個人事業主が在宅勤務で経費にできるものは?

更新日: 2020/07/27 投稿日: 2020/07/14
個人事業主が在宅勤務で経費にできるものは?

個人事業主が在宅勤務で経費にできるものの考え方について、会計初心者向けにまとめました。「新型コロナウイルスの影響で自宅勤務を始めたけど、どこまで経費計上できるのかわからない」という人は、参考にしてみてください。

INDEX

目次

    自宅で仕事をする際に経費にできるもの

    事業を営む上で必要な支出であれば、経費として計上できます。なかでも、個人事業主が在宅勤務をする際の家賃や電気代などは「家事按分」をすることで、事業で利用した分を経費に計上できます。

    家事按分についておさらい

    家事按分(按分)とは、事業と私生活の両方に関連する費用について、合理的な基準によって定めた割合で区分することです。

    事務所・店舗、自宅兼事務所、自宅の経費計上方法

    家事按分をする際は「按分比率」という割合を使って計算します。按分比率は、事業で使用している面積・日数・時間などを基準に、事業主自身が設定します。この割合は、第三者が見ても納得できる数字でなくてはなりません。必ず合理的な基準をもって設定するようにしましょう。

    ① 全額を経費にできるもの

    新型コロナの影響で在宅勤務を始めた場合、自宅の作業環境を整えるために新調した備品などの購入費用は経費に計上できます。たとえば、作業環境を整えるために購入した以下のような備品は、事業用途でしか使わないものであれば全額を経費計上できます。

    • デスク
    • チェア
    • Webカメラ

    上記のような備品を購入した場合は「消耗品費」などの勘定科目で経費計上しましょう。ただし、取得価額が10万円以上のものは減価償却が必要となるので注意が必要です。

    なお厚生労働省は、在宅勤務の作業環境を整備する際のポイントについて、「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」として次のようにまとめています。

    自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備 - 厚生労働省

    自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備 – 厚生労働省

    ② 一部を経費にできるもの – 私生活にも関連する費用

    自宅で仕事をすると、事業と私生活の両方で使うものがでてきます。このような費用は、事業で使用した分のみを明確に区分できるのであれば、その一部を経費計上してよいことになっています。一部を経費にできるものについて、主な費用は次のとおりです。

    上記のような費用は、家事按分をすることで経費にすることができます。按分比率は、使用面積や使用時間などを基準に設定するのが一般的です。

    事務所の固定費はこれまで通り計上してよい

    在宅勤務をしていても、それとは別に事務所や店舗を構えていれば、家賃や水道光熱費などの固定費が発生します。このような費用については、やむを得ず在宅勤務をしている期間であっても、従来と同様に経費計上できます。税務署に特別な届け出を行う必要もありません。

    固定費として経費にできる費用の例

    • 事務所の家賃、管理費(地代家賃
    • 事務所の電気代、水道代の基本料金(水道光熱費
    • ネット回線や固定電話の基本料金(通信費

    個人事業主の中には、自身の事務所を構えずにシェアオフィスやコワーキングスペースなどで仕事をしている人も多いはずです。この場合も、施設の月額利用料などは「地代家賃」などの勘定科目で従来通り経費計上できます。

    経費にできないもの

    一見すると事業に関連しているように思えても、経費として処理できないものがあります。たとえば、次のような費用については、経費計上することはできません。

    • 在宅勤務中の飲食費用
    • 自身の感染症対策のために支出した費用

    勤務中の飲食費用

    たとえ勤務中のものであっても、自宅での飲食にかかった費用は経費にできません。これは、在宅勤務時に限らず事務所で仕事をする場合も同様です。ただし、自宅で顧客と打ち合わせをする場合などは、そこで提供した飲食費用を経費にできる可能性は高いです。

    自身の感染症対策のために支出した費用

    自分自身の感染予防のために支出した費用は経費にすることはできません。一方で、従業員や来客者用に設置する事務所や店舗の除菌グッズについては、経費計上できます。

    まとめ

    最後に、新型コロナの影響で在宅勤務を余儀なくされた場合に、個人事業主が経費にできるものの考え方についてポイントをまとめておきます。

    • 在宅勤務用に揃えた備品は、事業用途でしか使わないものは全額を経費にできる
    • 事業と私生活の両方に関連する費用は、家事按分することで一部を経費にできる
    • 事務所や店舗の固定費は、今まで通り経費計上してOK

    在宅勤務のために備えるものとしては、たとえば下記のようなものが考えられます。

    • デスク
    • チェア
    • パソコン
    • webカメラ
    • マウス
    • ディスプレイ
    • 照明器具
    • 空調機器
    • カーテン、ブラインド

    カーテンや空調機器は事業に直接関係ない物のようにも見えますが、仕事をするために必須であれば購入費用を経費にできます。その意味で、先に引用した厚生労働省の「自宅等でテレワークを行う際の作業環境整備」はひとつの参考になります。

    ただし、事業用途で購入したといっても、けっきょく私生活の時間に使うものについては費用を按分しておきましょう。たとえば、部屋の一部に仕事用スペースを設けている場合、その部屋に設置するエアコンや照明などの購入費用は、地代家賃などと同じ按分比率で経費計上しておくのが無難です。