多くの会社員が加入する健康保険「協会けんぽ」について、概要を分かりやすくまとめました。協会けんぽの正式名称は「全国健康保険協会管掌健康保険」。主に中小企業が入る健康保険です。
INDEX
目次
協会けんぽって何?
- 「協会けんぽ」の運営は都道府県ごとの協会支部で行われている
- 会社員は通常、協会けんぽに加入する
- 加入手続きは会社が行ってくれる(自主的な手続きは不要)
会社員の場合、加入する健康保険はこの「協会けんぽ」か「組合健保」です。勤め先に組合があれば「組合健保」、なければ「協会けんぽ」と決まっており、2つのうちどちらかを、会社で働く従業員が自由に選べるわけではありません。
保険料は組合健保より高め
- 協会けんぽの保険料率は、どの都道府県でも10%前後
- 保険料の負担は事業主と折半(事業主50%・従業員50%)
- 同じ給与額でも、保険料は組合健保より協会けんぽの方が多い傾向にある
会社員の場合、保険料をみずから納める必要はありません。勤めている会社が毎月の給与から保険料を差し引き、従業員の代わりに納めてくれています。
協会けんぽの保険料率は約10%ですが、事業主(会社側)がそのうち半分を負担することになっています。つまり、従業員の給与から差し引かれる保険料は、実際の保険料の半分の金額です。
個人事業主にも関係ある健康保険
- 個人事業主自身は「協会けんぽ」ではなく「国民健康保険」に加入する
- 法定業種なら、基本的に従業員を「協会けんぽ」へ加入させる必要がある
- ただし、従業員が5人未満なら「協会けんぽ」へ加入させなくていい
従業員の協会けんぽ加入が必須でない場合、基本的にはそれぞれ個人で国民健康保険に加入してもらいます。
しかし、過半数の従業員が協会けんぽへの加入に賛成しているなら、労使間で合意し、協会けんぽへ入る旨を申請することができます(任意適用)。
協会けんぽの入り方 – 強制適用のとき
協会けんぽへ入るとき、事業主は事業所のある地域を管轄する年金事務所へ、所定の書類を提出する必要があります。協会けんぽに入ることが義務付けられている(強制適用)事業所の場合、以下のような流れで手続きを行います。
法定業種を営む個人事業主なら、その事業所で従業員が5人以上になった日から5日以内に、年金事務所への手続きを済ませましょう。手続きは、窓口への直接提出のほか、郵送や電子申請でもOKです。
提出する書類には、従業員のマイナンバーを記載する箇所があったり、従業員に被扶養者がいる場合の追加書類があったりするので、事前に確認しておきましょう。
5日を過ぎてしまっても届出は可能ですが、保険証が送られてくるまで時間がかかるので、なるべく早めに出すことをオススメします。
まとめ
協会けんぽ | 組合健保 | |
---|---|---|
保険料 (月額) |
標準報酬月額の約10% | 標準報酬月額の約6~10% (組合による) |
加入者の 負担割合 |
50% | 50%以下 (具体的な数値は組合による) |
健康診断など各種診査 | ○ | ○ |
法定給付 | ○ | ○ |
付加給付 | × | ○ |
協会けんぽと組合健保では、納付金額や付加給付を除いて、保険の内容にさほど大きな違いはありません。協会けんぽは、地域ごとに具体的な保健事業が異なり、組合健保のようにスポーツ施設を優待価格で利用できる地域もあります。
協会けんぽも任意継続は可能
会社を退職する際、協会けんぽも組合健保と同様に「任意継続」ができます。もちろん、国保(市町村国民健康保険)へ切り替えることも可能です。その場合、住んでいる市区町村の役所へ自分で手続きに行く必要があります。