2021年12月16日、会計ソフトメーカーの弥生は「確定申告e-Taxオンライン」の提供予定を公表しました。これがリリースされると、Macで弥生のクラウド会計ソフトを使っている個人事業主も、スムーズに電子申告ができるようになります。
-
本記事は2021年時点の情報をもとに作成しています。最新の情報については下記の記事をご覧ください。
>> クラウド会計ソフトのe-Tax対応まとめ【2022年版】
INDEX
目次
「確定申告e-Taxオンライン」ってなに?
弥生は、2022年1月下旬ごろから「確定申告e-Taxオンライン」の提供を開始すると発表しました。これは、Macで弥生の会計ソフトを使っている個人事業主が、電子申告を行いやすくするためのソフトです。
「確定申告e-Taxオンライン」の対象者
- 「やよいの白色申告 オンライン」をMacで使う個人事業主
- 「やよいの青色申告 オンライン」をMacで使う個人事業主
※ Windowsユーザーには関係ありません
現状、Macユーザーが弥生ソフトで電子申告をするには、会計ソフトで作った申告データを「国税庁のソフトに取り込んでから送信する」という手順が必要です。しかし「確定申告e-Taxオンライン」を使えば、もっとスムーズにデータを送信できるようになります。
【どう変わる?】弥生ソフトの電子申告
現状 | 2021年分の確定申告から | |
---|---|---|
Mac | 電子申告には 「e-Taxソフト(WEB版)」を使う |
「確定申告e-Taxオンライン」で 簡単に電子申告ができる! |
Windows | 「確定申告e-Taxモジュール」で 簡単に電子申告ができる |
上記のとおり、Windowsユーザーにはもともと電子申告用のソフト(確定申告e-Taxモジュール)が提供されています。ソフトの名称は微妙に異なりますが、2021年分の確定申告からは、Macユーザーも同じように電子申告がラクになります。
「確定申告e-Taxオンライン」を使う流れ
前提として「確定申告e-Taxオンライン」を利用する際には、個人認証を行うために下記の2つが必須です。マイナンバーカードを使わずに個人認証をする方法(ID・パスワード方式)は選択できません。
「確定申告e-Taxオンライン」の利用に必要なもの
- マイナンバーカード
- マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホ
>> マイナンバーカードの読み取りができるスマホ一覧 – 公的個人認証サービス
マイナンバーカードに対応したスマホとしては、たとえば「7」以降のiPhoneや、ここ数年で発売されたAndroid端末などが挙げられます。なお、カード読み取りの専用機器(いわゆる「ICカードリーダー」)は使えないので注意しましょう。
「確定申告e-Taxオンライン」を使った電子申告の流れ
まず「やよいの白色申告 オンライン」か「やよいの青色申告 オンライン」で、確定申告書類を作成します(ここまでは従来と同じ)。書類の作成後は、ソフト上からスムーズに「確定申告e-Taxオンライン」を起動できるようになる見込みです。
「確定申告e-Taxオンライン」を起動したら、マイナンバーカードをスマホで読み取って個人認証を行います。スマホには、あらかじめ「弥生 電子署名アプリ」という読み取り用のアプリをインストールしておきましょう(アプリも2022年1月に公開予定)。
他社ソフトとの比較【電子申告の対応状況】
近年、大手の会計ソフトは相次いで「国税庁のソフトを使わずに電子申告できる!」という機能をリリースしています。これは電子申告のしやすさに直結する機能なので、会計ソフト選びの際には対応状況をチェックしておきましょう。
大手会計ソフトメーカー3社の比較【電子申告の対応状況】
弥生 | freee | マネーフォワード | ||
---|---|---|---|---|
パソコンからの 電子申告 |
Mac | ○ 2022年1月頃から |
○ | △* |
Windows | ○ | ○ | △* | |
スマホからの 電子申告 |
iOS | × | ○ | ○ |
Android | × | ○ | ○ |
* 国税庁の「e-Taxソフト(WEB版)」を使う必要あり
「確定申告e-Taxオンライン」のリリースにより、弥生の会計ソフトはWindowsとMacのどちらでもオススメできるものになります。「電子申告はパソコンからやるよ」という個人事業主にとっては、申し分のない対応状況と言えるでしょう。
一方、弥生はスマホアプリの機能をかなり絞っているので、スマホからの電子申告に対応するのはまだ先になりそうです。「確定申告をスマホだけで済ませたい」という個人事業主は、freeeとマネーフォワードを検討してもよいでしょう。