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スマホアプリで比較!弥生・freee・マネーフォワードのクラウド会計ソフト

更新日: 2022/12/05 投稿日: 2020/11/27
スマホアプリで比較!弥生・freee・マネーフォワードのクラウド会計ソフト

本記事では、個人事業主向けクラウド会計ソフトの大手3社「弥生」「freee」「マネーフォワード」のスマホアプリに焦点をあて、比較情報をまとめています。取引入力ならどのアプリでも可能ですが、いずれもWeb版の全機能が備わっているわけではありません。

INDEX

目次

    大手3社のスマホアプリを比較

    クラウド会計ソフトはSafariやChromeなどのウェブブラウザからログインして使うのが基本ですが、下記の大手3社はスマホ用のアプリも提供しています。

    弥生 freee マネーフォワード
    ホーム画面 ホーム画面 - 弥生スマホアプリ ホーム画面 - freeeスマホアプリ ホーム画面 - マネーフォワードスマホアプリ
    対応OS iOS・Android
    取引の入力
    自動仕訳機能の操作
    レシート撮影・登録機能 別アプリを使用 別アプリを使用
    レポートの
    表示
    申告書類の
    作成
    電子申告
    アプリ名称 『弥生 申告』アプリ 会計アプリfreee マネーフォワード
    クラウド確定申告

    ※弥生の画像は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

    上表のとおり、スマホアプリでできることの数では、freeeが一歩リードしています。逆に弥生は、スマホアプリの用途を大胆にしぼっているようです。アプリに対応していない基本機能については、Web版から実行することになります。

    これらのスマホアプリを使用するには、パソコンで操作する際と同じように、登録済みのメールアドレス・パスワードでログインする必要があります。すでにアカウントを取得していれば、新たに作成する必要はありません。

    スマホアプリで入力したデータはWeb版と同期される

    スマホやパソコンで入力したデータは自動で同期される

    スマホアプリから入力したデータは同期され、パソコンからも確認できます。ちなみに、スマホでもブラウザからログインすれば、パソコンを使用する際と同じ画面で操作できます。ただし、動作保証はされていません。

    ① 取引の入力

    まずはスマホアプリのメインともいえる、取引の入力機能から比較していきます。
    弥生は、初心者でも扱いやすいシンプルな操作画面です。freeeとマネーフォワードは、かなり細かい情報まで登録できます。

    【弥生】取引入力の流れ

    取引入力の流れ - 弥生スマホアプリ

    弥生のスマホアプリは、3社のなかでも一番スムーズに取引の入力ができます。ただ、「減価償却」などのちょっとややこしい取引に関しては、アプリでは対応していません。

    【freee】取引入力の流れ

    取引入力の流れ - freeeスマホアプリ

    freeeの場合、ひとつの画面ですべての情報を入力していきます。Web版同様、「取引先」「品目」「部門」など、細かい情報も登録可能です。画面もスッキリとしていて見やすいです。

    【マネーフォワード】取引入力の流れ

    「かんたん入力」の場合 「振替伝票入力」の場合
    取引入力「かんたん入力」 - マネーフォワードスマホアプリ 「振替伝票入力」 - マネーフォワードスマホアプリ

    マネーフォワードには「かんたん入力」と「振替伝票入力」の2種類の入力方法が設けられています。どちらも、細かい情報まで登録できます。「かんたん入力」は弥生と似ており、複式簿記の知識がなくても操作できるようデザインされています。

    ② 自動仕訳機能の操作

    クラウド会計ソフトにかかせない自動仕訳の機能ですが、freeeとマネーフォワードなら、スマホアプリからでも登録や設定の操作ができます。弥生は、スマホアプリでは操作できませんが、もちろんWeb版からであれば可能です。

    弥生 freee マネーフォワード
    なし 自動仕訳機能 - freeeスマホアプリ 自動仕訳機能 - マネーフォワードスマホアプリ
    自動仕訳機能とは
    銀行口座・クレジットカード・電子マネーなどを登録することで、明細データを自動で読み込み、科目などを振り分けてくれる機能。クラウド型の会計ソフトには、基本的にこの機能が備わっている

    freeeでは、金融機関の設定だけでなく、明細の確認も可能です。さらに、Web版同様「自動登録・推測ルール」もスマホアプリから操作できます。この機能を活用すれば、日々の帳簿づけの手間がグッとラクになります。

    マネーフォワードでも、登録した金融機関ごとに明細を閲覧できます。自動仕訳が反映されなかったものについても、手動で科目や摘要などを登録・修正できます。

    ③ レシート撮影・登録機能

    レシートをスマホで撮影して、取引日や金額などのデータを自動で取り込んでくれる「レシート撮影・登録機能」ですが、使用感は三者三様です。弥生とマネーフォワードの場合は、専用アプリを別途インストールする必要があります。

    弥生 freee マネーフォワード
    レシート撮影機能 - 弥生スマホアプリ レシート撮影機能 - freeeスマホアプリ レシート撮影機能 - マネーフォワードスマホアプリ
    レシート登録機能 - 弥生スマホアプリ レシート登録機能 - freeeスマホアプリ レシート登録機能 - マネーフォワードスマホアプリ

    上がレシート撮影時、下が読み込まれた情報の確認画面です。どのアプリも「日付」「金額」については問題なく読み取っています。

    弥生の場合、レシート撮影専用の「弥生 レシート取込アプリ」を使ってデータを取り込みます。データの読み取りは正確ですが、他社よりも解析に時間がかかります。また、科目の確認・変更はWeb版からしか行えません。

    freeeのアプリでは、かなり快適にレシートから情報を取り込めます。撮影した画像は「ファイルボックス」という場所にアップロードされますが、最安値のスタンダードプランだとデータの登録件数に上限があり、月々最大5件とされています。5件以上のレシートを登録したい場合、過去のデータを削除しなくてはなりません。

