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目次
資金調達の種類(個人事業主向け)
かせぐ | もらう (返す義務なし) | かりる (返す義務あり) |
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個人事業主の資金調達方法は、ざっくり3つに分けられます。上表では、主要なものを紹介しています。
なお、クラウドファンディングについては、購入型・寄付型・融資型などの種別によって、考え方が異なります(詳細は後述します)。
かせぐ
- 自分で稼いだお金なので、使いみちは基本的に自由
- 時間や労力がかかり、効率はよくない
事業の売上 | 事業の黒字を事業運営に充てる |
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賃労働 | 会社員・アルバイトとして働く |
資産の売却 | 家財や不動産、債権などを売る |
売掛債権の売却(ファクタリング)
「売掛金」の権利を、第三者に買い取ってもらうサービスが存在します。これを「ファクタリング」といいます。早期に売上を回収できる反面、手数料が高くつくため、あくまで緊急避難的な手段です。
もらう
- 使いみちに制限がかかることがある
- 個人事業では、選択肢がかなり限られる
補助金など | 国や自治体の補助金・助成金へ応募する |
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寄付 | 寄付型クラウドファンディングなどを活用する |
出資を受ける | 法人化を前提として、お金を出してもらう |
補助金・助成金は基本的に、申請して即入金されるものではありません。事前に計画届を提出し、その計画が実施された後に受け取るものがほとんどです。
国が実施する主な補助金・助成金
経済産業省系のもの | 厚生労働省系のもの |
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要件を満たしても審査落ちがありうる | 要件を満たせば審査落ちは基本ない |
>> J-Net21:自治体も含めた補助金・助成金など – 中小機構
個人事業主は出資を受けられない?
ここでいう「出資」は、会社の資本金・資本準備金に充てるために行うものを言います。しかし、個人事業にはそもそも「資本金」の概念がありません。そのため、出資を受ける場合は、法人化が前提となります。
かりる
- 使いみちに制限がかかることがある
- 収入ではないので、課税されない
融資 | 面談などの審査を経て、使途を決めてから借りる |
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個人的な借入れ | 親、兄弟、友人などから借りる |
個人事業主におすすめなのは、日本政策金融公庫からの融資です。金利が低く、基本的には借りたときの金利のまま変動しません(固定金利)。ただ、審査が厳しい上に、時間もかかるので、申し込む際はしっかり準備しましょう。
大まかな特徴
金利 | 審査 | |
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日本政策金融公庫 | 低金利 | 厳しい |
銀行融資 | 低~中金利 | 厳しい |
銀行のビジネスローン | 中~高金利 | あまり厳しくない |
消費者金融など | 高金利 | 厳しくない |
上記のほか、各地域において、自治体や信用金庫・信用組合の融資も利用できます。また、自治体の保証制度により、銀行から融資を受けやすくなる仕組みもあります(「制度融資」という)。
【補足】クラウドファンディング
購入型 | 寄付型 | 融資型 | |
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サービス (例) |
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備考 | 商品などの提供を前提にお金を集める | 集まったお金は返す必要がない | 集まったお金は、利子をつけて返す必要がある |
一般的な個人事業主にとって、現実的な資金調達方法と言えるのは「購入型」のみです。地域経済への貢献度が高いものなど、事業内容によっては「寄付型」も視野に入ります。
「融資型」のクラウドファンディングは、ソーシャルレンディングともいいます。どちらかといえば法人向けで、個人事業主にとってあまり使いやすくはないです。