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成人年齢の引き下げで変わること【所得税・住民税など】

更新日: 2022/04/11 投稿日: 2022/04/11
成人年齢の引き下げで変わること【所得税・住民税など】

INDEX

目次

    税金関連の変更点まとめ

    2022年4月から、成人年齢が「20歳」から「18歳」に引き下げられました。これによって、税金関係のルールでも一部変更があります。

    税金関連の主な変更点【成年年齢の引き下げ】

    所得税
    • NISAの年齢制限が引き下げられた(住民税にも影響あり)
    住民税
    • 住民税が非課税になる基準が少し変わった
    相続税
    • 「未成年者控除」の年齢制限が下がった
    贈与税
    • 「特例税率」を適用できる年齢が下がった
    • 「結婚・子育て資金の特例」を利用できる年齢が下がった
    • 「住宅取得資金贈与の特例」を利用できる年齢が下がった
    • 「相続時精算課税制度」を利用できる年齢が下がった

    税金関連の身近な変更点としては、「NISA(少額投資非課税制度)」の年齢制限引き下げが挙げられます。これは、所得税と住民税の両方に関係する変更です。

    その他、住民税の非課税に関する変更は、たとえば「バイトで年間100万円くらい稼いでいる18~19歳」などに影響する可能性があります。また、相続税・贈与税の変更は、18~19歳あたりの人が「遺産相続」や「まとまった財産の贈与」を受ける際に関係します。

    所得税

    成人年齢の引き下げに伴って、「NISA(少額投資非課税制度)」の年齢制限が2023年から引き下げられます。NISAには、成人を対象とした「一般NISA・つみたてNISA」と、未成年を対象とした「ジュニアNISA」があり、3種類とも対象年齢が変わります。

    NISAの対象年齢

    2022年まで 2023年から
    一般NISA 20歳以上が対象 18歳以上が対象
    つみたてNISA 20歳以上が対象 18歳以上が対象
    ジュニアNISA 19歳以下が対象 17歳以下が対象

    2023年1月以降は、18歳から「一般NISA・つみたてNISA」の口座を開設できるようになります。より若い年齢から自由度の高い制度を利用できるようになるので、対象者にとっては嬉しい改正だと言えます。

    成人年齢の引き下げ後も変わらないこと

    所得税・住民税には、子供に関係する所得控除がいくつか存在します。これらは、そもそも「成年 or 未成年」を基準にした制度設計ではないので、成人年齢の引き下げ後も変更はありません。

    子どもが関係する主な所得控除

    社会保険料控除 1年間に納めた、本人や家族の社会保険料に関する控除
    家族の年齢に関わらず、納めた金額を控除できる
    生命保険料控除 1年間に支払った、本人や家族の生命保険料に関する控除
    家族の年齢に関わらず、支払った金額を控除できる
    扶養控除 16歳以上の扶養親族がいる場合に受けられる控除
    成人年齢の引き下げ後も、年齢制限に変更はない
    ひとり親控除 シングルマザー・シングルファザーのための控除
    そもそも子供の年齢に制限はない
    勤労学生控除 学校に通いながら働いている人のための控除
    そもそも対象者に年齢制限はない

    「扶養控除」は、扶養親族の年齢に応じて控除額が変わる仕組みになっています(たとえば「16~18歳は38万円」「19~22歳は63万円」など)。この年齢の区切りについても変更はありません。

    住民税

    成人年齢の引き下げによって、住民税非課税の基準が一部変更されます。従来から、下記のどれかに該当する人は住民税が免除されていましたが、このうち「未成年者」の範囲が変わります。

    住民税が課されない人(均等割も所得割も非課税の人)

    • 生活保護の対象者のうち「生活扶助」を受けている人
    • 前年の給与収入が190万円以下の未成年者など(厳密には「合計所得135万円以下」)
    • 前年の給与収入がおおよそ100万円以下の人*

    * 具体的な基準額は、地域や扶養の有無によって異なる

    ここで言う「未成年者」の年齢は、これまで「20歳未満」でしたが、改正後は「18歳未満」になりました(その年の1月1日の年齢で判断する)。この変更によって「住民税を納める18~19歳の人」がちょっと増えることになります。

    たとえば、前年の給与収入が110万円だったとしたら、住民税の課税・非課税は下記のような扱いになります。(給与以外に収入がある場合は、それらも含めた「合計所得金額」で考える必要があります)


    住民税の課税・非課税(前年の給与が110万円だった場合)

    令和4年度の住民税まで 令和5年度の住民税から
    20歳 住民税が徴収される 住民税が徴収される
    19歳 住民税が課されない 住民税が徴収される
    18歳 住民税が課されない 住民税が徴収される
    17歳 住民税が課されない 住民税が課されない

    ※ 扶養親族などがいない会社員・アルバイトを想定しています

    この改正は、2023年度(令和5年度)の住民税から適用されます。2023年度の住民税は「2022年分の所得」から算出されるので、今年の収入が高いと、来年はお給料から住民税が天引きされるかもしれません。

    住民税の納付が必要になると言っても、がっつり稼いでいない限り、納税額がそこまで高くなることはない。たとえば、年収100万円を少し超えた程度なら、年額5,000円程度の「均等割」を納めるだけで済む場合も多い。

    住民税が非課税になる条件について詳しく

    相続税

    相続税に関しては、成年年齢の引き下げによって下記のような変更があります。

    相続税に関する主な変更点

    未成年者控除 相続人が未成年者の時、相続税から一定金額を差し引く制度
    →年齢制限が「20歳未満」から「18歳未満」に変わった

    「未成年者控除」とは、簡単に言うと「未成年者」に課される相続税を軽減する制度です。これまでは「20歳未満」で相続等をした人が対象でしたが、2022年4月以降は年齢制限が「18歳未満」に引き下げられています。

    贈与税

    成年年齢の引き下げによって、贈与税には主に下記のような変更があります。

    贈与税に関する主な変更点

    特例税率 直系尊属からの贈与について、通常よりも有利な税率を適用できる制度
    →18歳から適用可能になった
    結婚・子育て資金の
    非課税制度
    直系尊属から所定の方法で受け取った「結婚・子育て資金」が、1,000万円まで非課税になる制度
    →18歳から適用可能になった
    住宅取得等資金の
    非課税制度
    直系尊属から受け取った「住宅取得資金」などが、原則1,000万円まで非課税になる制度
    →18歳から適用可能になった
    相続時精算課税制度 年間2,500万円までの生前贈与について、贈与税を非課税にする代わりに相続税の課税対象とする制度
    →18歳から適用可能になった

    これまで、上記はどれも「20歳以上」の人が父母や祖父母から贈与を受けた場合に利用する制度でした。しかし、成人年齢に引き下げに伴って、対象者の範囲が「18歳以上」に拡大されています。

    税金以外で変わることは?

    税金以外の面では、成人年齢の引き下げに伴って、下記のようなルールが変更されています。

    成人年齢引き下げの影響(主な例)

    18歳からできるようになったこと 20歳にならないとできないこと
    (改正後も年齢制限が変わらないこと)
    • 携帯電話の契約*
    • クレジットカードを作る*
    • 一人暮らしの部屋を借りる*
    • ローンを組む*
    • 10年間有効のパスポートを取る
    • 飲酒
    • 喫煙
    • 競馬、競輪、オートレース
    • 大型、中型自動車免許の取得
    • 国民年金の加入

    * 親の同意が不要になった

    なお、選挙権の年齢制限については、2018年からすでに「18歳以上」に改正されています。今回の成年年齢引き下げで、投票権に関する変更はありません。

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