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白色申告とは?まるっと分かる個人事業主の白色申告

更新日: 2020/09/30
白色申告とは?まるっと分かる個人事業主の白色申告

確定申告の方式には、大きく分けて「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。どちらかといえば、白色申告のほうが帳簿や確定申告書類がシンプルで、事務負担は少ないとされます。ただ、青色申告のような節税につながる特典を受けることはできません。

INDEX

目次

    白色申告とは

    白色申告とは、節税面での特典が与えられない、ベーシックな確定申告方式です。確定申告には、大別すると「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。色自体にさしたる意味はなく、ここで「白色」というのは「青色でない」程度の意味です。

    確定申告には白色申告と青色申告がある

    国税庁が推奨する確定申告方式を青色申告といい、それ以外を白色申告と呼びます。どちらかというと、白色申告のほうが事務的な負担が軽いと言われています。

    白色申告を希望する人は、税務署に対して「私は白色申告をします!」とわざわざ事前申請する必要はありません。青色申告を選択しなかった場合、自動的に白色申告になります。青色申告を希望する人だけ、事前申請により税務署の承認を受けてください。>> 青色申告承認申請書の書き方・記入例

    どうして青色にだけ特典があって、白色にはないの?

    青色申告者は、国税庁が考える理想的な帳簿(複式簿記など)に基づいて、より正確に所得などを計算します。そのご褒美として、節税につながる特典が与えられるわけです。白色申告者は、このような水準の帳簿は要求されないので、特典もありません。>> 青色申告特別控除について詳しく

    確定申告の流れをおさらい

    確定申告をするにあたって、事業・不動産・山林による所得がある人は必ず帳簿をつけ、これに基づいて年間の所得などを申告しなければなりません。白色申告者の帳簿には、最低限「収入」「必要経費」に関することを記録するよう、法律で定められています。

    確定申告をするまでの流れ

    まず、当年中(~12月31日)は、日々の収入や必要経費を帳簿に反映させ、その根拠となる領収書などの書類を整理して保管します。ほかに売掛帳や固定資産台帳など、任意で作成した帳簿があれば、それも保管しておきます。

    そして、翌年2月16日~3月15日の期間に、当年中に得た所得などについて確定申告をします。この期間内に提出できるよう、確定申告書などを作成すればよいということです。

    どんな人が白色申告をするのか

    どういう事業主が白色申告をするのかというと、大まかには「青色申告についてよく知らない」「自ら白色申告を選択している」「青色申告をしたいけれどできない」の3パターンに分類できます。ちなみに、給与所得のみの一般的なサラリーマンは、青色申告を選ぶことはできません。

    事業主が白色申告を選ぶ理由

    青色申告についてよく知らない事業主

    よくわからない、面倒なのでそのままにしている、という理由で青色申告の手続きをしない事業主は、白色申告をすることになります。会計についてあれこれ考えるのは面倒なので、とりあえず最低限の労力で帳簿づけと確定申告をしているというパターンです。

    自ら白色申告を選択している事業主

    所得が低いと所得税も少ないので、青色申告をしてもそれほど節税のメリットが得られません。事業規模も小さく、節税メリットがあまり得られないのであれば、より簡単な白色申告を選択するということになります。青色申告による少々の節税メリットよりも、白色申告による手間の軽減を選ぶというパターンです。

    青色申告をしたいけれどできない事業主

    初めて青色申告をする人は、事前申請によって税務署の承認を受ける必要があります。この申請には期限があり、間に合わなければその年の分は白色申告をすることになります。なお、一度承認がおりれば、それ以降の年は特段の事情がないかぎり青色申告をすることができます。

    本当に白色申告はカンタンなの?

