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日本政策金融公庫とは?特徴をわかりやすく解説

更新日: 2021/07/02
日本政策金融公庫とは?特徴をわかりやすく解説

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目次

    日本政策金融公庫とは?

    日本政策金融公庫は、主に事業者向けの融資を行う金融機関です。「日本公庫」ともいいます。特別な株式会社で、政府が常に株式の100%を持つよう法律で定められています。

    日本公庫と一般的な銀行の違い

    日本政策金融公庫 一般的な銀行
    金利 低い 比較的高い
    着金までの時間 長め 短め
    創業時の融資 比較的受けやすい 受けにくい
    預金業務 なし あり

    日本公庫は、営利目的の一般的な金融機関とは異なり「創業者を増やす・倒産を減らすこと」を重視します。ですから、民間が融資しにくいケースであっても、政府の方針にしたがって積極的に対応してくれます。

    3つの事業

    国民生活事業 中小企業事業 農林水産事業
    小規模な事業者や、新規開業者・創業企業をサポートする 中小企業をサポートする。
    平均融資額は約1億円と、比較的大口の融資を行う
    農・林・漁業者と、中小企業規模の食品加工・流通業者をサポートする

    日本公庫の事業は、上記の3つに分かれています。なかでも「国民生活事業」では、融資の約9割が小規模事業者(個人事業主や零細企業)で占められており、小口融資をメインに行っています。

    融資の実態 – 国民生活事業

    平均融資残高 698万円(小口融資がメイン)
    融資先数 88万企業のうち約9割が小規模事業者(従業員9人以下)
    無担保融資割合 件数ベースで、無担保融資が80%超を占める

    2021年7月時点の公式サイト情報による

    メリット・デメリット

    日本公庫から融資を受けるメリット・デメリット

    メリット デメリット
    • 金利が低い
    • 事業実績がなくても融資を受けやすい
    • 無担保、無保証人の制度がある
    • 返済期間が比較的長い
    • 専門家のアドバイスを受けられる
    • 着金まで時間がかかる(1ヶ月程度)
    • 面談などの厳しい審査がある
    • 原則として借り換えができない
    • 場合によっては保証人が必要
    • 支店が少ない

    大きなデメリットは、着金まで時間がかかることぐらいです。よほど緊急でない限り、どこで融資を受けるか迷ったら「まずは日本公庫へ」と考えてよいでしょう。

    ちなみに、民間の金融機関からの借り換えはできないものの、新たな借入れは可能です。つまり、他の金融機関でお金を借りているからといって、日本公庫からの融資が一切受けられなくなるわけではありません。

    具体的にどんな融資があるの?

    日本公庫の国民生活事業で、個人事業主も対象に含まれる主な融資を、具体的な名称を挙げて紹介します。本記事では、ざっくり以下の3つに分類してみました。

    • 開業したいときや、開業したばかりのとき
    • 売上が芳しくなく、経営を改善したいとき
    • 事業が順調で、もっと拡大したいとき

    開業したいとき

    新規開業資金 新規開業する人でも借り入れできる
    新創業融資制度 無担保、無保証人で各種融資を利用できる
    女性、若者/シニア起業家支援資金 比較的有利な金利で借り入れできる

    経営を改善したいとき

    経営環境変化対応資金 売上が一時的に減少したとき借り入れできる
    マル経融資 商工会議所等の推薦を受けると借り入れできる
    担保を不要とする融資制度 無担保、無保証人で各種融資を利用できる

    事業を拡大したいとき

    挑戦支援資本強化特例制度 地域経済の活性化が見込めると借り入れできる
    中小企業経営力強化資金 外部専門家の指導を受けると借り入れできる
    企業活力強化資金 店舗、機械設備を揃えるときに借り入れできる

    なお、上表では各融資制度の大まかな趣旨を紹介しています。必ずしもこの通りに利用する必要はありません。

    申し込み~着金の流れ

    日本政策金融公庫で融資を受ける流れ

    上図は、初めて日本公庫の融資に申し込み、スムーズに契約までこぎ着けた場合の例です。提出書類に不備があったり、前例の少ない特殊な業種であったりすると、もっと時間がかかることもあります。

    なお、審査に落ちてしまっても、以下のように妥協することで、再交渉できる場合があります。

    • 希望額を減額する
    • 担保、保証人を用意する
    • 設備の購入をリースに切り替える

    まとめ

    • 日本政策金融公庫の融資は、一般的な銀行より金利が低い
    • 担保や保証人が不要の融資もある
    • 申し込みから着金まで1ヶ月程度
    • 事業計画はしっかり立てる必要がある
    • 審査は面談などを通じて厳しく行われる
    • 多少の実績不足は、計画の質などで補える

    ネット上では「日本公庫は審査が甘い」と言われることも多いです。たしかに、新規開業時など、民間の金融機関が断るようなケースでも比較的融資を受けやすいという意味では、間違いではありません。

    ただ、日本公庫の融資判断が甘いとは一概に言えません。事業に関する知識・経験、事業計画の内容、自己資金の有無、金融事故歴の有無、本人の人格など、あらゆる観点から総合的に評価されるので、入念に準備してから申し込みましょう。