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ファクタリングの手数料
買取ファクタリングの手数料は、およそ「1%~20%」が相場とされています。ファクタリング会社からお金を受け取る際に、手数料が差し引かれます。
ファクタリングは「売掛金の買い取りサービス」です。融資とは異なり、継続的に利息を支払うことはありません。基本的には、手数料を1回支払って終わりです。
ただ、手数料を年間利率に換算して考えると、実はこれが結構大きな負担になります。どういうことか、実際に計算してみましょう。
年利換算したらどうなる?
ファクタリングは、2~3ヶ月での利用が一般的です。手数料を“年利”に換算する場合、これを12ヶ月にそろえて考える必要があります。本記事では、下図のように計算します。
たとえば、ファクタリングの手数料率が10%、支払サイトが2ヶ月だとします。これを年利に換算してみると、以下のように計算できます。
- 10% ÷ 2ヶ月 = 5%
5% × 12ヶ月 = 60%
一方、融資を受ける場合、金利が高いと言われる「ノンバンク系」のビジネスローンであっても、年利20%を超えることはありません(利息制限法)。ですから、緊急性がそこまで高くない状況なら、融資での資金調達を検討したほうがよいでしょう。
【個人事業主向け】ノンバンク系ビジネスローンの比較まとめ
【具体例】実際のサービスで年利換算
ファクタリングでも、サービスの種類・利用方法によっては、かなり手数料を抑えられる場合があります。以下では、具体的なサービスを6つ取り上げ、年利換算してみました。
2社間手数料 | 支払サイト | 年利換算 | |
---|---|---|---|
PayToday | 1%~9.5% | 90日以内 | 約4.1%~38.5% |
トップ・マネジメント |
3.5%~12.5% | 6ヶ月以内 | 約7.1%~25.3% |
FREENANCE 即日払い |
3%~10% | 105日以内 | 約10.4%~34.8% |
ラボル (旧ナゲット) |
一律10% | 150日以内 | 約24.3% |
ベストファクター |
5%~20% | 60日以内 | 約30.4%~121.7% |
ペイトナー (旧yup) | 一律10% | 70日以内 | 約52.1% |
※ 年利換算にあたって、最長支払サイトでの利用を想定した
2022年2月1日より、「nugget(ナゲット)」のサービス名が「labol(ラボル)」へ変更されました。名称変更後も、サービス内容に変更はありません。
手数料率や支払サイトの上限は、売掛金の質によって左右されます。信用力の高い企業の売掛金であるほど、手数料が低くなる傾向にあり、支払サイトが長めでも買い取ってもらいやすくなります。上記の年利換算は、あくまで参考程度にご覧ください。
また、実際にサービスを選ぶ際は、手数料だけでなく、使い勝手や審査の難易度なども考慮にいれましょう。詳しくは以下の記事でわかりやすく整理しているので、参考にしてみてください。
ファクタリング10選【比較一覧表】
ビジネスローンとの違い
今回、実際のファクタリングサービスを例に年利換算してみたところ、全体的には「約4%~120%」の範囲におさまりました。これを融資の相場とざっくり比較してみます。
日本政策金融公庫 | 約1%~2% |
---|---|
銀行のプロパー融資 | 約2%~3% |
ビジネスローン | 約3%~18% |
ファクタリング | 約4%~120% |
※ 相場はおおよその目安です。実際の金利はサービスにより異なります。
なお、融資の利息は、以下の点でファクタリング手数料と性質が異なります。したがって、単純比較はできません。
- 利息を継続的に払い続ける必要がある
- 返済方法によって、支払利息の総額が変わる
- 利率が途中で変動することがある(変動金利の場合)
- 借入期間が短いと、利率もその分高くなる傾向にある
ただ、単純比較できないとはいえ、世の中で「ファクタリングは手数料が高い」と言われている理由は、なんとなく実感できたのではないでしょうか。ファクタリングはここぞというときだけ利用しましょう。
ファクタリングに適したケース
「高額な手数料を支払ってもいいから、とにかくいま現金がないとまずい!」という緊急のときには、ファクタリングが役立ちます。たとえば、以下のようなケースが挙げられます。
- 黒字倒産しそうなとき
- 一時的に大量の仕入れが必要なとき
- どうしても融資が受けられないとき
黒字倒産しそうなとき
支払いに必要な資金(現金、預金など)が手元にないために、帳簿上は利益が出ているにもかかわらず倒産してしまうことがあります。これを黒字倒産といいます。
売上はきちんと立っているわけですから、売掛金の回収が追いついていない状態といえます。このようなときは、ファクタリングが有力な解決方法になりえるでしょう。
一時的に大量の仕入れが必要なとき
「確実に売れる商品を見つけたのに、お金がなくて仕入れできない…」という状況でも、ファクタリングが役立ちます。特にその商材が“流行りモノ”であれば、スピードが重要ですから尚更です。
ただし、個人顧客の売掛金は、ほとんどのファクタリングサービスで買取対象外なので注意しましょう。ちなみに「ペイトナー(Paytner)」なら、審査によって個人間の取引にも利用できる場合があります。
FREENANCE・ペイトナー(旧yup)・PayTodayの比較 – フリーランス向けファクタリング
どうしても融資が受けられないとき
融資の審査では、事業主本人の信用力が問われます。一方、ファクタリングでは、主に売掛先である顧客の信用力が問われます。事業主本人の信用力は、融資ほど求められません。
そのため、債務超過などで融資が受けられない状態であっても、ファクタリングの審査なら通る可能性があります。財務改善の見通しが立っているのであれば、検討の余地はあるでしょう。
まとめ
ファクタリングの「手数料20%」と、融資の「年利20%」では、まったく重みが異なります。一概には比較できませんが、以下のように手数料を年利換算する考え方があります。
ファクタリングと融資はそもそも利用シーンが異なり、単純な損得だけでどちらかを選ぶものではありません。上記の考え方を踏まえて、適切なタイミングでファクタリングを利用しましょう。
ファクタリングサービスの手数料 – 年利換算
2社間手数料 | 年利換算(支払サイト2ヶ月) | |
---|---|---|
PayToday | 1%~9.5% | 6%~57% |
FREENANCE 即日払い |
3%~10% | 18%~60% |
トップ・マネジメント |
3.5%~12.5% | 21%~75% |
ベストファクター |
5%~20% | 30%~120% |
ラボル (旧ナゲット) |
一律10% | 60% |
ペイトナー (旧yup) |
一律10% | 60% |
※ 年利換算にあたって、支払サイトはいずれも2ヶ月とした
手数料は、売掛金の質などによって、大きく変動するのが普通です。したがって、基本的には審査を受けてみないと、実際の手数料はわかりません。
ただ、labol(旧nugget)・ペイトナー(旧yup)の手数料は「一律10%」ですから、計算しやすく計画も立てやすいです。手数料だけでなく、このような使い勝手の良さなども考えてサービスを選ぶとよいでしょう。