    マネーフォワードも、レシート撮影・登録の機能は別アプリ「マネーフォワード クラウド経費」に搭載されています。金額などは正確に読み取ってくれますが、自動で振り分けられる科目の精度は他社と比べると低い印象です。今回の例でいうと、封筒を購入した際のレシートなのに、科目は「電車代」となってしまいました。

    ちなみに「マネーフォワード クラウド経費」には、レシート取り込み機能だけでなく、経路検索から自動で交通費を計算してくれるなどの便利な機能が備わっています。

    ④ グラフレポートの表示

    freeeとマネーフォワードでは、スマホアプリからでもグラフレポートを確認できます。ただ、どちらもWeb版と比べると機能が制限されています。弥生のアプリには、レポートの表示機能はありません。

    弥生 freee マネーフォワード
    なし グラフレポート - freeeスマホアプリ グラフレポート - マネーフォワードスマホアプリ

    freeeでは「損益レポート」を閲覧できます。そのほかのグラフレポート(入金管理レポートや資金繰りレポート)は閲覧時にブラウザへ自動遷移してしまうものの、表示はできます。スマホを横にすればかろうじて全体が表示されるほどで、見やすくはありません。

    マネーフォワードは、「口座残高」や「損益分析」などのグラフレポートを表示できます。画面に表示される科目をタップすれば、科目ごとのレポートも確認できるので便利です。

    ⑤ 申告書類の作成

    freeeとマネーフォワードなら、確定申告の提出書類をスマホアプリからでも作成できます。弥生のスマホアプリには、書類の作成機能は搭載されていません。とはいえ、ブラウザからであればもちろん作成できます。

    弥生 freee マネーフォワード
    なし 申告書類の作成 - freeeスマホアプリ 申告書類の作成 - マネーフォワードスマホアプリ

    freeeとマネーフォワードのスマホアプリでは、作成した申告書類で、そのまま電子申告を行うことができます。もしくは、印刷して提出するために、PDF形式で出力することも可能です。

    ちなみに、freeeのスマホアプリでは「請求書」「納品書」「見積書」も作成できます。作成した書類は、メールによる送信が可能です。メールでの書類の表示方法は「WEB上で確認できるリンク」と「PDFの添付」の2種類から選べます。

    請求書の作成

    作成画面 プレビュー画面
    請求書の作成 - freeeスマホアプリ 請求書プレビュー - freeeスマホアプリ

    弥生・freee・マネーフォワードの比較まとめ

    最後に、クラウド会計ソフトの「やよいの白色申告 オンライン/やよいの青色申告 オンライン」「freee会計」「マネーフォワード クラウド確定申告」のスマホアプリの機能をおさらいしておきます。

    スマホアプリの機能比較

    弥生 freee マネーフォワード
    ホーム画面 ホーム画面 - 弥生スマホアプリ ホーム画面 - freeeスマホアプリ ホーム画面 - マネーフォワードスマホアプリ
    対応OS iOS・Android
    取引の入力
    自動仕訳機能の操作
    レシート撮影・登録機能 別アプリを使用 別アプリを使用
    レポートの
    表示
    申告書類の
    作成
    電子申告

    ※弥生の画像は「やよいの青色申告 オンライン」のもの

    freeeは、ひとつのスマホアプリに多くの機能が備わっています。ただ、機能が多すぎて、人によっては使いにくく感じるかもしれません。弥生とマネーフォワードは、レシート撮影・登録機能に関してはアプリが分かれています。

    スマホアプリはあくまでも補助的な利用だけで、基本的な操作はパソコンで行うという方向けに、Web版についても簡単にまとめておきます。

    Web版の機能比較

    弥生 freee マネーフォワード
    料金 やよいの白色申告
    オンライン
    フリープラン
    0円/年
    ベーシックプラン
    10,120円/年
    トータルプラン
    18,480円/年

    やよいの青色申告
    オンライン
    
セルフプラン

    9,680円/年

    ベーシックプラン
    
15,180円/年
    
トータルプラン

    26,400円/年
    スターター
    1,628円/月
    12,936円/年

    スタンダード

    2,948円/月
    
26,136円/年

    プレミアム

    43,780円/年

    パーソナルミニ
    1,078円/月
    10,560円/年

    パーソナル

    1,408円/月

    12,936円/年

    パーソナルプラス

    39,336円/年

    取引入力 取引入力 - 弥生Web版 取引入力 - freeeWeb版 取引入力 - マネーフォワードWeb版
    レポート レポート - 弥生Web版 レポート - freeeWeb版 レポート - マネーフォワードWeb版
    申告書類の作成 申告書類の作成 - 弥生Web版 申告書類の作成 - freeeWeb版 申告書類の作成 - マネーフォワードWeb版
    対応OS Windows・Macなど
    機能
    • 帳簿づけ(手入力・自動取り込み)
    • レポートの表示
    • 申告書類の作成
    • 電子申告 など

    表示は税込料金

    3つとも、帳簿づけから確定申告までの基本的な機能は備わっています。それぞれ、ユーザーインターフェイスやサポート内容、そのほか細かな機能に違いがあります。詳しい比較については、以下のリンク先をご参照ください。
    >> やよい・freee・マネーフォワードの比較

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