大変なうえ、操作も難しいので「確定申告書等作成コーナー」を使うほうがラクかもしれません。

    また「e-Taxソフト(WEB版)」や会計ソフト独自のツールを使える場合でも、控除証明書の別途提出が面倒だったら「確定申告書等作成コーナー」を使ってOKです。

    まとめ – 会計ソフトユーザーの電子申告

    下図の①②③のいずれかを利用すれば、会計ソフトで作った電子申告のデータを国税庁へ送信することができます。ただし、会計ソフトの対応状況によって、とくに①や③は利用できない場合もあるので注意しましょう。

    会計ソフトユーザーの電子申告の方法【e-Tax】

    ①と③は、会計ソフトから取り込んだ申告データをそのまま送信するイメージです。データの編集はできませんが、比較的シンプルな流れで電子申告を済ませられます。社会保険料控除や生命保険料控除を受ける際は、郵送などによる証明書の別途提出が必要なので注意しましょう。

    ②では、会計ソフトで出力した申告データを、編集してから送信できます。そのため、控除証明書の提出省略も含め、あらゆる申告内容に対応が可能です。ただし、使い勝手が良くないため、初心者にはおすすめできません。

    ① e-Taxソフト
    (WEB版)
    ② e-Taxソフト ③ 会計ソフトの電子申告ツール
    対応OS ・Windows
    ・Mac
    ・Windows 個々で異なる
    操作のしやすさ
    データの編集
    控除証明書
    の郵送
    ほぼ必須 不要(※) ほぼ必須
    電子申告の方式 マイナンバーカード方式のみ
    対応している
    会計ソフトの例
    ・やよいのオンラインシリーズ
    ・会計freee
    ・会計freee
    ・マネーフォワード クラウド確定申告
    ・やよいのオンラインシリーズ
    ・会計freee

    ※割印が必要なごく一部の書類などは郵送が必要

    ちなみに、上記の①②③とはプロセスが異なりますが、「確定申告書等作成コーナー」なら会計ソフトの対応状況に関係なく利用できます。申告データを改めて手入力する手間がかかりますが、操作はカンタンなので、困ったらこの方法で電子申告をしましょう。