    世間では「白色申告のほうがお手軽カンタンなんです」という説明がされることもあります。実際それは間違っていません。しかし「節税面でのデメリットを補って余りあるほどお手軽なのか」といえば、これは個々の状況によりけりです。

    青色申告でも単式簿記を選ぶことができるので、その場合は記帳の手間がほとんど変わらないこともあります。
    >> 白色申告のメリット・デメリット

    白色申告の帳簿について

    2014(平成26)年以降は白色申告でも帳簿づけが必須になりました。簡易な簿記で構いませんが、収入と必要経費に関する「金額・日付・科目・具体的な内容」を正確に記録し(法定帳簿)、それを7年間保管しなければなりません。

    白色申告の帳簿づけの例

    さらに、帳簿づけの根拠となる領収書などの書類も、法定帳簿と同じく必ず保管しなければならないものです。こちらは5年間保管すればOKです。ただ、いちいち何年保管すればいいか考えるのが面倒なら、すべて7年間保管しておけば間違いありません。

    加えて、買掛帳や預金出納帳など、必要に応じて任意に作成した帳簿(任意帳簿)があれば、5年間保管してください。任意帳簿を作成する必要がない事業主は、気にする必要はありません。

    法定帳簿 収入と必要経費について記録する 7年間
    (任意帳簿) 必要に応じて作成する 5年間
    帳簿関係書類 帳簿の根拠となる書類

    これらの書類は「税務調査」に備えるため、保管しなくてはいけません。税務調査とは、納税者が正しい申告をしているかチェックするものです。申告内容に不審な点があると、税務署から電話などで連絡が入り、のちに帳簿などを確認するため職員がやってきます。

    加えて白色申告には「推計課税」のリスクがあります。簡単に言うと、申告内容や帳簿に不備などがあれば、税務署が推計によって一方的に納税額を決めてしまうことがある、というものです。白色申告でも帳簿はきちんとつけておきましょう。

    2014年の改正以降、帳簿保存の義務が白色申告者にも課されたことで、以前ほどの「お手軽カンタンさ」は失われてしまいました。帳簿づけの難易度については、青色申告で単式簿記による方法を選べば、白色申告の場合とほとんど変わりません。
    >> 帳簿の保存期間と保存方法まとめ【白色申告・青色申告】

    白色申告で提出するもの

    白色申告を行う際は、帳簿をもとに以下の確定申告書類を準備する必要があります。これを確定申告期間中に、税務署へ提出することになっています。

    白色申告で提出する書類
    >> 白色申告で提出する確定申告書類について詳しく

    提出書類のうち、白色申告に特有のものが「収支内訳書」です。全2ページ構成で、帳簿の内容にもとづき、事業に関する収入や支出について詳細情報をまとめる書類です。つまり、一年間帳簿づけした内容が収支内訳書にギュッと凝縮されるということです。

    ちなみに、青色申告では収支内訳書の代わりに「青色申告決算書」を提出する決まりです。こちらは全4ページで、より詳しい情報を記載しなければなりません。

    まとめ – 白色申告のポイント

    白色申告は、どちらかというと青色申告よりも簡単です。節税面での特典は何もありませんが、用意する帳簿の種類は少なく済みます。確定申告で提出する書類も、青色申告に比べれば枚数や記入事項が少ないです。青色申告のような事前申請も不要です。

    白色申告の重要ポイント – 青色申告との違いを整理

    白色申告 青色申告
    事前申請 なし しなければならない
    帳簿 必要(最低限のもの) 必要(一定水準以上)
    提出する書類
    • 収支内訳書(2ページ)
    • 確定申告書B
    • 添付書類
    • 青色申告決算書(4ページ)
    • 確定申告書B
    • 添付書類
    特典 なし あり

    ※4ページの青色申告決算書が必要なのは65万円・55万円控除の場合

    青色申告のなかでも、単式簿記にもとづく方法なら、白色申告の場合とそれほど手間は変わりません。もし節税の余地がありそうなら、青色申告も検討してみてください。

    なお、白色申告者であっても、収入や必要経費を記録した帳簿(法定帳簿)は7年間、任意で作成した帳簿(任意帳簿)や帳簿関係書類は5年間保管する義務があります。長く保管するにこしたことはないので「会計書類はすべて7年間保管する」と覚えておきましょう。

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